不都合なことは「想定しない」 これが原発の常識?

「東京新聞」が、東京電力が2002年と04年のアクシデントマネジメント評価報告書で、水素爆発の可能性は考慮する必要がないとしていたと報道しています。

燃料棒が露出するような過酷事故が発生するような事態になったときに、「格納容器内は不活性ガスの窒素で満たされている」という前提がそのまま通用すると思っているのでしょうか? 普通に考えたら、むしろ、窒素ガスが外部に漏れた事態まで想定するものではないのか、と思います。結局、不都合なことは「想定しない」というだけのことじゃないんでしょうか。

そして、そんな評価報告書を唯々諾々と認める原子力安全・保安院、原子力安全委員会って、いったい何なんでしょうか?

水素爆発「考慮必要なし」 福島原発2報告書:東京新聞

水素爆発「考慮必要なし」 福島原発2報告書

[東京新聞 2011年4月17日]

 東京電力が2002年と04年に福島第1原発などについてまとめた2つの評価報告書で、格納容器での水素爆発を「考慮する必要がない」と判断していたことが分かった。同原発では東日本大震災翌日の3月12日に1号機、14日には3号機の建屋で、格納容器から漏れ出た水素ガスが原因で爆発が発生。東電の広報担当者は「重く受け止めている」と話し、想定の不備を認めた。
 2つの報告書は「アクシデントマネジメント整備有効性評価報告書」(02年)と「アクシデントマネジメント整備後確率論的安全評価報告書」(04年)。炉心溶融や電源喪失など「過酷事故」(シビアアクシデント)に備えて整備した内容を、経済産業省所管の研究機関が定めた手法に基づいて自社で評価した。
 報告書によると、核燃料を覆う管が高温で損傷することにより、水素ガスが発生。水素ガスの濃度が高まると酸素と反応して水素爆発を起こし、格納容器に大きな圧力がかかる可能性がある。だが、格納容器内は不活性ガスの窒素で満たされているとして「この事象は考慮する必要がない」と記していた。
 福島第1原発では、2号機の格納容器下部にある圧力抑制室で爆発が起きたとされる。1、3号機でも、炉内で発生した水素が格納容器に漏出。配管のすき間などを通って外側の原子炉建屋上部にたまり、爆発を起こしたとみられるが、報告書ではこうした事故を想定していなかった。
 原発事業者を監督する経済産業省原子力安全・保安院も「格納容器外に水素が漏れてしまったらどうするか、安全審査では設計上の手当てはしていない」(西山英彦大臣官房審議官)と想定外だったことを認めている。

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

1件のコメント

  1. 福島市内在住の6歳と4歳の子を持つ親です。
    素人ながら短期間に勉強し、子供に対する影響を非常に心配しています。
    自己分析ながら、解ったことは、今までの一連の政府発表の数値はすべて外部被ばくに由来する数値であること。
    早発性の緊急度の高い数値であること。
    成人が基準であること。
    人工的な放射能の危険性に触れていないこと。

    このことから、子供の内部被ばくによる晩発性の放射能の影響について調べたところ、資料になっているものはほとんどありませんでした。事故が起きた国では、政治的な力があるのでしょうか、追跡しているものがあまりないのです。
    チェルノブイリの事故の研究者の報告の中から、非常に高い疾病率が報告されているものも見かけました。
    広島・長崎の件では、およそ公的であろう報告において、一定の期間後、放射能による被害は認められない。とありました。
    その他、今まで起きた放射能関係の事故の対象は基本的に成人が基準になっていることで子供に関する記載があるものは見られない。
    ICRPの勧告の中にも子供に関する記載は預託実効線量に関しての計算のみありました。
    その中で、先日原子力安全委員会から子供についての基準値が発表されました。同時に、砂塵等からの内部被ばくについての危険性も明示されました。
    それにも関らず、文部科学大臣は精査、検討するわけでもなく数値は参考値と切り捨てました。理由は移転費用がかさむためです。

    どうか福島の子供たちの将来を危惧する大人の責任として調べてほしいことがあります。
    1 低線量の長期被ばくとその影響
    2 空間や砂塵・食物からの内部被ばくの線量率
    3 子供と大人の放射能の影響比率
    4 上記の結果として福島の子供たちが今現在おかれている状況と危険性についての考察
    5 子供たちが将来に渡って福島に暮らしていくために今大人たちがすべきこと

    個人的な見解でもかまいません。長期的視点から、子供たちにとって危険性が高いのか少ないのかが知りたいのです。

    多分、解らないのかも知れません。ならば、安全策を取るべき状況ではないのでしょうか?
    私見ですが、内部被ばくに関しては、安全圏は無いようにも思えます。外部被ばくよりも確率論が強い印象があるからです。
    親としてはその分母を下げることが子供にとって最良の選択ではないかと思っています。

    思いつきの乱文ですみません。どこに頼んでいいのかが分からなくて・・ 取り急ぎ書かせてもらいました。

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