山崎拓・自民党前副総裁は「起訴相当」

日歯連不正献金事件で、東京第2検察審査会は、自民党前副総裁の山崎拓衆議院議員を「起訴相当」とする議決をおこないました。

問題は、日歯連が、山崎前副総裁に3000万円、自見庄三郎元郵政相、木村義雄元厚生労働副大臣(どちらも衆院議員)に1000万円献金をしておきながら、それを自民党の政治資金団体「国民政治協会」宛5000万円の献金として処理したこと。政治資金規正法違反の「迂回献金」にあたる訳です。他の2議員がいずれも「不起訴不当」なのにたいし、山崎拓氏については「起訴相当」としたのは、当時、自民党幹事長という立場にありながら政治資金規正法の趣旨をふみにじったことを重くみたということです。

日歯事件で3千万迂回献金疑惑「山崎拓氏、起訴相当」(読売新聞)

日歯事件で3千万迂回献金疑惑「山崎拓氏、起訴相当」

 日本歯科医師会(日歯)の不正献金事件で、日歯側から3000万円の献金を受けながら収支報告書に記載しなかったとして、政治資金規正法違反で告発されたが不起訴処分(今年1月)となった自民党前副総裁の山崎拓衆院議員について、東京第2検察審査会は、異例の「起訴相当」の議決をした。
 同じく各1000万円の献金について記載しなかったとされる元郵政相の自見庄三郎、元厚生労働副大臣の木村義雄両衆院議員(いずれも自民)については、「不起訴不当」とした。議決は19日付。
 議決によると、この三つの献金は、日歯側から自民党の政治資金団体「国民政治協会」(国政協)あての5000万円の献金として処理されており、国政協を利用した新たな迂回(うかい)献金疑惑が浮上した。審査会は日歯の内田裕丈・前常務理事(64)(有罪確定)と国政協の会計責任者も「不起訴不当」とした。
 議決書によると、内田前常務理事は東京地検特捜部の調べに対し、2001年、日歯の臼田貞夫・前会長(74)の指示で、山崎前副総裁に3000万円、自見、木村両議員に各1000万円を支出したと供述。日歯の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)の現金出納簿にも同年11月30日にこうした記載があった。
 ところが、3人の資金管理団体などから領収書が送られてこなかった一方で、国政協から5000万円の領収書が送られてきたことから、内田前理事は、領収書に合わせる形で収支報告書に記載したという。日歯連と国政協の2001年の収支報告書にはともに、日歯連から国政協に対し、2001年12月25日付で、5000万円を寄付したと記載されていた。
 山崎前副総裁は特捜部に対し、「日歯側から自民党に対する献金として紙袋に入った5000万円をいただき、幹事長室のロッカーに1か月弱置いたままにしていた」と供述しているが、審査会は「大金をそのように扱うとは常識では考えにくい」と指摘。「自民党幹事長という立場で、いわゆる迂回献金の手法を用いており、政治資金規正法の趣旨を没却する重大な違法があると言わざるを得ない」と批判している。
 検察審査会は検察の事件処理が適切だったかどうか審査する機関。東京第2審査会は今年3月に大阪府の男性から申し立てを受け、検察当局から提出を受けた日歯連の現金出納簿や山崎前副総裁ら関係者の供述調書などを基に判断した。
 山崎前副総裁、木村議員はいずれも事務所を通じ、「議決内容が分からずコメントしようがない」などとし、国政協は「寄付はすべて適正に処理しており、検察審査会が指摘している事実関係は、知るところではない」としている。
 伊藤鉄男・東京地検次席検事の話「所要の捜査を遂げた上、適切に処分する」
(2005年7月27日13時57分 読売新聞)

検察審査会が「起訴相当」と議決したからといって、検察は必ず起訴しなければならないという訳ではありませんが、「不起訴不当」よりは厳しい議決なので、検察がどう対応するか注目したいと思います。

検察審査会とは?(新宿区選挙管理委員会のホームページ内)

ところで、検察審査会といえば、ミステリー作家佐野洋さんの『検察審査会の午後』(新潮社1995年、新潮文庫1996年、現在品切れ)という小説が有名です。

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