韓国政府「今後の対日関係の基調と対応方針」

韓国政府は、17日、国家安全保障会議常任委員会の「今後の韓日関係の基調と対応方針」についての声明を発表しました。その邦訳全文(Unofficial Translation)が、韓国在日公館のホームページに掲載されています。

国家安全保障会議(NSC)常任委員会声明文

3/30追記:
何度か訳文が更新されていましたが、今度のものがたぶん最終版だろうと思います。なおUnofficial Translationと断りがありますので、その旨ご承知置きください。

Unofficial Translation
NSC常任委員会声明文(2005.3.17)

政府は本日、NSC常任委員会を開催し、韓日関係の昨今の状況を評価し、今後の韓日関係の基調と対応方針を論議しました。これを、国民の皆樣に次のようにお知らせします。

〔韓日関係発展のための現政府の2年間の努力〕

現政府(参与政府)はこれまで2年間、「過去を直視し未来に向かって日本と共に進む」という基本精神と「平和と繁栄の東北アジア時代」というビジョンのもと、韓日関係の未来志向的な発展のため不断の努力を展開してきた。

現政府はこれまで、隔たりのない通常の外交政策を始めとする多様な外交を展開し、大きな懸案事項についても国内政治を考慮をせず、未来志向的な姿勢に基づき対処してきた。同様に「韓日両国が東北アジア経済協力を積極的に推進していく」というビジョンを持って、FTA協商を開始した。そして、韓日善隣友好関係の土台になる人的・文化的交流の増進にも努力を惜しまなかった。

我々は、不幸な過去の束縛から抜け出し、未来に向かって協力していこうとのメッセ?ジを日本政府に継続的に伝えてきた。これは、過去の歴史問題をめぐり、被害当事国が加害国に度量を示したものであった。我々は、外部の圧力によらない、人類の普遍的な価値に基礎を置いた日本自らの努力を求めてきた。このような脈略から、昨年7月の済州島定期会談で、現政府任期中には過去の歴史を外交の争点として提起しないという意思も明らかにした。我々は普遍的な常識に照らして、日本は我々の善意に対して、両国間の古来よりの繋がりを思い起こし、自らが過去の歴史問題を論点として取り上げるであろうという、当然の期待を持っていたのである。

しかし最近、日本が取った一連の行動は、東北アジアの平和勢力として、隣国と共存する意思があるのだろうかという根本的な疑念を我々に抱かせている。

むろん我々は、日本国民の多数が過去の反省を忌避し、一部の国粋主義者らの言動に同調しているとは見ていない。しかしながら、日本の指導層の一部に時代錯誤的な歴史観を土台とした一種の退行的言行がむしろ増加していることは、厳然たる事実である。そして、過去の侵略と強権の歴史を美化する歴史教科書が、是正されないまま中央政府の検定を通過するという事態に大きな懸念を抱いている。
そして日本政府は、過去の植民地侵略過程において強制編入し、(1945年の)解放によって回復された韓国領土に対する領有権を主張している。これは単純な領有権問題ではなく、解放の歴史(日本の植民地政策が否定された歴史)を否定し、過去の侵略を正当化する行為に相違ない。

韓国政府としては、このような昨今の状況から、95年の村山首相会談や、98年の韓日パートナーシップ共同宣言を通じた明確な「反省」と「謝罪」の表明まで、封印してしまうのではないかという疑念さえ抱かざるを得ない。

未来志向的な関係構築のため、韓国政府が過去の歴史に対する新たなアプローチを模索している時期に、逆に日本国内でこのような退行的な動きが続いていることを我々は非常に遺憾とする。これは韓日善隣友好関係に対する深刻な毀損行為であるとともに、東北アジアの平和繁栄を望んできた近隣国家すべての願いに逆行するものである。

[今後の韓日関係の基調と対応方向]
このような認識と立場を土台として、政府は今後次のような基調に立脚して韓日関係に臨むこととする。

1. 政府は今後、人類の普遍的な価値と常識に基礎を置いた韓日関係を構築する。このような次元で、<徹底した真実究明、真の謝罪と反省、そして許しと和解>という世界史的に普遍な方式に立脚して、過去の歴史問題を解決していく。

2. 政府は、最近、日本の一部地方で起きている、独島(竹島)や歴史についての一連の動きを、過去の植民地侵略を正当化しようとする意識を内在した、重要な問題と見なし、断固として対処する。

3. 政府は、我々の大義と正当性を国際社会に堂々と示すために、あらゆる努力を払い、その過程で日本の態度変化を促す。

4. 政府は、東北アジアの平和と繁栄を追求するために、現在および未来においても、宿命的なパートナーである日本と、すでに合意され、予定されている外交的な交流を継続し、経済・社会・文化・人的な交流は変わりなく増進する。

以上のような基調のもと、政府は韓日関係の当面の問題について、次のように対応する。

1. 独島についての我々の領有権を、確固として守る措置をとる。

2. 国際社会及び日本の良心的な勢力と連帯し、時代錯誤的な歴史歪曲を正し、同時に、歴史についての正しい共同認識を形成できるよう、可能なあらゆる手段を活用して対処する。

3. 日帝被害者問題は、人類普遍の規範と人権の問題であるだけに、正当に解決できるよう努力を尽くす。韓国は韓国がなすべきことを行い、日本は日本が当然なすべきことを行うという、明確な認識が必要である。これまで韓国政府は、日帝被害者問題についての市民社会の要求に対し、直接の対応を自制してきた。しかし政府は、個人被害者に対する権利保護は普遍的な人権問題であって国家はそれを剥奪することはできない、という認識のもとに、韓日協定によって韓国政府が負担すると決定した問題は我々で解決する一方、韓日協定の範囲外の事案については、人権尊重と人類普遍の規範の遵守という次元から、被害を受けた個人に対する問題については、日本政府が自ら解決するように促す。

4. 日本は、まず隣国の信頼を得ることが、国連などの国際社会で指導的国家として尊敬される第一歩であることを認識すべきである。政府は、この問題に関連する日本の動きを注視し、適切に対応する。

5. 我々は、日本が未来の東北アジアの平和と安定をともに具現化するパートナーであり、運命共同体であるという信頼と希望を捨てない。このような脈絡から、既存の人的・文化的な交流協力事業はこれまでと変わりなく推進し、特に両国間の理解を深めてきた、市民社会ネットワークの構築努力はさらに強化する。これを通じて、両国社会の底辺(草の根)から歴史問題を解消できるよう基盤作りをする。

我々は、過ぎた不幸な歴史を繰り返さず、今日の日本が持つべき正しい歴史認識と、近隣諸国に対して取るべき態度について真摯な省察と論議を日本国内に広げるため、日本の良識と知性ある市民が、先立って行動することを期待する。

国民の皆様、
韓国政府のこうした政策転換により、乗り越えるべき課題が出てくると思います。しかし正しい歴史の発展と大義のためには、堪え忍ぶべきは堪え忍ぶという姿勢が必要です。我々は、確固たる歴史意識を持ち、困難を克服した民族こそが、長く栄え、世界的に尊敬されるという信念を持っています。

最後に国民の皆様にお願い申し上げます。
最近の事態に直面し、国民の皆さんが受けた精神的苦痛や憤怒を十分に理解しています。しかし国民の皆様と共に作る、平和と共存の未来に傷がつかぬよう、我々の意思を表現するにあたって品位と節度を保つ必要があります。特に、相手国に対する侮辱や、国家間の礼儀に反することがないようお願い申し上げます。

ありがとうございました。

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