首相の靖国参拝について

総理大臣の靖国神社参拝にたいする中国の批判について、「内政干渉だ」という意見がありますが、私は、「内政干渉だ」といってすませることはできないと思っています。

まず前提として、私は、靖国神社に限らず、どこの神社・寺院であれ、内閣総理大臣や国務大臣が参拝することは、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と定めた憲法第20条に違反すると考えます。

しかし、それ自体は日本の内政の問題であり、中国政府も、別に、そのことを問題にしている訳ではありません。中国政府が問題にしているのは、その靖国神社に「A級戦犯」が合祀されていることであり、そこに内閣総理大臣が参拝することです。

侵略戦争を遂行した責任者である「A級戦犯」を神と崇め、それにお参りするという行為は、小泉首相がどう言おうと、海外から見れば、日本が表明した侵略戦争への「反省とおわび」を疑わせるに十分なものです。この点で、首相の靖国参拝を、たとえば米大統領のアーリントン墓地への墓参と同様に論じることはできません。

もちろん、国内的に、極東裁判に異を唱える議論があることは十分知っていますが、対外的には、日本はサンフランシスコ講和条約で独立を認められるに際して、極東裁判判決の受け入れを表明しており、「A級戦犯も戦争の犠牲者だ」という態度をとることは、戦後日本の出発点を否定するものであり、諸外国とりわけ日本の侵略を受けたアジア諸国の批判をまねくのは当然です。

私は、日本がアジア諸国と友好・協力関係を発展させ、経済的にも相互の関係を深め、発展していくためには、こうした戦後日本の出発点において、あるいは日中国交正常化以来、表明してきた侵略戦争の責任と反省の立場は、堅持すべきだろうと思います。

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