ホルンの超絶技巧 ヴラトコヴィチ&都響

東京都交響楽団第665回定期演奏会

すっかりブログに書き込むのを忘れておりましたが、6月25日、都響第665回定期演奏会(Aシリーズ)を上野・東京文化会館へ。いつもの定期はBシリーズ(サントリー)なのですが、今月は、前の週のB定期があれだったもんで、現役の作曲家でもあるペンデレツキさんのお顔も拝したく、1回券を買って聴いて参りました。(今年24回目のコンサート)

  • ペンデレツキ:弦楽のための小交響曲
  • ペンデレツキ:ホルンと管弦楽のための協奏曲 「ヴィンターライゼ」(日本初演)
  •   休憩
  • メンデルスゾーン:交響曲第3番 イ短調 「スコットランド」

ホルン・ソロはクロアチア出身のラドヴァン・ヴラトコヴィチ。

この日の圧巻は、そのブラトコヴィチが、アンコールで演奏したメシアンのホルン・ソロのための「恒星の呼び声」(「峡谷から星たちへ…」から)。演奏は、先日亡くなった元N響ホルン奏者・千葉馨氏に捧げられましたが、ホルンという楽器に、あんなに多彩な音があるとは知りませんでした。

弱音部分の巧さは、ただただため息もの。日本の奏者の場合、弱音部では音程が不安定になったり、吹き始めの部分では確かな音程が出るかどうか、ためらうようなところが見られるのですが、そうした不確かさは微塵もありません。お見事の一語に尽きます。

当日の会場には、音大生と思しき若者がたくさん来ていましたが、みんな口々に「すげー」を連発しておりました。(^_^;)

1曲目は、ペンデレツキが1990/91年に作曲した作品。第1楽章は、激しい和音の11連発で始まる「ラプソディック」な楽章。第2楽章は対照的にフーガで始まる対位法スタイル。弦楽だけですが、全体でたたきつけるように演奏する和音の連発あり、ヴィオラやチェロの独奏あり、変化に富んだ作品です。

後半のメンデルスゾーンについては、僕は、コンサートで聴くのは初めてでしたので、なかなか印象深く聴きましたが、ある人に言わせると、「せかせかした演奏でいまいちだった」とのこと。

【演奏会情報】 東京都交響楽団第665回定期演奏会
指揮:クシシトフ・ペンデレツキ/ホルン:ラドヴァン・ヴラトコヴィチ/コンサートマスター:山本友重/会場:東京文化会館大ホール/開演:2008年6月25日 午後7時

【関連ブログ】
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風ぐるま 風が吹くまで 昼寝かな: ヴラトコヴィチ、ペンデレツキのホルン協奏曲を日本初演
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作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

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