これが米軍基地の実態

とりあえず15日に日本側の警察・消防が現場周辺の現状を調査することが認めらましたが、それはあくまで事故機を移動する際に周辺の樹木などを伐採する必要があり日本側に現状を示す必要があるからということらしい。県警・消防署による現場検証はいまだにおこなわれていません。

沖縄タイムスの一連の記事を読むと、その様子がよく分ります。これは本土では報道されない「基地・沖縄」の実態です。

沖縄タイムス

事故は日米政府に責任/伊波宜野湾市長インタビュー
[沖縄タイムス 2004年8月15日 朝刊 1・2面]

 日米両政府が「危険な基地」と認め、1996年に返還合意された米軍普天間飛行場周辺の民間地域で墜落事故が発生した。同飛行場の返還を求め、訪米直訴行動を終えた直後の事故について、伊波洋一宜野湾市長に聞いた。(聞き手=中部支社・磯野直)
 ――今回の事故について。
 私たちが指摘してきた住宅密集地上空での飛行訓練の危険性を実証してしまった。米軍ヘリが県内、周辺海域で起こした事故の中では最悪のケースと言っていい。人身の被害がなかったことは本当に偶然で、1、2秒の違いで多くの被害者が出ていた可能性が大きい。一度の事故もなく返還を実現したいと思っていたが、残念ながら起きてしまった。
 老朽化し、事故率の高い海兵隊ヘリの危険性が指摘されてきたにもかかわらず、その飛行を日米両政府が何の制限もせず、野放しにしてきたことが今回の事故につながっている。「危険な普天間飛行場を取り除く」という返還合意の精神を、日米両政府が見失った結果だ。
 ――事故は訪米直訴行動の直後だった。
 返還合意の原点に返り、「普天間」を早期返還してほしいと米国政府などに訴えたが、今回の事故で取り組みの重要性を再度認識した。特に、米海兵隊太平洋司令部が約束した「住宅地上空での飛行中止」は、しっかり実行を求めていく。市のど真ん中にある基地の異常性を国内外に強く訴えていく方針だ。
 ――防衛施設庁の石井道夫次長は事故後、「1日も早く辺野古移設を進める」と市長に伝えたが。
 これから、十数年間も「普天間」を宜野湾市に置いておくという意味なら、何人の犠牲者が出れば動くのかと逆に聞いてみたい。責任ある人の発言とは思えない。今後、十数年かかるといわれる辺野古移設を「最も早い返還への近道」といった詭弁は、ただちに改めてもらいたい。
 県内、国内移設は困難であって、実際に辺野古移設はこう着している。ハワイやグアムの既存基地に分散するか、部隊解消によって普天間返還を実現するべきだ。県も県内移設の発想を捨て、海兵隊の削減に徹底して取り組むべきだ。
 ――県警と消防の墜落現場への立ち入りが、米軍に拒否されているが。
 米軍の軍事目的の調査を優先し、住民を排除する状況は異常。日本側の捜査、調査権を排除することがあってはならない。米軍優先を日本政府が認めるなら、国民の信頼は得られない。墜落現場ではなく東京の判断だけで決められると、基地を抱える自治体は住民被害に何も対処できなくなる。宜野湾で何が起きたのかを確認するのは、市と県、日本政府の義務だ。

県警捜査「米軍待ち」/米軍ヘリ墜落 現場入り同意出ず
[2004年8月15日 朝刊 23・22面

 宜野湾市の沖縄国際大学で米海兵隊のヘリコプターが墜落した事故は14日、県警の現場検証の申し入れに対する回答を米側が留保したまま、現場はこう着状態が続いている。米側から回答の時期は示されていない。県警は米側の同意が得られ次第、検証に入り、墜落の原因を明らかにし、乗員を航空危険行為処罰法違反容疑で立件したい考え。
 米軍は同日午前、2次災害を防止するため、墜落した機体から燃料を抜き取った。
 また同日午後7時すぎ、ヘリが接触した1号館本館の立ち入り禁止の措置が解かれ、宜野湾署の捜査員約20人が建物内に入った。室内に落ちていたヘリの部品を写真に撮り、建物のひび割れを確かめた。
 立ち会った大学の職員によると、墜落現場に最も近い会計課の室内には直径約30センチ、高さ約20センチの円筒状のモーターが転がり、二重の窓ガラスが3カ所壊れている。
 1号館の1階は炎で焼け焦げ、壁に直径約1メートルの円形の穴が開く被害が出ている。3階の壁も一部欠落し、内部の鉄筋がむき出しになっていて、オイルのにおいも残っているという。
 県警の鑑識や捜査員が米軍の現場検証の同意を待っている。
 県警捜査員の1人は「手続きが必要なのは分かるが、民間地域で犯罪の疑いがあるのに、何もできないのは解せない」と、米軍側の対応に不満を示している。
 現場は県警機動隊員が列をなし、関係者以外の立ち入りを厳しく制限している。

過剰制限“イラク並み”/事故後検証の管理権 外務省、不満も米重視

 米軍ヘリの墜落現場で、県警や消防などの立ち入りをはばんでいる米軍の「壁」。米軍は日米地位協定に基づいて事故機周辺を管理下に置き、現場検証をしたい県警などの立ち入りを認めていない。しかし、外務省は「米軍に権利があるのは事故機のみ」との見解を示している。
 「厚い壁だ。基地の外で、ここまで排除されるとは思わなかった」
 墜落から丸一日が過ぎた14日午後、宜野湾市消防本部が墜落現場に立ち入れるよう、米軍に要請するためにキャンプ瑞慶覧を訪れた市基地政策部の比嘉博部長はつぶやいた。「最悪でも、米軍と合同で調査できると思っていた」
 同日午前8時半すぎ、現場検証をしようと沖国大に到着した市消防の隊員たちは、一度は大学構内に立ち入った。しかし、十数分後、米兵に外へ出された。隊員たちは、銀色の防火服に身を包んで事故機周辺を調査する米兵を、大学のフェンスの外から眺めるしかなかった。
 米軍は13日の事故直後、県警や市消防よりも早く現場に駆けつけて、現場周辺を管理下に置いた。県警などは米軍に墜落現場への立ち入りを求めているものの、米軍は「協議中」として、明確な回答を示していない。日本側は現場検証どころか、黒焦げのヘリに触れることもできない状態だ。
 日米の外交関係や「軍事機密」にもかかわる問題だけに、同意を求めること以外に現場レベルでは対応できず、時間だけが流れている。
 「日米地位協定などにのっとると、捜査するには米軍の同意が必要」
 米軍のつれない対応に、県警や市消防の幹部は苦虫をかみつぶす。
 事故機だけでなく、その周辺まで管理下に置く米軍を、外務省は「行き過ぎ」とみている。
 外務省によると、日米地位協定では、米軍機が米軍の施設外に墜落した場合、事故機の管理権は米軍が持つ。しかし、事故現場周辺の管理権については基本的には日本側にあるというのが、外務省の解釈だ。
 今回の事故では、米軍が、墜落したヘリが接触した校舎の強度調査をしたり、現場周辺の立ち入りまで制限している。
 「イラクじゃないんだから。日本の警察や消防を信用してほしい」
 外務省沖縄事務所で14日、ロバート・ブラックマン在沖米4軍調整官と会談した荒井正吾外務政務官は、混乱が続いているイラクを引き合いに、米軍への不満をもらす。
 「米軍機が民間地域に墜落した場合の決まりが明確でなく、今回は現場を混乱させてしまった。事故後の検証に関するルールづくりを日米両政府で進める必要がある」と荒井政務官。週明けにも事務レベルで対応を協議する考えだ。
 しかし、外務省には、米軍に対して、強く抗議する姿勢は見られない。
 荒井政務官は「(米軍が)事故の原因を調査することは再発防止につながる。事故機の管理を米軍がすることは当然」と述べ、「米軍の捜査権」を重視する姿勢をにじませている。(社会部・福島慎吾、福元大輔、中部支社・磯野直)

沖国「情報入らず」憤り
[2004年8月15日 朝刊 23面]

 「普天間飛行場の1日も早い返還を」「米軍機の飛行を止めろ」。米軍ヘリの墜落事故を受けて14日、大学側や県内の市民団体、労組などから政府や県、米軍に対し、抗議や要請が相次いだ。「飛行場がある限り、同様の事故は再び起こる」との懸念と、日本側の現場立ち入りを認めない米軍の対応に、県民の反発は高まる一方だ。

たったの3分

 沖国大は同日午前、米軍ヘリ墜落事件対策本部を開き、大学側が現場に立ち入りを制限されていることを問題視し、ヘリ機体など証拠物件を差し押さえ、押収するよう求める要請文を県警に提出した。
 午後7時前に、渡久地朝明学長に本館立ち入り許可が出され、那覇防衛施設局職員の立ち会いで入館したが、わずか3分程度の“視察”だった。本館から出てきた渡久地学長はぶぜんとした表情。大学職員に促され、足早に学外に立ち去った。
 大城健太郎広報課長は外務省や米軍から依然、連絡が一切ないことも明らかにした。新たに確認された被害はなく、インターネット回線の復旧を急いでいるという。
 15日も対策本部を開き、週明けにも、日米両政府の関係機関に抗議行動を予定している。

外務政務官おわび行脚/米軍ヘリ墜落 「対応遅れ、事故に」
[2004年8月15日 朝刊 3面]

 沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故で、現場視察などのため、14日来県した外務省の荒井正吾外務政務官は、県幹部や宜野湾市、在沖米四軍調整官らと面談した。住宅街の大学構内への墜落事故について「外務省としても大変重く受け止めている。住民の方々の恐怖を想像すると、いたたまれない思いだ」と陳謝した。
 伊波洋一市長は荒井政務官に、住宅地に飛び散ったコンクリート片を示しながら、「これまで何度も普天間所属ヘリの墜落の危険性を訴え、外務省に改善を求めてきた。これ以上、欠陥基地を放置しないでほしい」と訴え、「日米両政府で普天間問題を再協議し、県内移設ではなく、部隊の分散によって早期に返してほしい」と要望した。
 荒井政務官は「市長が何度も警告を出していたのに、われわれの対応が遅れて墜落事故が起きてしまった。大変申し訳ない」と謝罪。ただ、普天間移設問題の再協議には「外務省の代表として市長の要望を受け止め、検討させてほしい」と述べるにとどまった。
 伊波市長は県警と市消防本部が立ち入り調査できないことについて「米軍の軍事目的のためだけの調査のために、日本側を排除する状況は異常だ。そこで何が起きたのかを確認する義務が日本政府にある」と批判、外務省として米軍と折衝するよう求めた。
 これに先立ち、県庁で牧野浩隆副知事は「飛行停止と同時に普天間飛行場の早期返還も重要。提供責任のある政府が、移設までの安全確保を真剣に考え、対応をとってもらいたい」と強い口調で述べた。
 荒井政務官は「政府部内でさらに真剣な検討を努力したい」と回答した。
 面談後、外務省沖縄事務所で記者会見した荒井政務官は普天間飛行場の移設問題で、牧野副知事が「あらゆることを検討せざるを得ない」と発言したことに関し、「1999年の閣議決定に基づき、可能な限り早期移設を図る」と従来の政府見解を強調。「普天間移設に関しては、政府全体の意思判断であり、政務官で答える立場にない」とした。

Similar Articles:

Leave a Comment

NOTE - You can use these HTML tags and attributes:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">