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JR西日本はATS-Pの投資をケチっていた!

2005年5月1日 at 14:25:33

「しんぶん赤旗」によると、JR西日本は、ATS-Pの工事費を2001年度から大幅に削減していました。JR宝塚線の脱線事故でも、現場にATS-Pが設置されていれば、速度オーバーが規制できて事故にならなかったのではないかと指摘されています。

JR西日本は、今年6月に設置工事をする予定だったと発表していますが、2000年度までのように毎年16?21億円の投資をしていれば、現場にももっと早くATS-Pが設置されていたはず。2005年3月期決算では、JR西日本は経常利益959億円(前期比11.7%増)、最終利益589億円(同25.5%増)の過去最高益をあげていますが、「安全より利益優先」と言われても仕方ないのでは? 6月に工事をする予定だったのに…ではすまされません。

新型ATSの設置工事費 01年度から激減/JR西(しんぶん赤旗)

年度 1998 99 2000 01 02 03 04
工事費(億円) 21 16 19 2 3 1 5

追記:S.WATANABEさんのご指摘の通り、ATS、ATS-Pは赤信号で確実に停止するようにするためのものなので、制限速度超過には対応していません。したがって、ATS-Pと今回の脱線事故防止とをストレートに結びつける記述は削除します。
追記2:ATS-PあるいはATS-SWでも、地上施設を配置することで制限速度超過を制御することが可能であるとの報道があります。JR西日本でも、北陸線、山陽線、東海道線などの17箇所でATS-SWによるカーブの速度超過防止の対策がおこなわれていると指摘されています。技術的な問題は分からないのですが、ご存じの方のご教示をお願いします。

新型ATSの設置工事費 01年度から激減/JR西

 JR福知山線脱線事故の現場に設置されていなかった、列車の速度超過を防ぐ新型列車自動停止装置(ATS-P)について、JR西日本は設置工事費を2001年度から激減させていたことが29日までにわかりました。これが地上設備の整備遅れにつながり、事故現場で速度超過が防げなかった大きな要因になっているだけに、同社経営陣の安全軽視体質があらためて問われています。
 JR西日本によると、同社のATS-P工事費は1998年度に21億円でしたが、99年度には5億円減の16億円にダウン。01年度には2億円、02年度には3億円、03年度には1億円にまで激減。04年度は5億円でした。
 ATS工事費激減について村上恒美安全推進部長は29日の記者会見で、車上設備から地上設備の整備に移ったことを理由にあげました。ATS-Pは地上設備と車上設備の両方があってはじめて機能するもので、車上設備の整備が終わったからといって工事費を減らしたことで、地上設備の整備が遅れたことになります。
 JR西日本のATS-Pの整備率は7.7%(在来線にしめる区間)。転覆・脱線した快速電車(207系)には同装置が搭載されていましたが、地上設備(約28地点)が未整備でした。地上設備の整備を並行して一気に進めてきていればもっと整備率はあがっていました。
 垣内剛同社社長は、ATS-Pの福知山線への導入が遅れたことについて記者会見で「投資効果を考えて」と発言していました。

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4 Responses to “JR西日本はATS-Pの投資をケチっていた!”

  1. データの御提示、ありがとうございます。ATS-Pの工事費が減り始めた時期は、車両の新造が増えた時期に重なっていますね。

    しかし、他のマスメディアの分析と同様、「赤旗」も重大な点を1つ見落としています。それは、「ATSは列車を止めるものであり、速度を制御するものではない」ということです。いくら減速パターンを車上で演算して減速できるといえ、その減速パターンは「前方の信号現示に間に合わせる」もので、途中に速度制限区間が存在していたとしても、その制限速度は一切考慮されません。即ち、ATS-Pが導入されていたところで、前方の信号現示が「進行」であったなら速度照査は働かず、事故は防げなかったということです。あの時間、ダイヤと照らし合わせると信号は「進行」を現示していたはずです。

    メディアが設備面から安全向上を提言するなら、速度制限に対応させようとしてもATSではダメであり、もっと別の解決策を提示すべきなのですが、見事な知識不足です。全く、日本のメディアいう組織は…

  2. JR西207系脱線事故

     
    25日昼から、テレビでは尼崎で起きた207系電車脱線事故の件が多い。
     
    ATC(自動列車制御装置)が敷設されていない福知山線…

  3. 初めまして 管理人様。ATSについてはウィキペディアが詳しいですね。ただ、私からも一つ言えることですが、ATS?Pだろうと、旧型ATS?SWだろうと、速度照査用の地上子を設置すれば、事故はまず防げたでしょう。逆に考えて、いうところまで言ってしまうと、JR西日本は、地上子という比較的安価な(問題のカーブにつけると大体100万円ぐらいで済みます)ものをけちったために事故を起こしてものすごい損害を出してしまったのだと考えます。ただ、上の記述で、ATS?Pについて僅かながら否定的なご見解がございましたが、私はそうは思いません。どちらにしても、福知山線のような過密路線で、最高120キロまで列車が出すような線区は遅かれ早かれATS?Pが必要であり、今回のような事故が起こらなくても、いずれは大事故が起こったと考えます。そういうことからして考えれば、ATS?Pを全く採用していないJR東海は愚の骨頂であり、今度JRで大事故が起こればそれは東海のエリアで起こると思います。

  4. 管理人様、S.WATANABE様。
    ATS-Pは、カーブなどの速度制限にも対応しています。
    カーブの他に、分岐器速度、勾配速度、臨時速度制限に対応しています。
    もちろん信号が青であっても速度照査を行い、制限された速度以上は出せません。
    これらの機能はATSとしての本来の機能、つまり赤信号冒進防止の機能とは独立しているためこのような事が可能となります。
    実際、福知山線(JR宝塚線)に直通していたJR東西線(尼崎?京橋)では、100km/hを超す速度は直線であっても出せないようになていますし、カーブでは設定された速度を超す速度は出せません。
    しかし曲線速度、分岐器速度、勾配速度、臨時速度制限は、速度制限をする地点にATS-P地上子を配置していなければ作動しません。
    首都圏のJR線の多くにATS-Pが設置されていますが、これら4つの機能を目的として使用されているのは多くないと思われます。
    制限速度超過に対応していない、という情報はこのようなことから発生した「誤解」です。

    ところで、今までのATS(JR西日本ではATS-Sw)も重左様がおしゃった通り、速度照査用の地上子を設置さえすればこのような事故は起きなかったと思います。
    ちなみに、JR西日本は大阪環状線や東海道・山陽本線などでATS-Pを導入していると発表していますが、私の知っている限り、東海道・山陽本線ではATS-Swとの併用です。
    完全なATS-Pを導入したわけではありません。

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