丸山昇『上海物語』

上海物語カバー

柄谷行人を読んでいると書きましたが、その“息抜き”というわけではありませんが、中国文学の丸山昇氏『上海物語』(講談社学術文庫)をぱらぱらと読み終えました。親本は1987年に出されたということですが、「中国の城都」シリーズの1冊ということでは気づかなかったのかも知れません。

上海を舞台に、清末から辛亥革命、さらに日中戦争へと時代の動きを追いながら、日中文化人たちの交流を調べ上げた本です。魯迅、郭沫若といった有名な人物だけでなく、労働運動や革命運動の中心地でもあった上海で活躍したたくさんの中国文学者が登場します。また、日本人も、芥川龍之介、谷崎潤一郎、佐藤春夫、金子光晴などのほか、内山完造、林京子など、さまざまな文学者が登場。人間ドラマとしても、ぐいぐい引き込まれてしまいました。

【書誌情報】著者:丸山昇/書名:上海物語 国際都市上海と日中文化人/出版社:講談社(講談社学術文庫1667)/発行年:2004年07月/定価:1050円+税

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください