もはや「県内移設」はあり得ない

普天間飛行場の県内移設に反対する沖縄県民らで埋まった会場(読売新聞)
普天間飛行場の県内移設に反対する沖縄県民らで埋まった会場(読売新聞)

沖縄の県民大会が9万人の参加で始まりました。

今日の集会は、普天間基地の県内移設反対をかかげ超党派で開催。自民党県連や公明党県本部も参加。さらに、仲井真弘多・県知事をはじめ、沖縄の41市町村の全首長も出席し、文字通りの県民大会となっています。

これまで辺野古沖移設案を受け入れていた仲井真知事も参加しているということは、もはや県も県内移設は認めない、ということ。先日、共産党の志位和夫委員長が、ルース米大使と会見したさいに、「沖縄の情勢は決して後戻りすることはない限界点をこえた」と指摘しましたが、まったくその通りで、もはや辺野古案などへの後戻りはあり得ない、ということです。

鳩山政権はもちろん、アメリカもこの沖縄の声を受け入れ、沖縄の米海兵隊基地は無条件撤去するところから、あらためて交渉を出発させるべきです。

「普天間」最低でも県外に…沖縄県民大会:読売新聞
県内移設反対、大会に9万人=「必ず日米を動かす」と仲井真知事?普天間問題・沖縄:時事通信
志位委員長、ルース米大使と会談:しんぶん赤旗

首相、外相、防衛相、沖縄担当相、官房長官、駐日米国大使に送付される大会決議は、以下のとおりです。

米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と、県内移設に反対し、国外・県外移設を求める決議

 普天間飛行場の返還は平成8年日米特別行動委員会(SACO)合意から13年経過した今なお実現を見ることはなく、その危険性は放置されたままです。
 しかも、平成16年(2004年)8月13日に発生した沖縄国際大学構内への米軍海兵隊所属CH53D大型輸送機ヘリコプターの墜落事故は、市街地に位置し、住宅や学校等が密集する普天間飛行場の危険極まりない現実を明らかにしました。一歩間違えば大惨事を引き起こしかねず「世界一危険な飛行場」の存在を改めて内外に明らかにしています。しかも、平成18年(06年)の在日米軍再編協議では同飛行場の全面返還を合意しており、県民や宜野湾市民は、最も危険な普天間飛行場を早期に全面返還し、政府の責任において跡地利用等課題解決を求めているのです。
 私たち沖縄県民は、去る大戦の悲惨な教訓から戦後一貫して「命どぅ宝」、基地のない平和で安全な沖縄を希求してきました。にも関わらずSACO合意の「普天間飛行場条件つき返還」は新たな基地の県内移設に他なりません。
 県民の意思はこれまで行われた住民投票や県民大会、各種世論調査などで明確に示され、移設先とされた名護市辺野古沿岸域は国の天然記念物で、国際保護獣のジュゴンをはじめとする希少生物をはぐくむ貴重な海域であり、また新たなサンゴ群落が見つかるなど世界にも類をみない美しい海域であることが確認されています。
 名護市長は、辺野古の海上及び陸上への基地建設に反対しています。また、勝連半島沖埋め立て案についてはうるま市長・市議会ともに反対を表明しています。
 よって、私たち沖縄県民は、県民の生命・財産・生活環境を守る立場から、日米両政府が普天間飛行場を早期に閉鎖・返還するとともに、県内移設を断念し、国外・県外に移設されるよう強く求めるものです。

以上決議します。

2010年4月25日
4・25県民大会

「普天間」最低でも県外に…沖縄県民大会

[2010年4月25日15時50分 読売新聞]

 沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の県内移設に反対し、国外・県外への移設を求める県民大会が25日午後3時、同県読谷(よみたん)村運動広場で始まった。
 県政の与野党が超党派で県内移設反対を訴える県民大会を開くのは初めて。仲井真弘多(ひろかず)知事をはじめ、県内の全41市町村の首長、首長代理が顔をそろえ、島ぐるみで鳩山政権に「最低でも県外」の公約実現を迫った。
 実行委は約10万人規模を目指しており、会場には各種団体のメンバーや家族連れがプラカードなどを手に続々と集まった。
 主催者あいさつで、高嶺善伸・県議会議長が「鳩山総理の『最低でも県外』という約束に、県民は大きな期待を寄せている」と力を込めると、会場から大きな拍手が起きた。
 仲井真知事も「沖縄の過剰な基地負担を大幅に軽減すべきだ。普天間の固定化は絶対に許してはならない。県民に対し、(鳩山政権は)公約通りの解決、責任ある解決を示さなければならない」と訴えた。
 さらに、仲井真知事は、「私は、日米安保条約、日米同盟を支持する立場にあるが、(沖縄の現状は)応分の基地負担をはるかに超えた負担だ」と述べたが、県外・国外への移設については明確に触れなかった。
 大会では県民の総意として、「県民の生命、財産、生活環境を守る立場から、日米両政府が普天間飛行場を早期に閉鎖・返還するとともに、国外・県外へ移設するよう強く求める」との決議を採択する予定。

県内移設反対、大会に9万人=「必ず日米を動かす」と仲井真知事?普天間問題・沖縄

[時事通信 2010/04/25-16:52]

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設に反対し、県外・国外移設を求める大規模な県民大会が25日午後、同県読谷村の運動広場で開かれた。移設問題をめぐる大会では初の超党派による開催で、主催者発表によると、約9万人が参加。現行移設案を条件付きで容認していた仲井真弘多知事のほか、代理を含め県内全41市町村長が出席した。
 政府はキャンプ・シュワブ(同県名護市)と鹿児島・徳之島への分散移転を検討しているが、地元が一丸となって反対を表明したことで、鳩山由紀夫首相が目指す5月末までの問題決着は、絶望的な状況がさらに強まった。
 登壇した仲井真知事は「みなさんの迫力、熱気が必ず日米両政府を動かし、県民が納得する解決策が用意されると確信する」と述べ、「最低でも県外」と表明していた鳩山政権に対して、公約をあきらめないよう求めた。これに続き、宜野湾市の伊波洋一市長や、現行案の移設先とされる名護市の稲嶺進市長も県内移設反対を訴えた。
 同飛行場から約500メートルの距離にある県立普天間高校の高校生2人も、メッセージを読み上げ、最後に「日米両政府が県内移設を断念し、県外・国外に移設するよう強く求める」との決議を採択した。

志位委員長、ルース米大使と会談/核兵器問題・日米関係で

[2010年4月22日 しんぶん赤旗]

 日本共産党の志位和夫委員長は21日、ジョン・V・ルース駐日米国大使と在日米国大使館で会談し、核兵器問題と日米関係についての日本共産党の立場を伝え、意見を交換しました。

NPT再検討会議の成功を

 志位委員長は、核兵器問題では、昨年4月にオバマ大統領にあてた書簡にもふれながら、来月3日からニューヨークで行われる核不拡散条約(NPT)再検討会議に出席し、この会議が「核兵器のない世界」にむけて新たな一歩を踏み出す会議として成功するために、唯一の被爆国の政党として最大限の努力をはかりたいと表明。日本共産党と米国政府との間で、核兵器問題での見解の相違はあるが、「核兵器のない世界」を目標にするという点で、大局的には協力が可能だと考えているとのべました。
 ルース大使は、「オバマ大統領への手紙を読みました。良い手紙でした」とのべるとともに、米国政府と日本共産党との間では、核兵器問題で見解やアプローチの違いがあるが、オバマ大統領が目標にしている核兵器廃絶では意見が一致している、とのべました。

普天間基地 「移設条件なしの撤去しかない」(志位氏)

 つづいて志位氏は、日米関係について、「私たちの立場を率直に伝えたい」として、普天間基地問題についての日本共産党の立場をのべました。
 志位氏は、沖縄の情勢について、県議会は全会一致での決議で、さらに県内41市町村長すべてが「県内移設反対」を表明していること、名護市新市長は「海でも陸でも新基地建設に反対」と明言していること、4月25日には大規模な県民大会が予定されていることをのべながら、「沖縄の情勢は決して後戻りすることはない限界点をこえている」と指摘。鹿児島県徳之島での反対集会にも言及しながら、「もはや沖縄県内はもとより、日本国内のどこにも、『地元合意』が得られる場所はないと、私たちは考えています。普天間基地問題の解決の唯一の道は、移設条件なしの撤去しかありません。これが私たちの主張だということをお伝えしたい」とのべました。
 ルース大使は、米軍基地問題では意見が異なっているとのべ、日米安保条約と在日米軍再編合意の重要性を強調しました。同時に、「在日米軍基地のインパクト(影響)を軽減しなければならないと認識しています」とのべました。普天間基地に関しては、現行のキャンプ・シュワブ案が最善で実現可能なものと考えていると表明しました。
 志位委員長は、「日米安保条約にたいする見解は異にしますが、かつて1969年、日米両国政府は沖縄の施政権返還で合意したことがあります。これは沖縄と日本の運動をふまえての、サンフランシスコ条約(第3条)の壁を超えた決断でした」とのべ、「いままさに同じような決断が求められる歴史的岐路に日米関係が立ち至っていると考えます」とのべました。そして、日本共産党の主張が、日米両国間の本当の友好を願ってのものだということを強調しました。
 ルース大使は、「立場の違いはあっても、敬意をもってオープンなコミュニケーションを持つことが重要と考えています」とのべました。
 会談には日本共産党から緒方靖夫副委員長・国際委員会責任者、笠井亮国際委員会副責任者・衆議院議員、森原公敏国際委員会事務局長が、米国大使館からロバート・ルーク政務担当公使、ジェローム・ライアン政治部2等書記官が同席しました。

沖縄タイムスの速報版が見れます。
http://www.okinawatimes.co.jp/pdf/20100425S001-1.pdf

こちらは琉球新報の速報版。20Mを超える巨大PDFですが、問題の詳しい経過やこの間の鳩山首相、閣僚の発言、うるま市沖案なるものが浜比嘉島や平安座島などより大きい巨大な埋め立て新造基地であることなどを紹介しています。一読の価値ありです。(ただしアクセスが多いのか、なかなかダウンロードできません)
http://ryukyushimpo.jp/uploads/img4bd3dd1aa788a.pdf

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

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