激動の時代だったのだが…映画「ブーリン家の姉妹」

ブーリン家の姉妹

今日は代休をもらったので、渋谷で最近公開された映画「ブーリン家の姉妹」を見てきました。

舞台は16世紀のイングランド、チューダー朝の2代目、ヘンリー8世の治世(在位1509?47)。お世継ぎがほしかったヘンリ8世は、妃キャサリンと離婚をして、アン・ブーリンと再婚する(1533年)。しかし、当時の教会は離婚を認めなかったので、ヘンリは、ローマ教会から分離を決意する(いまにいたるイングランド国教会の成立)。しかし、アンに男子は産まれず、彼女は姦通罪で1536年に処刑される。

映画はアン・ブーリンの処刑で終わっていますが、このあと、イギリスの政治史は、プロテスタントとカトリックの対立、王権と議会との対立、そしてスコットランドとの対立を軸に激動してゆきます。そして、1558年に、もっとも王位から遠いと思われていた ((ヘンリー8世は、皇位継承者の順位を<1>エドワード、<2>メアリ、<3>エリザベスと定めていた。))アンの娘エリザベスが即位します ((そこらあたりは映画「エリザベス」が詳しい。))。

と、まあ、百年戦争とバラ戦争をへて、イングランドが中世国家から近世国家に移ってゆく、歴史的に見てもなかなか面白い時期なのですが、映画は、アンとメアリーの姉妹の関係、それに父親および叔父ノーフォーク公の権力欲に焦点を絞っているので、その歴史的な大激動の時代だったことが伝わってこず、ちょっと残念…。

関連年表
1455 バラ戦争
1485 ヘンリー7世即位(チューダー朝の成立)
1509 ヘンリー7世没。ヘンリー8世即位、キャサリンと結婚
1516 メアリ(ヘンリー8世とキャサリンの娘)誕生
1527 ヘンリー8世の離婚問題が起こる
1529 宗教改革議会開かれる
1533 ヘンリー8世、アン・ブーリンと結婚。エリザベス誕生
1534 国王至上法(イングランド国教会が独立)
1536 アン・ブーリンの処刑。ヘンリー8世、ジェイン・シーモアが結婚
1537 皇太子エドワード誕生(ヘンリー8世とジェイン・シーモアとの息子)
1547 ヘンリー8世没、エドワード6世即位
1553 エドワード6世没、メアリ1世即位
1554 メアリ1世、カトリック教徒のスペイン王フェリペ2世と結婚
1555 メアリ1世のプロテスタント迫害始まる
1558 メアリ1世没、エリザベス1世即位

今年8本目の映画。

映画『ブーリン家の姉妹』公式サイト

【映画情報】
監督:ジャスティン・チャドウィック/原作:フィリッパ・グレゴリー/脚本:ピーター・モーガン/出演:ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、エリック・バナ、ジム・スタージェス/米・英 2008年

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

1件のコメント

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