ということで買ってみました

タルト・リース『フルトヴェングラー 音楽と政治』(みすず書房)ダニエル・バレンボイム指揮/フルトヴェングラー:交響曲第2番

数日前、たまたま書店に立ち寄ったら、タルト・リース『フルトヴェングラー 音楽と政治』(みすず書房)が復刊されていました。その場で買い求め、横浜方面からの帰り道(行きは新聞3〜4紙に目を通すので、本を読む暇なし)で読み終えました。

そして、この本を読んで初めて知ったフルトヴェングラーの交響曲。さっそく今日、そのCDを買ってきました。ダニエル・バレンボイムがシカゴ響を振ったフルトヴェングラー交響曲第2番です。全体で80分を超える大曲で、ブルックナーを思わせる響きがあちこちに登場しますが、全体としてはもっとロマン派的というか、ブラームスから柔和さをとりさって、とことんまで突き詰めたような印象をもちました。

今日は、横浜方面で昨日の積み残し仕事を片付けたあと、午後から、10月に亡くなられた上田耕一郎・元日本共産党副委員長・参議院議員の「お別れの会」に参列してきました。

上田さんは覚えておられなかったでしょうが、市議選の応援にこられたときに、宣伝カーの車長として、1日ご案内したことがあります。宣伝カーの上からは、それこそ歴代自民党内閣の首相、名だたる閣僚を恐れさせた、火のような演説をやりながら、ひとたび車を降りて、党員、支持者のみなさんに囲まれると、柔和な笑顔で誰彼と気さくに話しかけておられた様子が懐かしく思い起こされます。夏休みには、駅前の通りの書店で、書店のオヤジさんと店中に響く大きな声で楽しそうに語らっておられたお姿をお見かけしたこともあります。「お別れの会」で多くの人が共通して指摘されていたのが、この天衣無縫、豪放磊落な上田さんの人となり、そして、無類のお酒好きだったこと。市議選の投開票日には、あちこちの選挙事務所をまわってすっかりでき上がった上田さんが、最後に、地元の事務所にやってきて、さらに腰を落ち着けて、酒を酌み交わしながら、支部の人たちとわいわい楽しげに語らっておられた様子も忘れられません。

心からご冥福をお祈りします。

【書誌情報】
著者:タルト・リース/訳者:八木浩、芦津丈夫/書名:フルトヴェングラー 音楽と政治/出版社:みすず書房/刊行年:初版1966年、新装版第1刷2008年9月/定価:本体3200円+税/ISBN978-4-622-07427-4

【CD情報】
作曲:フルトヴェングラー/作品:交響曲第2番 ホ短調/指揮:ダニエル・バレンボイム/演奏:シカゴ交響楽団/録音:2001年12月12-15日、シカゴ・オーケストラホール/発売:Teldec/WPCS-11324/5

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