小和田哲男『戦国の城』

小和田哲男『戦国の城』(学研新書)

お城といっても、江戸時代のお城ではなく、中世、戦国時代のお城の話です。

戦国時代のお城は僕も大好きで、たとえば東京周辺には、八王子城武蔵滝山城(ともに八王子市)とか鉢形城(埼玉県寄居町)など、後北条氏のお城があちこちにあります。

江戸時代のお城と違って、立派な石垣とか豪勢な天守閣などもないし、大きな城下町もなくて、いまは山の中だったり、田んぼの中に、土塁や空堀の遺構がひっそり残っていたりします。そういうところを、歩いてみると、ちょっと想像力が刺戟されて、楽しくなります。

ところで、新書“戦国”市場に新しく攻め込んだ学研新書の1冊、小和田哲男『戦国の城』。小和田哲男氏は、『戦国武将「凄い生き方」』(三笠知的生き方文庫)とか『参謀・補佐役・秘書役 強い組織を支える人間集団の研究』(PHP研究所)とか、怪しい本もたくさん書かれていますが、静岡大学のちゃんとした日本中世史の先生。この本も、タイトルだけだと、いわゆる豆知識、トリビアもののように見えますが、中味は、中世から戦国時代、信長、秀吉へと、社会経済史的な変化をきちんとふまえた「お城」変化史で、時代の変化とともに、曲輪の作り方などが変わってきた様子が紹介されています。

ちょっと歴史の見方が豊かになる1冊です。

中世の城趾については、↓こちらのサイトをどうぞ。
埋もれた古城

【書誌情報】
著者:小和田哲男/書名:戦国の城/出版社:学習研究社(学研新書003)/発行:2007年6月/定価:780円+税/ISBN978-4-05-403462-4

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

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