最近の「九条の会」関係の動き

最近の「九条の会」関係の動きをまとめてみました。(抜けてるのもいっぱいあると思いますが)

千葉では、県議・市議レベルで超党派の地方議員「九条の会」が結成されました。奈良、徳島・池田町で、講演会が開かれました。

先日、加藤周一、大江健三郎氏などが記者会見したときは、地域での「九条の会」が1280になったと報告されていました。1つ1つは小さくても、こうした動きをなるべくひろっていきたいと思います。

九条の会:県議ら結成総会 超党派で改憲阻止を――習志野/千葉

 憲法9条を守ろうと、共産、社民、市民ネットなど党派を超えた県内の県議、市議が連携する「九条の会・千葉地方議員ネット」の結成総会が17日、習志野市の京成労働会館で行われ、議員約70人が参加した。同会によると、憲法9条に関して議員が県レベルで連携して会を結成するのは全国で初めてという。
 同会結成のきっかけは作家の大江健三郎さんらが昨年6月に結成した「九条の会」。この趣旨に賛同した議員が、「地方議員で連携し、憲法9条を守り、改憲を阻止しよう」と、昨年10月から準備を進めてきた。準備会の呼びかけに対し、17日現在で22市3町の各議会と県議会議員の計116人が賛同しているという。
 この日の結成総会では、今後の活動方針を確認。最後に「住民福祉の向上と平和を願う地方議員として、市民と力をあわせて活動していく」とのアピールを採択した。
 同会は今後、市民を対象に学習会を開くなど、県全域に活動の輪を広げていく方針。【中川紗矢子】[毎日新聞 2005年4月18日]

憲法改正:九条の会が講演会、1300人が聴き入る――奈良/奈良

 「『九条の会』奈良」が17日、奈良市登大路町の県文化会館で「憲法講演会」を開いた。同会は、作家の大江健三郎さんらが04年6月に東京で設立した「九条の会」の賛同者でつくる。この日は、絵本「世界がもし100人の村だったら」の作者、池田香代子さんと、「九条の会」事務局長の小森陽一・東京大大学院教授が、日本国憲法の意味と、最近の改正論議の問題点などを説明。参加者約1300人が聴き入った。
 池田さんは「政府が個人の自由を脅かして戦争を始めてしまった社会があり、その反省から9条は生まれた」と個々の人間の自由や幸せを守る尊さを解説。「私達は『無力』でなく『微力』がある」として、憲法を根付かせるために力を結集させる意義を話した。また、小森教授は「アメリカの世界戦略から、集団的自衛権を持たない日本の憲法が変えられようとしている」と厳しく指摘。「改正の波を押し返すため、まず、周囲の人と憲法を持続的に話す関係を築いて」と呼びかけた。【青木絵美】[毎日新聞 2005年4月18日]

憲法改正:憲法擁護アピール 改憲に反対、九条の会が講演会――池田/徳島
◇寄せ書きして憲法擁護アピール

 憲法9条の改憲に反対する市民らでつくる「九条の会」による県内初の講演会が17日、池田町マチの町総合体育館で開かれた。来月に「西部みんなの九条の会」(仮称)結成を目指す実行委(高井房子代表)の主催。
 香川大・愛媛大連合法務研究科教授の吉成務さんらが「『他国から攻め込まれたら』ではなく、『攻め込まれないためにはどうするか』という意志を示した条文が憲法9条と考えるべきだ」などと訴えた。講演予定だった故三木武夫首相夫人の睦子さんは体調を崩して来県できず、昨年6月の同会発足記念講演会で「私たちの子孫が将来、武器を持って海外に出なくてもよいようにしたい」と話す映像が流された。
 また、三木さんが「九条を守ろう輝かそう」と朱書きした布に、訪れた約700人が寄せ書きして平和憲法擁護をアピールした。【津島史人】[毎日新聞 2005年4月18日]

世界に輝く憲法九条学ぶ 伊那の集いに110人

 戦争放棄を掲げた憲法九条を守る取り組みを進めようと24日、「世界に輝く憲法九条を学ぶ上伊那の集い」が、伊那市中央区の伊那公民館で開かれた。約110人が出席。紙芝居や上伊那地方各地の「九条の会」の報告、講演を行い、アピール文を採択した。
 昨年から発足あるいは発足準備を進める九条の会で組織する憲法九条を守る上伊那連絡会の主催。昨年来、文化人による九条の会の発足、県内における憲法九条を守る県民過半数署名の実施などの動きを、上伊那地方でも促進しようと開いた。憲法九条が改正された場合を予想した紙芝居の上演や、辰野・箕輪・伊那の九条の会および発足準備をする駒ケ根の現状報告、現代史研究家山田敬男さんの講演「憲法九条はなぜ大切か」などがあった。
 このうち、九条の会の報告で辰野町の酒井十四男さんは、「署名には快く応じてもらい現在、町内分は約3500人分が集まった。一万人を目指してこれからも取り組みたい」と意欲を示した。また、伊那市の倉田節子さんは「会員は250人を超え、署名は1500人ほど」と報告し、「九条に関する本音の議論が必要」と問題の提起をした。(長野日報 2005年4月25日掲載)

憲法9条 守る活動広げよう/岡北地区

 憲法改正を目指す動きが高まりを見せる中、現行の憲法を守る活動を地域に広げようと、岡山市の岡北中学校区に「岡北地区九条の会」が結成された。23日には「憲法九条を語る岡北のつどい」が岡山市津島東1丁目の北公民館で開かれた。
 同地区に住む弁護士、元中学校長、主婦ら9人が呼びかけ人になって結成。
 参加を呼びかける文書は「賛同する人々の輪が広がり、9条を守る大きなうねりとなることを心から願っています」としている。今後、集会などを通じて、憲法の大切さを語り合う活動を地域に広げていきたいとしている。
 この日の集いには約40人が出席。講演した県婦人協議会の水野三重子会長は「戦争のきな臭いにおいが社会を包むのではないかと心配です。私たちの手で憲法を守っていかなければならない」と語った。
 参加者からも「憲法ができたときはうれしかった。日本の宝だと思ってきた」「絶対に、再び戦争のできる国にしてはならない」と次々に声が上がった。[ashahi.com 岡山 4/24]

桂米朝さん 吉田玉男さん 藤本義一さんら/大阪府で九条の会

 「憲法九条改悪を阻止する一点で賛同を」と「九条の会・おおさか」が二十五日、大阪府で発足しました。呼びかけ人はジャーナリストの大谷昭宏氏ら十四人。人間国宝の桂米朝(落語家)・吉田玉男(文楽人形遣い)両氏や、作家の藤本義一氏らが名を連ねています。
 同日の記者会見で大谷氏は、「憲法とは国のありようや人の生き方を誓い合ったもの。実現不可能だから、世界の現状にあわないから変えるというのはおかしい。『変えるな』とこの会で訴えたい」と語りました。
 同会は、昨年六月に作家の井上ひさし氏や大江健三郎氏らが呼びかけた「九条の会」アピールへの賛同者を大阪で広げようというもの。今後、大阪府内で百以上ある地域・職域の「九条の会」をつなげる情報を発信・交換することや、大規模集会の開催、意見広告を出していくことなどを予定しています。

 呼びかけ人は次の各氏。
 大谷昭宏(ジャーナリスト)、桂米朝(落語家)、鬼追明夫(元日弁連会長)、清史彦(真宗大谷派瑞興寺住職)、小山仁示(関西大学名誉教授)、新野新(放送作家)、杉山平一(詩人・映画評論家)、津村明子(大阪府生活協同組合連合会会長)、直木孝次郎(大阪市立大学名誉教授)、藤本義一(作家)、松浦悟郎(日本カトリック正義と平和協議会会長)、宮本憲一(大阪市立大学名誉教授)、森南海子(デザイナー・随筆家)、吉田玉男(文楽人形遣い)
[しんぶん赤旗 2005/04/26]

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

4件のコメント

  1. はじめまして。
    以前からちょくちょくのぞいていました。
    折を見てコメントを残そうと思いながら、自分の方に精一杯で、今日まで延び延びになっていました。

    九条の会、はっきり言って、地方紙を除き全国紙は軒並み「完全無視」だったのに、これだけの盛り上がりの前に、ついに無視できない存在になってきたとも言えそうです。

    昨年の結成講演会に僕も参加しました。プレスに用意された「特等席」には大勢の記者が陣取っていました。しかし翌日報道したのは、僕が知る限り「赤旗」しかありませんでしたね。

    前々から僕もこの流れに身をおかねばと思いつつ、「時間がない」状態(ただの言い訳)でした。僕が住む渋谷・代々木では昨年末「渋谷九条の会結成準備講演会」が行われましたが、それ以後の動きは一切ありませんでした。

    先日、事務局のある代々木総合法律事務所に連絡すると、電話に出たA氏は、僕の「何かしなければと思っているのですが」という訴えをほぼ上の空で聞き流し、「ご要望があれば弁護士は派遣します」「客が着たから失礼します(って先にあなたと話してたのは僕の方だろう)」と、まったくやる気が感じられませんでした。

    平和活動などをしている人と一般人との間には溝があると感じますが、「味方」の間にも溝があるとよく感じる一例でした。
    こんなことでは絶対に「敵」の改憲策動には勝てないだろうなあ、というぼやきでした。すみません、初めてのコメントで。

    僕が生まれる前にあった「安保共闘」組織は全国で2000以上あったそうですね。今は当時の社会党や総評のような「日和見主義的」な組織の影響が少ない(と思っているんですが)分、九条の会の組織数が安保共闘を上回れば、展望は開けるかもしれませんね。

    僕もくじけずがんばろうと思います。
    これからもよろしくお願いします。

  2. >yoshiさん、初めまして。
    コメントありがとうございます。m(_’_)m

    地域で「九条の会」を立ち上げようというとき、東京は、ちょっと地方とは違う独特の“難しさ”がありますね。財界・政界主流のイデオロギー的圧力ということもありますが、いわゆる地域の主立ち、顔役といった“核”になってくれる人がいないため(実際にはいない訳ではなく、見えにくいだけなのかも知れませんが)、呼びかけ人を募って九条の会を、といっても、そうすんなりと動き出さないところがあります。
    それに、著名人を弁士に招いて講演会を開いて人を集めるというだけでは、うまくすすまないかも。そのへんで、うまい知恵の出せる人が集まるといいのですが…。

    でも、九条の会って、あまり難しく考えず、もっと銘々がやりたいことをやりたいところから始める、というのがあってもいいんじゃないかと思うんですよ。

    ここのブログで、九条の会のことや憲法のことをいろいろ書き込んでいるのも、僕なりの「九条の会」応援活動のつもり…なんです。憲法缶バッチをつくってみたいな、というのもその1つ。実は、イラク戦争のとき、知り合いがつくった缶バッチを鞄に付けていたら、電車の中で「それ、どこで手に入るんですか?」と聞かれたことがありました。だから、格好いい9条缶バッチがあれば“行商”してもいいなあと思ってるんですよ。なかなか、格好いい缶バッチがないのが悩みなんですが…。(^^;)

    そういうふうに、いろいろアイデアを絞り出して、「難しくせず」「できるところから、やりたいことを」の精神で行きましょう。

  3. お返事ありがとうございました。
    「焦っても仕方ない」のかもしれませんが、今の状況では1秒でも放っておけば、それだけ「(九条にとっての)有事」につながるというのが僕の認識です。実際に、九条の存在にかかわらず、(憲法より下位の)法律上はいつでも戦争ができる体制を整えています。加藤周一さんは、自分自身にかかわる問題であるのに、若い人が疑問を抱かないことを不思議に思うとおっしゃいます。僕はもう「若い人」の枠を出たと思いますが、危機感だけは強く持っています。

    その危機感をいかに外に向けて、共感されるように表現するか。「素敵な缶バッチ」もひとつなのでしょうね。「全員が表現者」という小森さんの呼びかけに応えるべく、僕も責任を感じます。

    九条の会については、おっしゃるように、「著名人を弁士に招いて講演会を開いて人を集めるというだけでは、うまくすすまない」のです。「ありがたいお話を聞けてよかった」という自己満足的な「既成の運動にありがちな欠点」を克服しなければならないと思っています。

    小森さんは講演会で、「ここにいらっしゃる皆さんはほとんど顔見知りで、みなさんはもうこなくて結構ですから、新しい人を連れてきてください」と言われました。これはみんなの課題です。

    先ほどの缶バッチの件ですが、僕は日常的に公共交通機関を使わない生活をしています。ほぼすべてを自転車で済ませます。自転車の後ろに旗でも立てようか、と考えたこともありますが、「目立ちすぎて」、どこにでも駐輪できなくなると困るなあ。。。とちょっと尻込みしています。

    ところで、僕のブログにリンク貼らせていただいてもよろしいでしょうか? 「九条の会」つながりと言うことで。僕のについては、GAKUさんの不利益にならなければ、お願いしたいと思います。

  4. >yoshiさん、こんばんは。
    ノボリは確かに目立ちますねぇ。(^^;) 何にせよ、日常的にアピールしたいですね。それも、「九条を守ろう」じゃなくて、「僕は九条改憲に反対します」みたいな。

    ところで、リンクですが、ブログは自由にリンクしたりトラックバックを送ったりするものだと思っています。それがブログの楽しみだと思いますし。ということで、リンクは大歓迎です。よろしく?

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