朝日新聞の憲法世論調査

今朝の朝日新聞に、憲法問題の世論調査が掲載されています。

憲法「自衛隊規定を」7割、9条改正反対51%(朝日新聞)

憲法に自衛隊にかんする規定を盛り込むというと、すぐ9条改定だと思ってしまう僕のような人間には、ちょっと混乱させる結果ですが、詳しく見ていくと、いまの憲法問題に対する関心のあり方が見えてきます。

自衛隊問題では、憲法を改正するかしないかにかかわらず、自衛隊は今のままでよいというのが圧倒的多数だということ(「これまで解釈や運用で対応してきたので改正の必要はない」16%+憲法に明記するが「自衛隊は今のままでよい」58%=74%)。それにたいし、「憲法を改正して、普通の軍隊にする」というのは12%しかありません。

◆憲法第9条と自衛隊の関係について、あなたの考えに最も近いものは、次のうちどれですか(択一)

これまで政府の解釈や運用で対応してきたので、憲法改正の必要はない 6
自衛隊は今のままでよいが、憲法を改正して、その存在を明記する 58
自衛隊ではなく普通の軍隊とするために、憲法を改正すべきだ 12
自衛隊は意見の存在であり、段階的に縮小して将来は廃止すべきだ 7
その他・答えない 7

同様に、自衛隊の「海外の活動」についても、「日本の国益にとって必要なら、武力行使も認める」はたった15%。「一切すべきでない」+「国連平和維持活動まで」で53%と、やはり圧倒的多数は、武力行使を伴うような自衛隊の「海外活動」を望んでいません。

◆自衛隊の海外での活動は今後、どうすべきだと思いますか。(択一)

海外での活動は一切すべきでない 8
カンボジアのような、国連平和維持活動(PKO)まで認める 45
イラクのような、戦闘が続いている国での復興支援も認める 27
日本の国益にとって必要なら、武力行使も認める 15
その他・答えない 5

「集団的自衛権」について、「『行使認める』過半数」(「憲法は改正せず、政府の解釈を変えて使えるようにする」25%、「憲法を改正して使えるようにする」28%、計53%)となっています。しかし、これは設問によるところが大きいのではないでしょうか? 朝日の設問は、「日米安保条約や自衛隊の海外活動などをめぐって、集団的自衛権の問題が議論されています。集団的自衛権とは、同盟国やその軍隊が攻撃されたときに、日本が攻撃されていなくても、日本に対する攻撃と見なして一緒に戦う権利のことです。日本はこの権利を持っているが、憲法第9条により使うことができない、というのが政府の解釈です。あなたは、集団的自衛権についてどのように考えますか」となっています。こう説明されれば、「集団的自衛権もありかな」と思う人がたくさんいるかも知れません。
しかし、もしこの設問を「集団的自衛権を認めることで、アメリカのおこなう戦闘に自衛隊も参加すべきだという意見があります」とか、「日本が集団的自衛権の行使を認めないため、米軍の戦闘に自衛隊が直接参加することができないとして、憲法を改正して集団的自衛権の行使を認めるべきだという意見があります」としていたら、答えはまったく変わっていたのではないでしょうか。

東京新聞の世論調査では、「集団的自衛権」を行使できるようにすべきだと「思う」は「どちらかといえば」を含めて61%となっていますが、これは「9条を改正する必要があると答えた人」に占める割合のこと。「9条を改正する必要がある」と答えた人は48%なので、回答者全体のなかで、憲法を改正して集団的自衛権を行使できるようにすべきだという人は29%しかありません。

9条『改正』48%、『維持』33% 憲法改正69%反対20%(東京新聞)

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  1. 情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士 - trackback on 2005/05/05 at 20:33:42

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