分かりやすくて面白い 大門実紀史『ルールある経済って、なに?』

大門実紀史『ルールある経済って、なに?』(新日本出版社)
大門実紀史『ルールある経済って、なに?』(新日本出版社)

日本共産党の参議院議員・大門実紀史(だいもん・みきし)さんの新著『ルールある経済って、なに?』(新日本出版社)を読みました。

日本共産党は、「日本の資本主義は労働者の権利や国民の暮らしを守るルールがなさ過ぎる」「もっと国民の権利や暮らしを守るルールのある経済社会をめざそう」と言っています。

では、日本にはない経済の「ルール」って、何? それを分かりやすく解き明かしてくれているのが、この本。経済の問題を“かゆいところに手が届く”ように説明してくれます。

世界では当たり前になっていながら、日本にはない「ルール」ということを考える場合、EU(ヨーロッパ連合)のさまざまな指令や、ILO条約に具体化されてきたものが、一つの参考になります。しかし、EUの仕組みがどうなっているのか、ILOっていったいどういう組織なのか、などなど、難しい問題があります。

そこらあたりも、非常に丁寧に説明されています。そういう問題が、一昨年来の世界的な経済・金融危機や、日本企業の動きなどを交えて語られていて、ぐっとイメージ豊かにわいてきます。

日本経済はどうしてこんなに異常なの? どうしたら、もうちょっと暮らしや経済がまともにならないのか? とお思いの方、ぜひご一読をおすすめします。

大門さんは、風貌はもっさり(失礼!)していて、理論家という感じがしませんが(ますます失礼!!)、しかし実は、経済のあり方について、多くの人が疑問に思っていることを、分かりやすく、しかもデータにきっち裏づけられて、“ツボ”にはまった説明をしてくれるんですよ。

これまでにも、『「属国ニッポン」経済版――アメリカン・グローバリズムと日本』(2003年)、『新自由主義の犯罪――「属国ニッポン」経済版2』(2007年、いずれも新日本出版社)という著書があります。

現在、参議院議員2期目の大門さんは、この夏の選挙での再選と日本共産党の議席増をめざして、北海道・東北・北関東ブロックを活動地域として奮闘中です。本書を読んでいただければ、ぜひとも国会に必要な貴重な論客だということがお分かりいただけると思います。

【書誌情報】
著者:大門実紀史(だいもん・みきし、日本共産党参議院議員)/書名:ルールある経済って、なに? ――社会的公正(ソーシャル・ジャスティス)と日本国憲法――/出版社:新日本出版社/刊行:2010年4月/定価:本体1500円+税/ISBN978-4-406-05347-1

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

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