日中関係の基本について

ところで、前にも書いたことですが、中国側が日中関係の出発点だと強調している「3つの政治文書」というのは、以下の通りです(いずれもリンクは外務省のページにつながります)。

これらは、日中両政府が合意し署名した文書であり、現在起っている日中関係の諸問題についても、日本政府は、これらの原則に則って解決すべきです。

歴史問題では、たとえば1998年の日中共同宣言は、次のように述べています。

 双方は、過去を直視し歴史を正しく認識することが、日中関係を発展させる重要な基礎であると考える。日本側は、1972年の日中共同声明及び1995年8月15日の内閣総理大臣談話を遵守し、過去の一時期の中国への侵略によって中国国民に多大な災難と損害を与えた責任を痛感し、これに対し深い反省を表明した。中国側は、日本側が歴史の教訓に学び、平和発展の道を堅持することを希望する。双方は、この基礎の上に長きにわたる友好関係を発展させる。

なお、ここに出てくる「1995年8月15日の内閣総理大臣談話」とは、いわゆる「村山談話」のこと。その中では、<1>近隣諸国の深い理解と信頼にもとづいた関係を確立することが不可欠であること、<2>日本が植民地支配と侵略によってアジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えたこと、日本政府はその事実を謙虚に受け止めること、<3>日本は「独善的なナショナリズムを排し」、国際協調を促進すること、などを表明しています。

台湾問題では、1972年の国交正常化共同声明の第3項で次のように述べています。

中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。

また1998年の共同宣言でも次のように、1972年共同声明の立場を再確認しています。

 日本側は、日本が日中共同声明の中で表明した台湾問題に関する立場を引き続き遵守し、改めて中国は一つであるとの認識を表明する。日本は、引き続き台湾と民間及び地域的な往来を維持する。

1998年の共同宣言では、さまざまな意見の相違、問題、争いについて「友好的な協議」を通じて解決を図り、「両国の友好関係の発展がさまたげられ、阻害されることを回避していく」ことも確認しあっています。

 双方は、日中共同声明及び日中平和友好条約の諸原則に基づき、また、小異を残し大同に就くとの精神に則り、共通の利益を最大限に拡大し、相違点を縮小するとともに、友好的な協議を通じて、両国間に存在する、そして今後出現するかもしれない問題、意見の相違、争いを適切に処理し、もって両国の友好関係の発展が妨げられ、阻害されることを回避していくことで意見の一致をみた。

小泉首相は、あれこれお気楽コメントを繰り返すのではなく、こうした文書を踏まえ、しっかりした態度表明をおこなう必要があるのではないでしょうか。

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