大学に入学して半数がギャップ感じる

「毎日新聞」の「キャンパる」は、大学生たちが紙面づくりをしているので、いろいろおもしろい。今日の「キャンパる」では、新入生のアンケートが紹介されていた。

なるほどと思ったのは、新入生の約半数が、大学に実際に入ってみて「ギャップを感じた」というもの。肯定的な項目として、「授業がおもしろい」「自由」が上がっているのに注目したい。高校までの「教科書」で教えられる勉強とちがって、大学でやる勉強には「答え」がない。というより、「分からないもの、分からないこと、答のないもの」を探して考えるのが、大学での学問だと思う。大学生に認められた「自由」というのも、つまるところ、そうした本物の学問をやるための自由だ。

海外旅行するもよし。サークル活動に打ち込むもよし。しかし、大学生活の4年間で、ぜひとも一生かかって考えるに値する「問題」を見つけ出してほしい。

キャンパる:新入生は勉学第一 首都圏20校152人アンケートから(毎日新聞)

キャンパる:新入生は勉学第一 首都圏20校152人アンケートから
[毎日新聞 2008年5月30日 東京夕刊]

◇半数「ギャップ」感じる??洋服・娯楽に月1万5千円

 新生活が始まって、はや2カ月。ようやく環境に慣れてきた新入生に大学生活を聞いた。首都圏20校152人の答えから見る。【成城大・政井萌】

▼大学に何を求めていますか

 「勉強」という答えが一番多かった。続いて「楽しさ」「友人関係」が並んだ。「国家試験で資格を取るため」との答えも医療、薬学系などに見られた。
 4月に実施した2年生以上(在学生)対象のアンケートでは、「生き方探し」や「青春満喫」をあげた人が多かったことを踏まえると、今の新入生は勉学志向が強いようだ。同時に、大学生活を実際に体験するうちに求めるものが大きく変わるという面もあるのでは。

▼大学で何をやりたいですか

 こちらも「勉強」が6割弱でダントツに多かった。専門的な学びを求めている人も多い。次に「サークル」と「遊び」がほぼ同数で合わせて3割。勉強のために大学にくる人と、遊ぶためにくる人がいるのである。

▼大学に入ってギャップはありましたか

 4割5分が「ある」と回答。理系大学に通う女子は「男しかいない」と答えた。中には、女子大に通う学生で「女しかいないと分かって入ったが、共学にすればよかった」との回答もあった。プラス面の回答では、「授業が面白い」や「自由」などがあった。

▼生活の中心は何ですか

 大学の授業やリポートなど、大学関連が7割を超えた。中には、恋愛やゲームセンターが中心との答えもあった。
 大学に入ったばかりで、アルバイトをやっている学生は少なかった。ようやく生活に慣れ、バイト探しを始めた学生が多い。収入が少ないため、洋服・交際・娯楽に使う金額も、多くて月5万円、少なくて3000円で、平均して1万5000円だった。在学生の平均が約4万円だったので、金銭感覚は高校生に近い。手にする金額が増えると必然的に使う額も増えるようだ。
 回答全体からは、まず「勉強」で入学して、サークルやバイトも含めた生活の幅を一歩一歩広げつつある新入生像が浮かび上がってくる。<イラスト 早稲田大・保谷穂>

◆私はこう過ごした

 ◇暇だ…世界五大陸の旅を決意
 「ヒマだ……」。大学に入学して1カ月。高校時代は野球部に所属していて授業が終わったらすぐに練習という毎日だった。大学に入ってそれが一転、特に実感もなく淡々と過ぎていく毎日。一応サークルに入ってみた。みんな暇な時にそのサークルに行き、適当に話して帰りたくなったら帰る。そんな感じだった。
 楽しくないわけでもなく、大学生活はこういうものとも思った。けれど自分の中には「これでいいのか」という疑問があった。そして、最近そのサークルをやめた。「どうせ暇なら大学生のうちにしかできないことをしたい」と思い、僕はある目標を友人に告げた。それは「世界一周」。あまりに現実味がないと言われ却下。「世界五大陸を旅すること」にした。
 これでも現実味がないかもしれないけど、僕の持論は「女の子の性格は悪いくらいが可愛い」と「目標は大きいほうがいい」。今、週5回バイトに入っている。とりあえず9月にイギリスへ行ってきます。【立教大1年・太田和秀】

 ◇父からメール「読書を」に感銘
 私と父は昔からよくケンカをした。私にとって父は口うるさく、時にはやっかいな存在であった。やんちゃだった私はたくさん「勉強しろ」と言われてきたし、3人兄弟の中で一番お説教も多かった。
 4月から私は親元を離れ1人暮らしを始めた。実家にいたころから素直じゃない私は「ありがとう」も「ごめんなさい」も父に対してうまく言えなかった。素直じゃないのは父も同じだったろう。
 先日、珍しく父から一通のメールが届いた。「本をたくさん読みなさい」。たった一言だった。1人暮らしで慣れないことが多い私の負担になると思ったのだろうか。いつもの「勉強しろ」ではなかった。でも、私の返信は一言。「は?い」
 友達やサークル、高校とは違う大学の授業など新鮮な毎日だが、正直寂しいと思うこともある。携帯画面の文字から父の優しさが伝わった。
 いつになったら素直になれるのか。言えなかった「ありがとう」が私の胸をチクチクさせた。【立教大1年・林智子】

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

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