「つくる会」の奇々怪々

「新しい歴史教科書をつくる会」が、2月27日の理事会で、八木秀次会長、藤岡信勝副会長を解任。

いったいどんな内紛が起こっているのやら…。

「つくる会」の八木会長辞任=会運営混乱で引責(時事通信)

「つくる会」の八木会長辞任=会運営混乱で引責
[時事通信 2月28日19時0分更新]

 新しい歴史教科書をつくる会は28日、27日の理事会で、八木秀次会長(43)と藤岡信勝副会長(62)の辞任を決定したことを明らかにした。新会長には種子島経理事(70)が就任した。
 同会は八木会長の辞任について「事務局長の退任人事などをめぐり、運営に指導力を欠いた」と説明。藤岡副会長については「執行部の一員としての責任」としている。 

「つくる会」のホームページでは、産経新聞の報道を紹介するかたちで(これまた不思議な話…)、解任騒ぎを紹介。しかし、そこに書かれた解任理由は上の時事通信の記事とは違っており、何やら不可思議な状況。

八木会長「解任」。新会長に種子島理事を選任(つくる会Webニュース)

八木会長「解任」。新会長に種子島理事を選任
[つくる会Webニュース 2006年2月28日]

 2月27日、「新しい歴史教科書をつくる会」は理事会を開き、八木秀次会長を解任する動議が提出され、出席理事の挙手投票により賛成6、反対5の票決で、八木会長の「解任」が決定された。新しい会長には、種子島経(おさむ)理事(71)が選任された。
 種子島理事は昭和10年、福岡市生まれ、東大卒。川崎重工業を経て、BMW東京社長やBMWジャパン特別顧問を歴任。西尾幹二初代会長とは大学の同期であり、平成11年につくる会理事に就任。13年に副会長、昨年から再び理事に就任していた。

 産経新聞の報道では、理事会が八木会長らの「辞任を承認」、八木会長は「辞任を迫られた」とあるが、正しくは「解任」。解任理由は、理事会の了承を得ずに昨年12月に中国に旅行し、現地の知識人と歴史問題などについて論争したことだという。票決数は、八木会長の解任に賛成したのが6票。解任反対が5票。棄権が3票だった。
 八木会長は「つくる会幹部の外国訪問はこれまでも前例があり、私が昨年9月に韓国を訪れ、文章を今回と同じオピニオン誌に発表したが何の問題にもなっていない。もちろん韓国旅行も理事会での承認は得ておらず、前回の理事会(1月16日)でも中国訪問は何ら話題になっていない。前例に反した事柄が急に解任理由として問題化され、納得がいかない。とくに年長者とは話が合わず残念だ」などと話している。
 八木会長の解任に賛成したのは、種子島・九里幾久雄・高池勝彦・田久保忠衛・福地惇・吉永潤の6理事。解任に反対したのは、八木・内田智・勝岡寛次・新田均・松浦光修の5理事。棄権が、遠藤浩一・高森明勅・福田逸の3理事。(藤岡信勝副会長は議長のため投票せず)
 欠席理事が出した「委任状」の扱いについては、伊藤隆理事が「八木秀次氏」あて、中西輝政理事が「八木秀次会長」あて、工藤美代子理事は藤岡副会長に委任状を託した。だが、委任状は「何の効果もない」などの理由でカウントされなかった。
 理事会は、まず藤岡副会長が議長に立候補し、同じく八木会長も議長に立候補。議長を選ぶための「仮議長」に承認された田久保理事の司会のもと、8対6の票決で藤岡副会長が議長に選出された。続いて宮崎正治事務局長の「解任動議」が出され、挙手投票により賛成8、反対6で票決、続けて八木会長、藤岡副会長の「解任動議」も投票により決定された。この理事会により執行部(会長・副会長・事務局長)はすべて「解任」された形となった。
 藤岡副会長の解任賛成は7票、反対は4票、棄権が3票だった。解任理由は明確でない。種子島理事は田久保理事より会長に推挙され、賛成多数で承認された。

産経新聞の記事は28日付に掲載。産経の記事では、八木会長、藤岡副会長とも辞任となっています。また西尾幹二氏が先月、名誉会長を辞任していたとも報じています。

新しい歴史教科書をつくる会 新会長に種子島氏
[産経新聞 2006年2月28日]

 新しい歴史教科書をつくる会は27日、理事会を開き、八木秀次会長、藤岡信勝副会長、宮崎正治事務局長の辞任を了承し、新会長に種子島経理事を選任した。新しい副会長と事務局長は近く選任するとしている。
 種子島氏は昭和10年、福岡市生まれ。東大卒。川崎重工業を経て、BMW東京社長やBMWジャパン特別顧問を歴任。平成11年につくる会理事、13年に副会長、昨年から再び理事に就任していた。
 理事会では、八木会長が昨年12月に理事会の了承を得ず中国を訪問し、知識人と歴史認識について論争したことを問題視する意見が多数を占め、辞任を迫られたという。八木会長は「つくる会幹部の外国訪問はこれまでも前例があり、納得がいかない」と話している。
 つくる会のメンバーらが執筆した扶桑社の中学歴史・公民教科書は昨年2度目の検定に合格したが、採択率は歴史0.4%、公民0.2%だった。
 初代会長の西尾幹二氏も先月17日に名誉会長を辞任している。

名誉会長辞任については、西尾幹二氏がみずからのブログで、その理由を説明されています。会費を払う会員ではあるが、「つくる会」の活動からは離脱する、新しく入ってきた若い理事が増え、「私とは話が合わなくなってきた人が増えてもいる。言葉が通じなくなってきた。会議などでの論の立て方、合意の仕方が理解できない」というのが理由だそうです。

名誉会長辞任の新聞報道について:西尾幹二のインターネット日録

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

2件のコメント

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