プロ野球選手会がスト決定

プロ野球選手会がスト突入を決定しました。
ニュースなどを詳しく見ていないので、交渉経過がいま一つよく分かっていないのですが、結局は、選手会側が来季パリーグ6球団の可能性を最大限追求したかったのを、球団側が拒否したというのが結論のようです。

しかしその結論は、昨日の交渉開始の段階からある程度予想されていました。12球団うちそろっての異様な記者会見での「近鉄・オリックスの合併見直しというのは古田選手の事実誤認だ」という瀬戸山議長の発言は、「来季パリーグ5球団以上」という合意を一方的に覆すものです。初めから、球団側に合併見直しをやるつもりがなかったのなら、先週の合意は選手会にウソをついて選手会を騙したということです。いったん合意した「見直し」が、オーナーに覆されたというのなら、球団代表は全員辞職すべきです(まあ、機構側の協議交渉委員会なるものが、実は“子どもの使い”でしかなかったということですが…)。どっちにしても、スト突入の責任は、球団側にあることは明白です。

新規参入について、「公平を期すために、慎重に審査する必要がある」という機構側の見解は、誰が聞いても唐突な印象をまぬがれません。なぜなら、球団合併のときは「慎重」な検討などまったくされなかったからです。最後になって突然労使交渉を「公開」でやろうと言い出したのも、それまで自分たちが「密室」で合併を強行したことへの反省など一言もないままでは、はなから昨日今日の交渉を決裂させるための「ためにする」提案だと思わざるをえません。

もう1つ、根来コミッショナーの「調停案」なるものが出されましたが、内容は、先週の機構側と選手会の合意以下のもの。新規参入促進も、球界改革のための協議機関の設置も、すでに合意済みのことで、しかも機構側と選手会の合意では、機構側と選手会側とで協議するとなっていたものを、第三者をいれて水で薄めようなどという「調停案」は、調停の名に値しない出来の悪い代物です。自らの首をかけると言ったのですから、こんなぼんくらコミッショナーにはさっさと辞職してもらっても何の不都合もありません。

さて、問題は今後です。優勝争いと日本シリーズについては、選手会側は「土日」の試合をやらないとしか言っていないのですから、日程を組み替えれば、十分消化できるのではないでしょうか。その日程調整をどうするかは、機構側が考えること。手をこまねいて、リーグ優勝と日本シリーズを頓挫させるとしたら、その責任は機構側が追うべきものだと思います。

これで、球団合併問題をめぐる動きは、次の段階にすすむことになります。選手会の主張――来季もパリーグ6球団でという要求――は、ファンにも支持された道理ある要求なのだから、変な妥協などはからずに、選手会は堂々とストライキを行なうべきです。そしてファンは、今回露呈したオーナー側の独善的な運営をあらためさせるために、選手会と一緒になって声を上げるべきだと思います。

ストライキ決行のお知らせ―日本プロ野球選手会

ストライキ決行のお知らせ

 本日大変残念ながら、既に予告しておりました明日18日(土)、明後日19日(日)のストライキを決行することとしました。
 選手会は、当初からこの問題の解決のためには、多くの選手とファンを犠牲にする最悪の事態である球団削減につながる球団統合を性急に行うのではなく、統合に伴う問題点を十分協議するため、統合を1年凍結しての話し合いが必要だと主張してきました。

 つまり、(1)球団削減により多くの移籍、解雇が出る可能性のある選手の労働条件、(2)球団統合による球団数減少を元に戻すための新規参入の促進、(3)さらなる球団削減を防ぐための制度作り(ドラフト改革、収益分配)のための協議が必要であり、その十分な協議のためにも統合を1年凍結しての話し合いが不可欠であると主張してきました。
 この2日間の交渉で大きな問題となったのは、1.パ・リーグが5球団の場合と6球団の場合での交流試合を前提とした収支の違いに関するシミュレーションを踏まえて大阪近鉄・オリックスの球団統合の1年延期が可能かどうか、2.球団統合を行う場合の2005年シーズンに向けての新規参入球団の積極的受け入れ、3.統合に伴う選手の移籍の条件の3点でした。

 しかし、1.については、こちらはセ・パ両リーグ全体の収支を計算した上のシミュレーションをお願いしたのですが、NPBからはオリックスと大阪近鉄の収支のみのシミュレーションが示され、2球団分の損失が1球団分になるという自球団の統合メリットのみを強調するだけで、あくまで統合は延期できないという大前提を覆しませんでした。2.については、未だにさらなる球団削減を希望する意思の強い球団が存在することから調整がつかず、2005年シーズンに向けての新規参入球団の積極的受け入れに向けて努力することを約束できないという回答にとどまりました。また3.については、大阪近鉄選手に関するプロテクト枠の存在などを理由に選手会の求める条件は受け入れられないという回答にとどまりました。

 選手会としては、選手の雇用の問題もありますが、何とかプロ野球の縮小方向を踏みとどめ、12球団を維持しさらにはこれを拡大して球界を発展させていきたいと願っております。このような点から全力で交渉を行ってきました。また、ストライキがファンのみなさんにとって悲しいことであることを十分に理解した上で、最大限ストライキを回避すべく交渉してきました。ストライキは何より野球をやりたいと思っている選手自身が本当に避けたいものであり、それは今後も変わるものではありません。選手自身このような結果になってしまったことを大変残念に思っていますし、ご迷惑をおかけする多くの方々には心から謝罪申し上げます。できましたら、プロ野球の将来を考えに考え抜いた末の選手の苦渋の決断であるということを、ご理解いただければと思います。
 来週以降も誠実な交渉を行い、プロ野球の将来にとって最良と思える結果につながるよう努力していきたいと思っています。

2004年9月17日

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

4件のコメント

  1. ピンバック: So What ?!
  2. ピンバック: Party?Party!@neppie.com
  3. TBありがとうございます
    今回進んだ話ってないんですよね
    選手会は危機的状況に球界の今後を考えての行動なのに対して
    経営側の決まっていることは覆せないという結論のみでは
    ファンはストライキを選手会を支持しますよホント

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