ケルンの古文書館が突然倒壊

独ケルン市史料館が崩壊(AFPBB News)

ドイツ・ケルン市の古文書館が突然倒壊したそうです。直前に、ミシミシと音がしたので、館内の職員や利用者は避難して無事だったそうですが、隣の建物が倒壊に巻き込まれ、行方不明者がいるそうです。

ところで、中日新聞によれば、この古文書館には、マルクス、エンゲルスの遺稿も保管されていたとか。ケルンと言えば、青年マルクスが『ライン新聞』の主筆として活動をスタートし、1848年革命では、『新ライン新聞』を発行したところ。

はたしてどんな資料が残っていたのでしょうか? その他の資料も含めて、無事ならいいのですが。

古文書館が突然倒壊 ドイツ、3人が生き埋めの恐れ(中日新聞)
独ケルン市史料館が崩壊、行方不明9人 古文書などに被害か : AFPBB News

ちなみに、上の写真は、巻き込まれた隣のアパート。よくみると、ベッドや洗面台が写ってます。

で、倒壊した古文書館というのは、↓こちら。ほとんど入り口だけしか残ってません。手前のゲートはギムナジウムの入り口と思われます。

独ケルン市史料館が崩壊(AFPBB News)

古文書館が突然倒壊 ドイツ、3人が生き埋めの恐れ

[中日新聞 2009年3月4日 夕刊]

 【パリ=清水俊郎】ドイツ西部ケルンの古文書館が3日、突然倒壊した。隣接のアパートとゲームセンター計2棟も崩れ、AP通信によると、3人が生き埋めになった恐れがあり、救助隊が捜索を進めている。
 倒壊前に壁がきしむ音が聞こえたため、通報で駆けつけた消防士が入場客らに避難を指示した。近くで地下鉄の延伸工事が進められ、数週間前から古文書館の壁にひびが入っていたとの情報もある。
 1971年に建てられた5階建ての古文書館には、「資本論」で知られるマルクスとエンゲルスの遺稿など6万5000点が保管されていた。

独ケルン市史料館が崩壊、行方不明9人 古文書などに被害か

[AFPBB News 2009年03月04日 17:09 発信地:ケルン/ドイツ]

【3月4日 AFP】3日、ドイツ西部ケルン(Cologne)で3日午後2時(日本時間同午後10時)ごろ、同市の史料館が入った4階建ての建物と隣接する集合住宅などが崩壊し、最大で9人が行方不明となっている。
 史料館付近から不信な音がし始めたため崩壊直前に警告が出され、近隣住民らは避難していた。また近くの小学校は、崩壊が起きた時間までに終わっていたと、現場でAFPに応えた同市広報担当者は語った。負傷者は出ていないという。
 同史料館には最古のもので922年の古文書など、ケルン市に遺された約6万5000点の文書や地図、映像、写真などが収蔵されていた。中には作曲家ジャック・オッフェンバック(Jacques Offenbach)や1972年にノーベル文学賞を受賞したハインリヒ・ベル(Heinrich Boell)の遺稿なども含まれていた。崩壊した建物は71年から史料館として使用されてきた。

【追記】

Times Onlineの記事によると、同館の収蔵資料には、マルクスが「ライン新聞」時代に書いたエッセーの下書きや論文も含まれていたそうです。

Lost, too, were manuscripts of essays and articles written by Karl Marx when he was editor of the Rheinische Zeitung in Cologne in the 19th century. (from The city without a memory: treasures lost under collapsed Cologne archives – Times Online)

The construction of a new underground railway station is being blamed by some for the disaster(Times Online)

倒壊現場の様子は、Times Onlineのこの写真↑の方がよくわかります。

【さらに追記】

ケルン市のサイトにあるこの文書館のページを教えてもらいました。そこに、「北から見た断面図」として、解説図が載っています。

北側から見た事故現場の断面図(ケルン市のサイトから)
北側から見た事故現場の断面図(ケルン市のサイトから)

そこに、次のような説明がついています。いまいちオイラの語学力ではよく分かりませんが、本来、地下水はもっと浅いところを通っていたのに、地下鉄工事のための構造物によってそれを遮断したために、土壌流出が起こった、ということなんでしょうか。

この図を使って、ケルン市消防本部のステファン・ノイホーフは、今回の事故の経過を説明した。市古文書館の建物の下の土壌が、ゼヴェリン通りの下の地下鉄工事現場のところで地すべりを起こした。それで生じたクレーターの中に、古文書館が滑り落ちた。下から圧迫している地下水が、1000トンのコンクリートによって妨げられた。

なお、この解説図によれば、上の写真に写っている手前の建物は、Gymunasium(9年制中等学校)だそうです。授業中のギムナジウムが倒壊しなくて、よかったです。

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

1件のコメント

  1. フライブルクのマイクロフィルム公文書館に興味を持ちこちらにたどり着きました。
    不思議な現象と思いましたが地下水が原因とまとめてあり納得できました。
    ありがとうございます

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