置塩信雄『蓄積論』(4)

第3章 資本制的蓄積と恐慌

1、不均衡の累積過程

c、蓄積需要の決定

生産に関する決定のうちで主要なものは、次の三つである。

  1. すでに所有している生産財をどれだけ稼働するか。
  2. 次期以後において、どれだけの生産拡大を見込み、そのための追加的生産財をどれだけ準備するか。
  3. 次期以後において、どのような生産技術を採用するか。

これら3つの決定は、どのような社会においても誰かが何らかの形で行なわなければならないものである。資本制社会では、これらの決定が資本家によって指摘利潤追求を基準として行なわれる。

それゆえ、諸商品の販売、実現が順調に進行しているときには、資本家間の信用授受による蓄積需要は、どのような規模にも拡大できる。ここに一つの循環的関連がある。蓄積需要を、もし信用によって適当な大いさに維持することができれば、信用の崩壊はまぬがれる。このように考えると、信用の限界は、諸商品の実現、したがって総需要の状態に依存し、総需要は資本家の蓄積需要に規定される。つまり、信用の限界は蓄積需要自身に依存するといえる。ここでも蓄積需要が独立変数である。だから、資金の上限は、もし拡大再生産が超過需要の方向へ乖離して進行しているときには、上昇してゆくのである。(201ページ)

資金の上限が蓄積需要の増大を妨げ、それによって蓄積需要の停滞→総需要減退→過剰生産が開始されるとする論者があるが、これは誤りである。過剰生産の開始が資金の上限の上昇を停止させ、さらに信用の収縮・崩壊を生み出すのであって、これによる蓄積需要の圧迫は、すでに開始された下向過程での出来事であって、それが一般的過剰生産を開始させるのではない。(同前)

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