横田に米空軍司令部統合案

東京の米軍横田基地に、グアムにある米軍空軍司令部を統合するという話が出ているようです。もしそうなれば、在日米軍基地が、「極東」の範囲を超えて、米軍の作戦指令のために使われることになり、日米安保条約第6条の規定が完全に有名無実化されることになります。

米軍、グアム空軍司令部を横田基地へ アジア太平洋管轄(朝日新聞)

米軍、グアム空軍司令部を横田基地へ アジア太平洋管轄

第5空軍・第13空軍の管轄空域

 米国が進める海外駐留米軍の再編(トランスフォーメーション)で、米軍がグアムの第13空軍司令部を横田基地(東京都)の第5空軍司令部に統合する構想を持っていることがわかった。第13空軍は中国を含む太平洋やインド洋の空域を管轄しており、構想は横田基地に朝鮮半島などを除くアジア太平洋の司令部機能を置くことを意味する。米陸軍も米ワシントン州の第1軍団司令部をキャンプ座間(神奈川県)へ移す意向があるといわれ、海軍横須賀基地(神奈川県)を拠点とする第7艦隊、沖縄の第3海兵遠征軍を含め、米国が日本をアジア太平洋の軍事作戦上の基軸(ハブ)と位置づける思惑が鮮明になった。
 米軍は、テロなどの新たな脅威に対応するため、約1年半前から世界的な体制の見直しを進めている。冷戦時代の敵と異なり、現代の脅威は「いつ、どこに現れるか予測しがたい」(国防総省高官)と分析。出撃拠点となるハブ基地を確保し、補給能力や機動力を高めて、遠方へも部隊を急派できる体制づくりを目指している。
 横田基地には、在日米軍の空軍部門である第5空軍の司令部がある。また、空軍としては太平洋で唯一の空輸航空団があり、指揮機能と物資輸送の拠点となっている。
 グアムのアンダーセン基地に司令部がある第13空軍は、B52爆撃機6機と空中給油機を持つ。世界最大級の空軍給油施設も備え、米本土の爆撃機などの補給拠点になっている。これが統合されれば、第5空軍司令部はアフリカ東岸までの広大な空域で、哨戒活動など平時の任務や、人事管理などについて責任を負うことになる。
 日米安保条約は、米軍の駐留目的を「日本と極東の安全、平和のため」(6条)と定める。第13空軍司令部の管轄範囲は極東をはるかに超えるが、外務省は「主たる任務の実態が極東の安全、平和のためであれば、ある時、ある部隊が他の地域へ移動しても問題ない」としている。
 国防総省は01年、「4年ごとの戦略見直し(QDR)」で、米軍の世界的な体制再編の枠組みを示した。日本を含む北東アジアの主要基地については、「戦力投入のためのハブとなりうる」として維持する方針を表明した。
 キャンプ座間に移転する計画の第1軍団もアジア太平洋全域を管轄する。これに伴い、横田基地にある在日米軍司令部をキャンプ座間に移し、アジア太平洋全域を管轄する新たな司令部とする案もある。
 日米両政府は15日にサンフランシスコで開かれる外務・防衛両省庁の審議官級の協議で、米軍の再編案について正式な協議に入る。国防総省高官は13日、「数週間ないし数カ月以内に大統領に提言できる」との見通しを明らかにした。計画が固まり、実際に部隊の移動が始まるのは「05年末か06年はじめになるだろう」という。(07/15 16:01)

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