世界でいちばん望まれない留任…

ラムズフェルド米国防長官の留任が決定。パウエル国務長官が退任したときに、“相撃ち”で、ラムズフェルドも退任かと言われたのですが…。残念っ!

米国防長官:大統領の擁護でラムズフェルド長官続投決まる(毎日新聞)

米国防長官:大統領の擁護でラムズフェルド長官続投決まる

 【ワシントン和田浩明】ラムズフェルド米国防長官の留任が固まった。次期国務長官に指名されたライス大統領補佐官と並び、「単独行動主義」「先制攻撃」と批判を浴びたイラク戦争の旗振り役だ。ブッシュ大統領は1日、訪問先のカナダで、2期目は国際協調を求める姿勢も示したが、「双頭のタカ」とも言うべき外交・安保チーム構成は、1期目以上の対外強硬姿勢への懸念を生む一方、「政策の継続性」を評価する声もある。
 イラクの大量破壊兵器の脅威を強調、イラク戦争を推進したラムズフェルド長官だが、「イラクを解放し早期撤退する」との楽観的シナリオは、実現しなかった。
 ブッシュ大統領の大規模戦闘終結宣言(03年5月)から1年半以上がたっても治安は安定せず、駐留米軍の規模を、開戦後最大の15万人規模に増強せざるを得なくなった。戦争の大義名分だった大量破壊兵器も発見されず、情報操作疑惑を指摘する声は根強い。イラクなどで米兵による拘束者虐待事件も噴出、米国の威信を失墜させた。
 こうした失策を背景に、ラムズフェルド氏の解任を求める声も依然強い。米シンクタンク「センター・フォー・アメリカン・プログレス」のフィリップ・クローリー上級研究員は3日、CNNテレビで「イラクの問題は、ラムズフェルド氏の判断ミスの結果」と批判した。
 だが、ブッシュ大統領は同長官を擁護し続けた。最重要政策である「対テロ戦争」の最高司令官として再選を勝ち取っただけに、ラムズフェルド氏の排除は、政策の失敗を認めたことになるからだ。ラムズフェルド氏自身も、イラク安定化と、自らが推し進める米軍の再編・変革(トランスフォーメーション)に道をつけたいとの思いが強く、留任を望んでいたとされる。
 国際協調派のパウエル国務長官が去り、イラク戦争推進派が前面に出ることで、ニューヨーク・タイムズ紙は28日付社説で「ブッシュ氏は1期目が生ぬるかったと思えるような政策を進めるのではないか」との懸念を示した。一方、保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」のジェームズ・カラファーノ上級研究員は「トランスフォーメーションやミサイル防衛などでの政策の継続性は保たれる。北朝鮮やイランに対して先制攻撃を行うことも考えにくい」と語った。[毎日新聞 2004年12月4日 11時27分]

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