今週の「九条の会」(12月31日まで)

今年も、インターネットの中から、地域の「九条の会」の活動を伝えるニュースをピックアップしてきました。全国ニュースではなかなか取り上げられませんが、地方版などでは、けっこう「九条の会」の活動が取り上げられていると実感しました。それだけ、地域に根づいた運動として「九条の会」の活動が広がっていると言うことだと思います。

来年も、引き続き、各地の「九条の会」の取り組みを紹介してゆきます。

九条の会・群馬ネットワーク:県内26団体が参加――結成/群馬
[12月25日12時2分配信 毎日新聞]

 憲法9条を守ろうと活動する県内のグループ同士が連携するため、前橋市日吉町2の市総合福祉会館で24日、「九条の会・群馬ネットワーク」が結成され、初の交流会があった=写真。
 県内の26団体、約60人が参加。交流会では、各団体がこれまでの活動や今後の方針について意見を交わした。同ネット事務局の「豊幡 九条の会」(高崎市)の冨田英子事務局長(67)は「この機会にそれぞれが他の会の様子を知り、活動全体が活発になっていってくれれば」と話していた。【杉山順平】

映画「日本の青空」を支援する福島の会発足
[KFB福島放送 2006年12月18日 10時19分]

 日本国憲法の間接的起草者といわれる南相馬市(旧小高町)出身の憲法学者、故鈴木安蔵氏を主人公にした映画「日本の青空」の製作が始まったことを受け、全県組織の「『日本の青空』を支援する福島の会」が17日発足した。
 同会の準備会が同日、福島市民会館で催したイベント「日本国憲法と鈴木安蔵氏を語るつどい」で確認した。
 発足に当たり、平和憲法を守る活動をしている県九条の会のメンバーをはじめ、大学教授、弁護士、医療関係者、宗教家ら幅広い県民が呼び掛け人となった。
 映画製作を支援するための「製作協力券」の販売促進活動を進める。
 今後は県内5方部に地域組織を立ち上げ、きめ細かい取り組みを展開する考えだ。

【伊勢・志摩】紛争地域での教育援助を訴え 伊勢で絵本編者の池田さん
[中日新聞 2006年12月18日]

 ベストセラーの絵本「世界がもし100人の村だったら」の編者で翻訳家の池田香代子さんの講演会が17日、伊勢市御薗町長屋の「ハートプラザみその」で開かれた。
 池田さんは絵本の収益で「100人基金」を設立し、アフガニスタン難民の支援を続けている。
 講演では、教育基本法の改正など日本の政治情勢に話題が集中。「99人が汗を流して働き、1人のエリートを育てる教育が果たして正しいのか、私たちがよく考えることが重要」と話した。
 また、レイプや拉致が頻繁に起きたり、少年兵が地雷原を歩かされたりと、紛争地域での人権侵害の実情などを紹介。子どもや女性への教育援助を訴えた。
 「いせ九条の会」が主催し、約200人が参加。池田さんが絵本の一節を朗読したほか、質疑応答やサイン会もあった。(久下悠一郎)

石坂啓さんが徴兵制への危険訴え 9条フェスタ
[長崎新聞 2006年12月18日]

 平和憲法の堅持を市民レベルで広く呼び掛ける「ながさき9条フェスタ」が十七日、長崎市公会堂(同市魚の町)であり、漫画家の石坂啓さんが「そんなに戦争がしたいのか」の題で講演した。
 護憲の立場から積極的に発言を続けている石坂さんは「改憲しようという人たちの狙いは九条に尽きる。正規の軍隊を持ち、いつでも戦争のできる国になれば、子どもたちは間違いなく徴兵される」と指摘。
 自衛隊のイラク派遣や教育基本法改正に言及し、「国が守るのは国民でなく国体。権力に逆らえない空気をつくり、徴兵制への地慣らしを進めている。為政者の言うことをうのみにせず、私たちの想像力が試されている」と訴えた。
 会場には市民ら約七百人が集まり、漫画家ならではの発想と風刺の効いた語り口に耳を傾けた。
 「フェスタ」は長崎の労働団体、平和団体などでつくる実行委が主催し、今回で四回目。県内各地の「9条の会」の活動報告、「戦争ほうき」作りのコーナーもあった。

 

「次は改憲狙われる」浦和駅までリレートーク 九条の会さいたま
[埼玉新聞 2006年12月17日]

 憲法九条を守るために活動している市民団体「九条の会さいたま」は16日午後、浦和駅西口で6時間にわたるリレートークを行った。「愛国心を養う」などの目標を盛り込んだ改正教育基本法が15日、国会で成立。「次には憲法が改悪されようとしている」と、支援を呼び掛けた。
 同会は国会開会の9月26日から毎日、さいたま市内で街頭活動を続けてきた。16日は「安倍首相は国民の信任を得ないまま、憲法を変えようとしている」「時間と知恵を出し合い、憲法を守るために手を取り合いましょう」と訴えた。親子連れや会社員らが支援の署名に応じていた。
 同会事務局長で埼玉大学教育学部の三輪隆教授(59)は「教育基本法は憲法とリンクして平和を支えてきた」と、教育の危機に警鐘を鳴らした。

ことばの力 平和の力―近代日本文学と日本国憲法 [著]小森陽一
[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[朝日新聞 2006年12月17日]

■作家の言葉で戦争を問い直す

 著者は2004年にできた「九条の会」の事務局長だ。もちろん漱石や賢治の研究で知られる日本近代文学研究者でもある。副題が「近代日本文学と日本国憲法」かぁ。小森陽一らしい荒技だなあと、そんな冷やかし半分の気持ちで読みはじめ、しかし読みはじめてすぐ反省した。
 日本国憲法をめぐる問題は、突き詰めれば言葉の解釈に行き着く。だが、それだけではない。近代日本が戦争とともにあった以上、文学作品も戦争と無関係ではいられない。
 「国権の発動たる戦争」としての日清戦争を背景に社会の変容と性暴力の構造を浮かび上がらせた樋口一葉『たけくらべ』。日露戦争終結の翌年に書かれ、個人と国家の矛盾した関係を考えさせる夏目漱石『草枕』。第1次大戦のパロディーとしての宮澤賢治『烏の北斗七星』。そして大江健三郎『奇妙な仕事』ほかの初期作品が含意する「誰も責任を取らない国」とその背後にある戦争責任の問題。
 近代日本が経験した四つの大きな戦争を4人の作家の言葉を通して問い直す。おのずとそれは日本国憲法の思想につながるのだ。牽強付会(けんきょうふかい)な点もなくはないけど刺激的。小森先生、熱っぽく飛ばしてます。

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください