ピノチェト元大統領が死去

アジェンデ人民政権を覆した1973年の軍事クーデターは、映画「サンチャゴに雨が降る」で有名。僕がチリ革命のことを知ったのはもっと後のことですが、アジェンデ大統領とともに、詩人のパブロ・ネルーダや歌手のビクトル・ハラなど、忘れがたい存在です。

軍事独裁政治、チリのピノチェト元大統領が死去(読売新聞)

軍事独裁政治、チリのピノチェト元大統領が死去
[2006年12月11日3時19分 読売新聞]

 【リオデジャネイロ支局】ロイター通信によると、チリのアウグスト・ピノチェト元大統領が10日、心臓病のためサンティアゴ市内の国軍病院で死去した。91歳だった。
 ピノチェト元大統領は、1973年に軍事クーデターを起こし、90年まで独裁政治を敷いた。軍政下では、反体制派を徹底的に弾圧し、3000人以上が拷問などで死亡したとされる。
 民政移管後、元大統領は殺人や誘拐などの罪で起訴され、最近では自宅軟禁を命じられていたが、今月3日、心臓発作で入院し、血管の緊急手術を受けていた。

サンチャゴに雨が降る(1975) – goo 映画

続報。
チリ政府は、通例、元大統領が死んだ場合におこなわれる国葬はおこなわない旨を決定。また、かつてピノチェトの軍事クーデターを支援したアメリカ政府は声明を発表し、ピノチェトによる弾圧の犠牲者への哀悼の意を表わした。そんななかで、サッチャー元英首相が、ピノチェトに弔意を示したそうだ。
ピノチェト元大統領死亡 チリ 独裁16年余、活動家弾圧(東京新聞)
米政府、弾圧の犠牲者に哀悼の意・ピノチェト元大統領死去(NIKKEI NET)
ピノチェト元大統領の死去、サッチャー元英首相が哀悼(読売新聞)

ピノチェト元大統領死亡 チリ 独裁16年余、活動家弾圧
[東京新聞 2006年12月11日夕刊]

 【ニューヨーク=石川保典】南米チリで16年余り軍政を率い、在任中に左派活動家を弾圧した殺人、誘拐などの罪で起訴され刑事責任を問われていたアウグスト・ピノチェト元大統領が10日、心不全のため首都サンティアゴの陸軍病院で死去した。91歳だった。3日に心臓発作を起こし手術を受けていた。
 葬儀は元大統領に通常行われる国葬ではなく、軍葬として12日に行われる。
 1973年9月、中南米では初めて選挙で誕生した社会主義政権のアジェンデ大統領から陸軍司令官に任命された直後、同大統領をクーデターで打倒。すぐに「左派狩り」を始め、過酷な拷問などで少なくとも3197人が死亡・行方不明になった。ピノチェト氏の死亡で、国家元首の犯罪は解明されないまま裁判は終結する。
 冷戦下、中南米への共産主義波及を恐れる米国はピノチェト氏の軍事独裁政権を支援。中南米の民主化が遅れる一因となった。88年に次期大統領としての信任を問う国民投票で大差で敗北し、90年に退任した。
 ロンドンの病院に入院中の98年、左翼狩りでスペイン国籍市民を殺害した罪でスペインの逮捕要請を受けた英国司法当局に拘束されたが、2000年、健康悪化を理由に釈放されチリに帰国。チリでは200件以上刑事訴追されたが、健康上の理由で裁判は中止され、一件も判決に至っていない。死亡当時は自宅軟禁中だった。
 一方、疲弊した経済を、民間主導の開放経済政策導入により「南米の優等生」と呼ばれる安定成長の軌道に乗せた。

米政府、弾圧の犠牲者に哀悼の意・ピノチェト元大統領死去
[NIKKEI NET 2006/12/11 11:55]

 【ワシントン=加藤秀央】米ホワイトハウスのフラット大統領副報道官は10日、チリのピノチェト元大統領が死去したことについて「ピノチェト政権の犠牲者やその遺族にお見舞いを申し上げる」との声明を発表、元大統領の独裁時代の弾圧の犠牲者に哀悼の意を表明した。ロイター通信が伝えた。
 声明は元大統領への追悼は示さず「ピノチェトの独裁は同国の歴史で最も困難な時代だった」と指摘するにとどめた。米国は冷戦期に社会主義政権を打倒したピノチェト氏による革命を支援したとされる。

ピノチェト元大統領の死去、サッチャー元英首相が哀悼
[2006年12月11日11時49分 読売新聞]

 【ロンドン=本間圭一】チリのアウグスト・ピノチェト元大統領が10日死去したことを受け、同氏と親交が深かったサッチャー元英首相は同日、同氏の家族に哀悼の意を表明した。
 元首相は、アルゼンチンと戦ったフォークランド紛争(1982年)で支援を受けたとされる“盟友の死”に、「大きな悲しみ」を抱いているという。
 一方、ベケット英外相は同日、「チリが今日、開かれた安定した民主国家に発展した点を歓迎する」との声明を発表した。

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

1件のコメント

  1. ベネズエラのチャベス大統領の三選 南米の変革 そしてピノチェトの死 やっぱり時代は変わるんだ。学生の頃
    よく 「祖国の大地深く 叫びがわきおこる…」と歌いながら よくデモに行ったものです。頑張らなくっちゃ。

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