ついに、『資本論』初版のPDFを手に入れました!!

『資本論』初版(1867年)本扉
『資本論』初版(1867年)本扉

Google Booksをいくら探しても見つからなかった『資本論』初版(1867年)のPDF版をついに手に入れました!!

こちらのOpen Libraryに公開されています。

Das Kapital. (Open Library)

上記ページで、右欄の [Online] をクリックすると、ブラウザで初版『資本論』を閲読できます。

PDFファイルのダウンロードの仕方は、以下の通り。

  1. その状態で、右上の [ i ] マークをクリック。
  2. すると、[About this book] のウィンドウが開きます。
  3. その中の [Other Formats] の中から、[PDF] をクリック。(右クリックして、「リンク先を保存」を選んだ方がいいかも)

こうやれば PDFファイルがダウンロードできることは、barabaraさんからご指摘をいただきました。
ありがとうございます。m(_’_)m

ファイルの大きさは48.0MBです。

『資本論』初版の巻末には、有名な価値形態論の「付録」とは別に、「第一部の脚注への補遺」というのが載っています。わずか9項目ですが、これらをよく調べてみると、マルクスが、ドイツのマイスナー社に原稿を送った1867年4月から最後のゲラ校正が終わった8月までの間に公表された工場監督官報告書や新聞記事、あるいは工場立法をめぐる議会の動きが大部分です。できる限り新しいデータや工場立法をめぐる動きを『資本論』に盛り込もうと、マルクスが最後の最後までがんばったことが分かります。

これらの補遺は、第3版のときに、脚注あるいは本文に組み込まれました。その中には、実はマルクスが、関連するデータをともかく『資本論』に突っ込んだというものもあるので、よく読むと元々の注とは必ずしも繋がらないものもあります。また、該当する脚注の末尾にではなく、脚注番号の振られた本文に組み込まれたものもあって、そのまま本文を読むと、なんとなく話の筋が通らない場合もあります。

そんなものも、実は、それらは初版の「補遺」で、マルクスががんばって最後に詰め込んだものだということが分かると、その意味がまた違って見えてきます。そういう意味では、こういうものは、少々面倒でも、「補遺」の形のまま読んだ方が分かりやすいといえます。そういう意味で、初版のPDFが簡単に読めるというのは非常によいことだと思います。

Google Books上の『資本論』第2版、フランス語版、第3版、英語版、第4版については、こちらを参照↓。

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作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

4件のコメント

  1. GAKUさん
    すごいですねー
    お久しぶりです。オガちゃんです。
    幻燈社書店の江夏美千穂訳は形式的―実質的包摂を形式的―実質的従属と訳してはずです。初版の原典はどうなっていますか?

  2. 訂正です
    ×江夏美千穂訳
    ○江夏美千穂さんの訳では

    ところでMEGAは分売していましたっけ?

  3. オガちゃんへ
    1)「包摂」か「従属」かは日本語の訳語の違いだけで、原語は同じSubsumtionです。
    2)MEGAは分売されていますが、もともと発行部数が少ないので、最近刊行されたもの以外はほとんど品切れです。したがって必要な巻は古本屋さんで探すしかありません。海外の古書店なら比較的見つかりやすいと思います。国内の古書店は総じて値段が高すぎます。

  4. 操作が分からず、レスが遅れましたが――ご返信ありがとうございました。
    相変わらず、GAKUさんには教えられるところが多いです^^

    そういえば、今年は啄木没後百年でしたね。春の海でも眺めながら「いち握の砂」を読むのも風流かと思いました。。。

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