日フィル「第九」コンサート

今日は、サントリーホールで、日フィルの「第九」コンサートを聴いてきました。
指揮は日フィル正指揮者の沼尻竜典氏。休憩前に、合唱団のアカペラで、武満徹氏の「うた」3曲を歌うというちょっと趣向凝らしたプログラムでした。

  • 武満徹:混声合唱のための《うた》より「翼」
         MI・YO・TA(沼尻竜典/編曲)
         混声合唱のための《うた》より「小さな空」
     (休憩)
  • ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 作品125 「合唱」

前半は、東京音楽大学の合唱団によるアカペラということで、舞台の上は指揮の沼尻氏のみ。合唱団は舞台後ろのP席に陣取っているので、指揮台にのぼった沼尻氏とはちょっと距離があって、そこから沼尻氏がぐるぐると腕を振り回して指揮している様は、なかなか妙な構図でした。

1曲目の「翼」は、石川セリの歌でニュース23のエンディング・テーマに使われたので有名な曲ですが、聞いた感じは石川セリ・バージョンとはだいぶ違った印象でした。で、これは少し歌詞が聴き取りにくかったのですが、2曲目、3曲目は、歌詞が鮮明に聴き取れ、「うた」にとって「歌詞」のもつ意味というものの大切さというものが分かったように思いました。

武満氏の曲は、これまで何度も聴いたことがあるのですが、ぞわぞわもぞもぞ、ぎゅるぎゅるもわもわ……で、いつも途中で寝こけてしまって、まともに聴いたことがありません。一度は、招待券で聴きに行って、いつものように演奏中に寝てしまい、演奏が終わったあとの拍手で目をさますと、僕の5つ隣りに座っていたおじさんが舞台から呼ばれて立ち上がった(つまり、そのおじさんが武満さんだった、ということ)などということもありました。(^^;) ところが、「うた」の方はとなると、これが非常によく分かるし、伝わってくるものがあって、僕は大好きなのです。どうしてなんでしょうねえ?

休憩後はメインの「第九」です。舞台の上に並んだオケはやや小ぶりの編成で、その分、音の迫力はやや小さいものの、管はもちろん、とくに弦がきれいにそろった、透明感のある音をさせていました。それ以上に良かったのは、合唱団です。日本の第九の合唱は、ヨーロッパなどと比べるとやたらに人数が多くて、迫力はあるかも知れないけれど、何を言っているか分からない(もちろん歌詞はドイツ語だから、もともとさっぱり分からないのだけれど…)、わわわ??どどどど?とやっているだけという感じが多いのですが、今日の東京音楽大学の合唱団は、声の出始める瞬間、強弱、消えるところがよくそろっていて、指揮者沼尻氏のあやつるままという感じで、歌詞が鮮明に伝わってきました。
ソリストもみんなよく声が届いてきました。オケが小ぶりで、オケの演奏に埋没しなかったということもあるでしょう。それから、オケの前ではなく、オケの後ろに立ったので、すぐ後ろにP席の壁があって、声が前方に良く響いたというのもあるかも知れません。それにしても、合唱団ともども、「うた」にとって「歌詞」が聞き取れるということが大切なんだということがよく分かりました。とくにメゾ・ソプラノの栗林朋子さんの声がよく出ていたのが印象に残りました。

【演奏会情報】指揮:沼尻竜典/ソリスト:高橋薫子(ソプラノ)、栗林朋子(メゾ・ソプラノ)、錦織健(テノール)、福島明也(バリトン)/合唱:東京音楽大学/サントリーホール 2004年12月17日19:00開演

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