「9条の会」広島講演会に2600人

12日、広島で開催された「憲法9条いまこそ旬」講演会は、第2会場などもいっぱいになる2600人の参加で、大盛会でした。

一般紙も地方版で大きく取り上げていますが、相変わらず全国版では無視されてますので、地方紙の報道も含め紹介しておきます。

憲法集会:被爆で得た“人間重視”忘れるな 鶴見俊輔氏が講演――中区/広島(毎日新聞)

◇「国家から個を見る考えに逆戻り」――大江、沢地氏も護憲訴える

 憲法改正の動きが本格化する中、中区の広島国際会議場で12日に行われた講演会「憲法9条 いまこそ旬」には約2600人が集まった。来演した哲学者の鶴見俊輔さんは原爆の非人道性を指摘し、「日本は原爆で得た教訓を平気で忘れようとしている」と危機感をあらわにし、作家の大江健三郎さん、沢地久枝さんも護憲を訴えた。江島晴夫・元広島弁護士会長らが呼びかけ人となって作った実行委は、「講演会を機に、県内でも9条を守る声を広げていきたい」と話した。【遠藤孝康、田中博子】

 「九条の会」は昨年6月、憲法改正に反対する作家、学者らで結成。全国を巡回し、講演会を開くなどしている。
 鶴見さんは原爆投下の背景について、「米国は多額の資金をかけたマンハッタン計画の効果を証明する必要に迫られており、旧ソ連に対し、優位に立つ意図もあった」と指摘。「原爆は国家が持つ凶器。20世紀の歴史で国家がどれほど凶悪な行為をできるのかが証明された以上、国家に依存しない社会を作るべきだ」と持論を述べた。
 国連の常任理事国入りを目指す動きについても、「常任理事国になって何をやりたいのかは全く聞こえてこない。国家ありきの考え方に基づく無意味な考え方だ」と述べた。そのうえで、現在の改憲の流れに触れ、「日本は原爆投下で、個から国家を見る新しい視点を得たのに、再び『普通の国になろう』と国家から個を見る考え方に戻ろうとしている」と批判し、「9条改悪反対は私にとっては当然の主張。私も高齢になったが、憲法改悪には断固立ち向かいたい」と決意を述べた。
 大江さんは、「戦後の思想の原点に広島の経験があり、それが現在の9条に結びついている」と指摘。さらに、故・丸山真男氏の論文を紹介し、「憲法は理性的な自己決定の力を作り、新しい規範の社会を作り出したいという思いで出来たものだ」とし、「今、平和憲法を廃棄すれば、60年間の日本の自由な意思決定に基づく規範を放棄することになる」と述べた。
 沢地さんは、米国の押しつけ憲法との批判に対し、「日本人が敗戦でどん底まで落ち、ようやくつかんだもの。決して押し付けられたものではない」と反論。さらに「終戦後、誰もが二度と戦争はしないと決意した。それを憲法として持った日本は、理想を先取りした国になった」とし、「憲法の要は9条。扇の要を外したら、日本が不幸になるだけでなく、世界中が米国のように100年逆戻りする。改憲論には一歩も引けないという個人が心をつないで、9条を守ろう」と訴えた。
 会場にいた中区基町の無職、原広子さん(84)は「被爆者の一人として、今は戦争ができる国に戻るかどうかの瀬戸際と感じる。若い人たちも私たちの思いを受け継ぎ、平和憲法を守っていってほしい」と話した。
[毎日新聞 2005年3月13日]

護憲、被爆地から発信「九条の会」(朝日新聞)

広島市中区の広島国際会議場で12日にあった「九条の会」の講演会には、約2600人が詰めかけた。同会を立ち上げた作家の大江健三郎さん(70)らが被爆地で発する言葉に、聴衆は熱心に耳を傾けていた。
 メーン会場は3階席まで満席となり、入りきれない人たちは別に用意された会場で中継映像に見入った。大江さん、哲学者の鶴見俊輔さん(82)、ノンフィクション作家の澤地久枝さん(74)の3人がそろって登壇し、あいさつすると大きな拍手が起こった。
 大江さんは、憲法が施行された中学時代の「原点」を振り返った。「憲法の前文は、私にとって心の泉になった。教育基本法も読み、この文体で作文を書いてやろうと思った」。戦後60年、日本にとって最も大事な「規範」の一つは武器輸出3原則の厳守だと指摘した。さらに、小泉首相が国連常任理事国入りを求めていることにも触れ、「武器輸出国になろうということだと疑っている」と批判した。
 鶴見さんは太平洋戦争中に徴兵され、捕虜殺害に直面した。「私に殺害の命令が下っていれば拒絶できたか。そういう体験からも憲法改悪には反対だ」と断じた。旧満州(中国東北部)で敗戦を迎えた澤地さんは「9条という扇の要を外したらもう元に戻れない。一歩も引かない個人が1人でも増えて、社会にバリアを張っていきましょう」と呼びかけた。
 友人らと聞きに来た広島女学院高校2年の川中沙也加さん(17)は「3人の話を聞いて、自分の意見をしっかり持つことが大事だと思った。9条を守るためにどうすればいいのか、何ができるのかを考えていきたい」と話していた。
 「九条の会」広島講演会事務局によると、同会の講演会は東京で始まり、大阪、京都、仙台、札幌、那覇、横浜と続いて聴衆はのべ2万人を超えたという。
[朝日新聞 3/13]

「九条の会」広島で講演 大江さんら平和訴え(中国新聞)

 平和憲法を守ろうと、作家大江健三郎氏ら九人が呼び掛け人になった「九条の会」の発足記念講演会が十二日、広島市中区の広島国際会議場であり、憲法九条を支えるヒロシマの意義が語られた。全国で八カ所目。
 会場には二千五百人が訪れ、大ホールには入りきれず、映像を流す三つの特設会場を用意した。
 大江氏は「戦後思想の出発点にヒロシマの経験があり、それと真っすぐに結び付いているのが、憲法九条」と強調。戦後六十年目に生きる国民が、憲法九条を守るという自己決定をすることで「本当の民主主義社会になる」と訴えた。
 続いて、どちらも呼び掛け人の哲学者鶴見俊輔氏、作家沢地久枝氏が講演した。
【写真説明】「九条の会」の講演会でヒロシマの意義を訴えた(左から)鶴見、沢地、大江の3氏。会場には2500人が集った
[中国新聞 ’05/3/13]

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