「アンナとロッテ」見てきました

プャラム

14日までの公開ということだったので、昨日、急いで見てきました。今年2本目の映画。

ドイツ・ケルンに生まれたアンナとロッテの双子の姉妹。両親が亡くなって、姉のアンナは農家の叔父のところへ、妹のロッテはオランダの富裕な親戚の家へ引き取られていくことになります。それだけでも可哀想な話ですが、やがてヒトラーが政権につき、ドイツは戦争を始め、オランダもドイツに侵略されることになります。

プログラムの解説で、映画ライターの折田千鶴子さんは、「2人の人生の幸・不幸を、比較せずにこの映画を見ることができる人がいるだろうか」と書かれていますが、僕も、やっぱり2人の幸・不幸を考えずにはいられませんでした。

ドイツの農家にもらわれていったアンナは、養父から暴力をふるわれ、学校にも通えず、まさに「野蛮」の中に育つ。それにたいして、ロッテは、何一つ不自由のない生活を送り、大学にまで通う。しかし、やがてアンナはメイドとして自立していく。貧しいかも知れないけれども、自らの“職”を得て、勤め先にも恵まれ、夫となる男性ともめぐり逢って、「幸せ」をつかんでいく。他方、ロッテは、オランダがドイツに侵略され、ユダヤ人であった婚約者は、彼女が「バッグを忘れてきた。取ってきて」と頼んで、カフェに戻った間に、ドイツ軍に補足され、強制収容所に連れ去られてしまう。婚約者の母親が思わず口にした「あなたが鞄を忘れなければ…」という非難に、ロッテは沈黙せざるを得ない。やがて、婚約者はアウシュビッツに送られ、ガス室へ。さらに、婚約者の両親・弟家族がドイツ軍の“ユダヤ人狩り”を逃れるために「匿ってほしい」とロッテの両親を頼ってくる。ドイツ占領下の苦しくひもじい生活…。

やがて戦争はヒトラー・ドイツの敗北に終わる。アンナの夫は戦死。ロッテは、オランダが解放され、平和が戻ったものの、戦勝国オランダにあって、ドイツ人として苦悩する。戦後2年たって、アンナがロッテを訪ねて来る。2人はようやく再会できた……はずだったのだが。

ということで、2人を引き裂いた“運命”と、2人の幸・不幸を思わずにはいられない作品です。

同時に、映画に描かれたドイツ人の「小市民ぶり」、農家の「野蛮さ」。ユダヤ人家族を匿ったときに、ロッテの養父が見せた「弱さ」。いろいろ考えさせてくれるところのある作品でした。

若いアンナ役を演じたナディヤ・ウールは、困苦に負けず、向上心を持って自立していく聡明なアンナを演じています。年をとって再会を遂げたアンナとロッテが投げ掛け合う、「ドイツ人が夫を殺した」「私が殺した訳ではない」「私は知らなかった」「知らなかったで許されると思うの?」等々の言葉。ドイツの「責任」を問い、同時に、EUとしてドイツと和解し統合を遂げつつあるヨーロッパの“心情”のようにも感じられました。

あともう1つ。映画中では、ドイツ語とオランダ語の両方が登場します。ドイツ語とオランダ語の使い分けが映画のストーリー展開と重なって、効果的かつ印象的に使われています。

公式サイト

【映画情報】監督:ベン・ソムボハールト/脚本:マリーケ・ファン・デル・ポル/原作:テッサ・デ・ロー/出演:ナディヤ・ウール(若いアンナ役)、テクラ・ルーテン(若いロッテ役)、フドゥルン・オクラス(年配のアンナ役)、エレン・フォーヘル(年配のロッテ役)/2002年 オランダ・ルクセンブルグ

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  3. TB有難うございます。
    見たい映画が目白押しの中、どうにも気になる作品でして
    選んで見てみて良かったでした・笑
    内容が濃いい映画でしたね。。

  4. アチキの毎日 - trackback on 2005/01/23 at 16:00:44
  5. FOR BRILLIANT FUTURE - trackback on 2005/02/19 at 12:36:31

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