アラ還のオッサンがマルクスの勉強やらコンサートの感想やらを書き込んでいます

「罪を憎んで…」は孔子の言葉に非ず

2005年5月31日 at 20:30:01

ノンポリさんから教えていただいたネタですが、コメント欄に埋もれさせるのはもったいないので、新しいエントリーを起こしました。

小泉首相の「罪を憎んで人を憎まず」発言について、中国文学者・漢詩研究で有名な一海知義先生(神戸大学名誉教授)が、今日の朝日新聞「私の視点」欄で、つぎのように指摘されています。

これ〔小泉首相の「『罪を憎んで人を憎まず』は中国の孔子の言葉だ」という発言〕 を聞いて驚いた。私は五十数年来、専門の対象として中国古典を読んできたが、孔子がこんなことを言っているとは知らなかったからである。少なくとも、信頼できる文献には見あたらない。


さらに、小泉首相が施政方針演説などでしばしば孟子や墨子を引くなど、中国古典好きなことを指摘したうえで、

しかし、おおむね「断章取義」的な引用法が多い。断章取義とは、原点の趣旨とは無関係に、ときには趣旨に反して、自分に都合のよい部分だけを抜き出して引用することである。これは中国では古来、軽蔑されてきた手法である。

と、厳しく指摘されています。「中国の古典文化に対する敬意」が欠けているのだとは、的を射た指摘です。

もちろん、一海先生はつぎのように指摘されるのを忘れてはおられません。

また、そもそも「罪を憎んで人を憎まず」は、加害者だった側が使うべき言葉なのか。首相発言は中国民衆の立場を無視している。目の前で日本兵に親を殺された体験を持つ人々に、 「罪を憎んで…」と説教しているのである。

まったく同感です。

Similar Articles:

Print This Post Print This Post

人気ブログランキングに参加しています。よかったらクリックしてください。

Trackback This Post

http://ratio.sakura.ne.jp/archives/2005/05/31203001/trackback/

Leave a Reply