警部補が拘置中の女性の髪に火をつける

警部補が拘留中の女性の髪に火をつけるという事件がありました。報道では、「暴行容疑で事情を聞いている」となっていますが、これは刑法195条「特別公務員暴行陵辱」罪でしょう。身内の事件だからと、勝手に甘くするのは許されません。ちなみに、この警部補は留置管理課係長です。

拘置中の女性の髪に火 群馬県警桐生署の警部補(共同通信)

刑法第195条【特別公務員暴行陵虐】 裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者が、その職務を行うに当たり、被告人、被疑者その他の者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときは、七年以下の懲役又は禁錮に処する。
 2 法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときも、前項と同様とする。

拘置中の女性の髪に火 群馬県警桐生署の警部補

 群馬県警桐生署で、留置管理課の男性警部補(49)が、暴行容疑で拘置中だった同市の女性(38)の髪にライターで火をつけていたことが18日、分かった。同署が暴行容疑などで警部補から事情を聴いている。
 桐生署などによると、警部補は12日午前8時25分ごろ、女子留置室裏側の通路で、運動時間中だった女性の髪に100円ライターを近づけ、髪の毛の一部を焦がした。女性は同日「精神的に苦痛を受けた」として暴行容疑の被害届を同署に提出した。その後、女性は起訴猶予処分になり、既に釈放されている。
 警部補は事実関係を認め「ふざけて髪にライターを近づけたら、火がついてしまった」と話しているという。(共同通信) – 10月18日11時49分更新

ちなみに、「暴行」の罪とは、「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかった」場合のことで、この事件の場合、髪が燃えただけだから「傷害には至らなかった」と言うことなのでしょう。しかし、髪をばっはり切ったりした場合には「傷害」が成立するとの判例もあり、傷害に至らなかったかどうかは程度によります。

また、この警部補は逮捕されていないようですが、特別公務員暴行陵辱は「7年以下の懲役または禁錮」という重罪です(たとえば、「未成年略取および誘拐」の罪は3カ月以上5年以下の懲役)。警察側は、たんなる「暴行」なので、逮捕もせずに事情聴取ですませようとしているみたいですが、逮捕して取り調べをおこなうのが当然ではないでしょうか。

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

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