自民党、社会保障合同会議で消費税引き上げ検討を提案

14日午前、衆参両院社会保障合同会議が開かれ、各党が社会保障・年金改革問題で基本的見解を表明。自民党は、消費税引き上げを検討するよう提起。

社会保障合同会議、自民「消費税上げを検討」表明(NIKKEI NET)

社会保障合同会議、自民「消費税上げを検討」表明

 社会保障制度改革を協議する与野党の衆参両院合同会議(会長・与謝野馨自民党政調会長)は14日午前、実質審議に入った。自民党の丹羽雄哉社会保障制度調査会長は基礎年金の国庫負担割合を3分の1から2分の1に引き上げる中で「(所得税などの)定率減税の見直しや消費税(引き上げ)など財源の手当てが最重要課題だ」と述べ、消費税率引き上げも含め検討すべきだとの考えを表明した。
 年金制度の一元化に関しては「厚生、共済両年金の一元化が現実的」と語り、厚生と共済の先行統合を提案した。
 民主党の岡田克也代表は「従来の政府方針をなぞったにすぎない。どうしてこれが改革なのか」と批判。「国民年金が現実に壊れていることにどう対応するのか。企業では非正規社員が増え、転職も当然の時代になった」と年金制度一元化の重要性を力説した。年金目的消費税を創設して基礎年金部分を全額税方式に移行するよう訴えた。[NIKKEI NET 2005/04/14 11:20]

各党の主張(中国新聞から)

【自民党】
国民皆年金、国民皆保険は少子高齢化と経済低迷で曲がり角にある。社会保障制度を自立自助の方向に軸足を移していくべきだ。年金制度は、厚生年金と共済年金の一元化から進めることが現実的。国民年金は制度の成り立ちが異なり、一元化するには、所得把握など課題を克服する必要がある。税方式による最低保障年金導入は短絡的で、生活保護的色彩が強くなる。基礎年金の国庫負担を2分の1に引き上げるための財源の手当てを急ぐべきだ。
【民主党】
公的年金制度への国民の信頼がなくなっており、年金不信を取り除くことが大事だ。国民年金は空洞化し、制度が壊れている。多くの無年金者を生み出し、社会保障制度の根幹を揺るがす事態と認識すべきだ。多様なライフスタイルに中立で持続可能な新制度の構築が必要。公的年金制度を一元化し、年金目的消費税などを財源とし、全額税負担とする最低保障年金と、所得に応じた所得比例年金の仕組みにする。所得把握のために納税者番号制度も導入する。
【公明党】
2004年の年金制度改革は、厚生年金や共済年金の負担上限などが明確なすぐれた抜本改革だ。批判するなら、保険料率や給付額などを明らかにすべきだ。財源については、社会保険方式は個人の保険料納付努力を促すが、税方式だと年金を受け取る国民の権利が弱められる。保険料と税のベストミックスが基本だ。まず共済年金と厚生年金の一元化を議論し、国民年金は一元化を展望しながら利便性など改善策を論議すべきだ。年金、医療、介護に育児支援を含め、全体的に議論をすべきだ。
【共産党】
無年金者や低額年金者は膨大な数で深刻。厚生、共済、国民の各年金の共通の土台として、全額国庫負担の最低保障年金を設定し、月額5万円から始め、徐々に引き上げる。安易な年金一元化は、保険料引き上げや給付水準引き下げを招き、事業主負担をなくす入り口になりかねない。年金財源に消費税を充てるのは認められない。歳出の無駄を徹底的に洗い直し、負担能力のある人に応分の負担を求め、年金積立金を2050年ごろまで取り崩して給付に回すべきだ。
【社民党】
今の年金制度は複雑で転職すらままならない。多様な働き方に対応するためにも年金制度は一元化すべきだ。基本的な暮らしを保証するために全額税方式の基礎的暮らし年金と、所得比例年金を創設する。暮らし年金は月額8万円で、誰にでも支給する。財源は歳出の大幅な見直しや法人課税の見直し、企業への「社会保障税」などで賄う。所得比例年金は所得に応じて、サラリーマンも自営業者も同率にする。年金積立金の運用の在り方も検討する。

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

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