すでにワルモノ先生も紹介されているが、総選挙結果についての財界のコメント。
衆議院総選挙の結果を受けて：経済同友会
日本経団連会長コメント (2009-08-30)
経済同友会は、桜井代表幹事のコメントだけでなく、「新政権に望む」という見解を発表している。8月31日に発表して、「明日には民主党に手渡す」といっているから、今日には民主党に届けられているのだろう。
それにくらべると、日本経団連は、とりあえず会長コメントが出ているだけ。すでに民主党とは協議済みだから、ということだろうか。
衆議院総選挙の結果を受けて
2009年08月30日
社団法人 経済同友会
代表幹事 桜井 正光
- 有権者は歴史的変革を求めた。民主党が自由民主党以外の政党として、戦後初めて単独過半数の議席を獲得し、政権交代を実現した。わが国の議会制民主主義にとって、まさに歴史的な政権選択選挙となった。
- 民主党は、マニフェストでは「国民の生活が第一」と掲げ、国民にとって受け入れられ易い政策を羅列しているが、新政権を担うこととなった今、中長期的に見たわが国の重要課題について具体的な方向を示し、責任をもった取り組みが求められる。特に、わが国の財政は、国・地方の長期債務残高で対GDP比154.8%（2008年度末）、国の債務残高の対税収比で1800%を超え、第2次世界大戦末期のレベルに匹敵するほど、極めて危機的な状況であり、財政健全化の道筋を示すことなく、子育て・教育、年金・医療などの歳出拡大を図ることには、大きな不安を抱かざるを得ない。
- 責任ある政権政党として、民主党は速やかに中長期的な財政再建の道筋を示し、<1>財政再建に向けた歳出・歳入一体改革、<2>税収拡大を目指すための経済成長戦略、<3>歳出削減を目指すための規制改革や行政改革、<4>国民負担の規模を推量るための社会保障制度と税制の一体改革、などマクロ経済政策運営に取り組まれることを期待する。また、その実行にはなによりも政治的リーダーシップの発揮が不可欠である。早急に「5原則・5策」を具体化した「政権移行プラン」を策定し、政権基盤を確立するとともに、先ずは2010年度予算編成作業に遅滞なく着手していただきたい。
- なお、今回の自由民主党の歴史的大敗の要因は、2005年衆議院総選挙で約300議席を獲得したにもかかわらず、相次いで総理大臣が短期間で交代した政権運営や、説明不足のまま構造改革路線の変更を重ねたことなどに対する国民からの厳しい批判であったと思う。しかし、今後も政権交代可能な二大政党による、緊張感のある健全な議会制民主主義を根付かせていくためには、選挙結果の自己総括を出発点とする、自民党の再生が不可欠である。新しい時代をリードする政党として、再出発していただきたい。
以上
経済同友会が昨日（8月31日）発表した「新政権に望む」という要望書。
新政権に望む ?新しい国づくりに向けた責任ある政権運営を求める? : 経済同友会
そしてこれが桜井正光代表幹事の記者会見のコメント。
経団連会長「民主と政策対話増やす」 : NIKKEI NET
経団連会長「民主と政策対話増やす」
[NIKKEI NET 2009/08/31 16:00]
日本経団連の御手洗冨士夫会長は31日、衆院選での民主党圧勝について「政権交代が可能な時代に入り、歴史的な結果になった。民主党は国民本位の柔軟な政権運営をしてほしい」と都内で記者団に語った。これまで長く自民党を支えてきた経団連も変化を迫られており、民主党政権と「今まで以上に政策対話を増やし穴を埋めていく」との考えを示した。
日本商工会議所の岡村正会頭も同日の記者会見で、民主党政権について「国民の歴史的決断を受け止め、国の将来ビジョンをまとめて期待にこたえてほしい」と述べた。焦点になる民主党の中小企業政策は「マニフェストで（方向性が）百パーセント一致していないので、耳を傾けてもらうように要望する」と語った。 (16:00)
企業献金：経団連会長が継続の意向
[毎日新聞 2009年9月1日 東京朝刊
財界団体トップが31日、会見し、民主党政権への要望を語った。日本経団連の御手洗冨士夫会長は企業献金について「会員企業が政策評価に基づき自主的に決めており透明性は高い」と継続の意向を表明。経済同友会の桜井正光代表幹事は「政策改革へ強い意志と政権運営体制を」と注文した。日本商工会議所の岡村正会頭は製造業派遣の原則禁止に絡んで「100%（政策が）一致しているわけではない」と慎重な対応を要望。温室効果ガスの90年比25%削減案には「経済活動や雇用への影響が大きい」（青木哲・日本自動車工業会長）と懸念する声も出た。【三沢耕平】
1件のコメント