光の速さを超えるニュートリノ?!

ニュートリノが光より早く到達することが観測されたというニュース。「マイムマシン」云々はともかく、事実だとすれば、相対性理論を考え直さなければならないという大発見なのだが、光の速さと比べるにしては730kmという距離はあまりに短い(光の速度は秒速で約30万kmなのだから)。

物理:光より速いニュートリノ? 相対性理論覆す発見か:毎日新聞

マイコミジャーナルには、この観測が「真の値がこの誤差範囲を外れる確率は100万分の3.4程度」というCERNの説明が掲載されているが、これを読んでも、ナノ・レベルの精度で2地点間の距離を測り、また、発射地点と観測地点の時計を正確に合わせることは非常に難しいことが分かる。それに比べると、日本経済新聞にのった研究者が指摘する問題の方がよっぽど巨視的で、事実に合っているような気がするのだが、いかがだろうか。

【レポート】ニュートリノは光より速いのか – 相対性理論を覆す可能性をCERNが提示:マイコミジャーナル
ニュートリノ測定結果「小柴氏の観測と合わず」:日本経済新聞

物理:光より速いニュートリノ? 相対性理論覆す発見か

[毎日新聞 2011年9月23日 21時32分(最終更新 9月23日 23時31分)]

 【ジュネーブ伊藤智永】欧州合同原子核研究所(CERN、ジュネーブ)は23日、素粒子ニュートリノを光速より速く移動させる実験に成功したと発表した。事実なら、「光より速い物質は存在しない」としたアインシュタインの特殊相対性理論(1905年)を覆す物理学上の「大発見」となる可能性があるという。
 発表によると、日本の名古屋大、神戸大や欧州などの研究者約160人が参加する「国際研究実験OPERA」のチームが、CERNで人工的に作ったニュートリノ1万6000個を、約730キロ離れたイタリアのグランサッソ国立研究所に飛ばしたところ、2.43ミリ秒後に到着し、光速より60ナノ秒(1億分の6秒、ナノは10億分の1)速いことが計測された。
 1万5000回も同じ実験を繰り返し、誤差を計算に入れても同じ結果が得られたという。チームも「説明がつかない」と首をかしげており、実験データを公表して、世界中の研究者に意見と検証を求めたいとしている。
 ニュートリノは、物質の最小単位である素粒子の一種。1930年に存在が予言され、56年に確認された。あらゆる物質をすり抜けてしまうため観測が難しく、解明のための研究が進んでいる。
 CERNは世界最大の加速器を備え、宇宙誕生の瞬間を人工的に作り出すことを通じて、物質と出合うと消滅する「反物質」の観測、物質の重さや真空などの原理的解明を目指す国際的な研究機関。

ニュートリノ測定結果「小柴氏の観測と合わず」

[日本経済新聞 2011/9/23 23:23]

 スーパーカミオカンデ実験を率いる鈴木洋一郎東大教授の話 物理の理論全体に与える影響を考える前に、別の機関による検証実験で、結果の正しさを確かめることが大事だ。1987年に小柴昌俊先生が超新星爆発で放出されたニュートリノを捉えた際は、爆発による光もほぼ同時に観測した。両者の速度に今回の結果のような違いがあるとすると、ニュートリノは光よりも1年は早く地球に到達していなければおかしいということになる。〔共同〕

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

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