災害を食い物にする者

ブッシュ政権高官の関連企業が、ハリケーン復興事業を次々に受注しているという話。

たとえば連邦緊急事態管理庁(FEMA)の前長官ジョセフ・オルボーがロビイストを務めるハリバートンの子会社ケロッグ・ブラウン・アンド・ルート(KBR)と、ショー・グループが、あわせて約2億3000万ドルの復興事業を受注した。ハリバートンは、チェイニー副大統領が1995?2000年にかけてCEOを務めていた企業でもあり、イラクの復興事業も受注している。

ハリバートンなど米政権関係企業、ハリケーン復興を受注(CNN.co.jp)

ハリバートンなど米政権関係企業、ハリケーン復興を受注
2005.09.11 Web posted at: 15:35 JST – CNN/REUTERS

 ワシントン――ロイター通信によると、ブッシュ政権高官との関係が強い企業が、ハリケーン「カトリーナ」被災地の復興関連事業を次々と受注していることが明らかになった。
 被災したメキシコ湾岸地域の復興事業の一部を、石油関連大手ハリバートンの子会社ケロッグ・ブラウン・アンド・ルート(KBR)と、ショー・グループが受注した。両社とも、2000年米大統領選挙のブッシュ陣営全国選挙対策委員長で連邦緊急事態管理庁(FEMA)の前長官、ジョセフ・オルボー氏がロビイストとして代理を務める企業。ハリバートンは、チェイニー副大統領が1995?2000年にかけて最高経営責任者(CEO)を務めていたことでも有名。
 ハリバートン子会社KBRは9日、ルイジアナとミシシッピー両州の海軍基地復旧事業を受注。事業規模は2980万ドルという。ハリバートン広報はロイター通信に対して、今回の復旧事業は海軍とKBRの間の包括的契約の一部で、ハリバートンがオルボー前FEMA長官をロビイストとして迎えた今年2月より前に締結されていたものだと説明している。
 オルボー氏がほかにロビイストとして代理するショー・グループ(本社・ルイジアナ州バトンルージュ)も8日、1億ドル相当の住宅建設事業をFEMAから受注したと発表。9日には、米陸軍工兵隊から1億ドル相当の契約を受注したと明らかにしている。
 同社広報はロイター通信に対して、オルボー氏が同社に「ビジネスについて全般的な助言を提供している」と説明する一方、同氏がハリケーン復興事業受注にどういう役割を果たしたかは明らかにしなかった。
 FEMAはさらに、サンフランシスコに拠点を置くベクテル・グループ参加のベクテル・ナショナルに、被災者の仮設住宅建設を発注した。ベクテルのライリー・ベクテル会長兼CEOは、ブッシュ大統領の輸出諮問委員会の委員。ベクテル・エネルギー・リソーセスのロス・コネリー元CEOは現在、政府機関・海外民間投資公社(OPIC)のCEOを務めている。

FEMA長官の召還をめぐる動きは、東京新聞の記事が詳しい。1999年のハリケーン「フロイド」のときのFEMAの対応については、NHKスペシャル「世紀を超えて」でも紹介されたそうです。

緊急事態局長を召還 米政権 ハリケーン対応批判受け(東京新聞)

緊急事態局長を召還 米政権 ハリケーン対応批判受け

 【ワシントン=小栗康之】ブッシュ米政権は9日、超大型ハリケーン「カトリーナ」対策で非難の集中している連邦緊急事態管理局(FEMA)のブラウン局長を現場指揮の責任者から外し、ワシントンに召還する方針を決めた。FEMAを所管する国土安全保障省のチャートフ長官が発表した。ブラウン氏に代わって、沿岸警備隊のタッド・アレン中将が現場指揮に当たる。
 ブラウン氏はもともと、競馬関係団体の理事で、災害対策の経験は乏しかったが、ブッシュ大統領の選挙対策責任者との太いパイプからFEMA局長の要職に就いたとされている。今回のハリケーン対策でFEMAの対応が遅れたことから「危機管理に不慣れ」などの批判が集まり、野党民主党や被害の大きかったルイジアナ州など南部湾岸州の地元からは解任を求める声が強まっていた。
 ただ、ブラウン氏はブッシュ大統領との関係が深く、ブッシュ政権としては局長職の解任は見送り、現場指揮から外すことで決着を図った。チャートフ長官は記者会見で「ブラウン局長はワシントンへ戻り、起こりえる他のハリケーンに対応する」などと説明した。[東京新聞 2005年9月10日夕刊]

ハリケーン復旧責任者交代(東京新聞)

ハリケーン復旧責任者交代

 【ワシントン=小栗康之】ブッシュ政権が9日、連邦緊急事態管理局(FEMA)のブラウン局長を超大型ハリケーン「カトリーナ」対策の指揮から外したのは、日増しに高まる対応遅れの批判を受けて、同局長を“スケープゴート”にしたとの見方が強い。
 自然災害に対応するFEMAは当初、どの省庁にも属さず、実質的に大統領直属の独立機関として発足。1999年の「フロイド」など大型ハリケーンの際には、上陸前から現地で避難を呼び掛けるなど迅速に対応。被害を最小限に食い止めて、「災害対応のモデル」と称賛された。
 しかし、2001年9月の米中枢同時テロ後、FEMAは、テロ対策強化のために新設した国土安全保障省の下に置かれ、閣僚級だった局長も次官級に格下げされた。相対的に地位が下がり、国土安全保障省はテロ対策に集中するあまり、FEMAの予算を削減したとされる。
 このため、FEMAを弱体化させたのは大統領自身との指摘があり、この組織では「緊急災害に対応できないのではないか」との懸念も強まっていた。
 加えて、ブラウン局長にも失点があった。被災現場を目の当たりにした際、「こんなことになっているとは知らなかった」と発言。住民の感情を逆なでし、「あんな愚か者は首にして、もっとましな愚か者をつれてこい」と非難された。
 同局長はもともと弁護士で、ブッシュ大統領の選挙資金集めの中心人物の友人。「災害対策の経験はほとんどない」(米USAトゥデー紙)という。
 ホワイトハウスの資料には、1970年代にオクラホマ州エドモンドで非常事態業務を監督していたとあるが、この経歴も詐称ではないかと報じられた。大統領もブラウン局長の鈍い対応に激怒したとされる。現場の“指揮官”を一新することで、批判をかわそうとしているとみられる。[東京新聞 2005年9月11日朝刊]

ちなみに、こういうニュースも流れています。ビル・ゲイツが仕組んだとは思いませんが、困った国であることは確か。

カトリーナの災害申請にはWindows版IEが必須?(ITmediaニュース)

カトリーナの災害申請にはWindows版IEが必須?
[IDG Japan 2005/09/08 16:47 更新]

 自然災害の被災者が政府に援助を申請する窓口であるFEMAがMicrosoftのIEにしか対応していないことに、Macユーザーが不満を表明した。(IDG)
 超大型ハリケーン「カトリーナ」の被災者が米連邦危機管理庁(FEMA)にオンラインで災害申請を行いたい場合には、自分のコンピュータでMicrosoft WindowsとInternet Explorer(IE)のバージョン6以降が稼働していることを確認した方がいい。FEMAのWebサイトによれば、災害申請にはIE 6が必要という。
 つまり、MacintoshやLinuxコンピュータを使っているユーザーは、オンラインでは被害届を提出できないということだ。ただし、FEMAに電話をすれば災害申請は行える。オンラインの文書には、次のように記載されている。「電話で連邦災害援助を申請したい場合の連絡先は1-800-621-FEMA(3362)です。視聴覚の不自由な方は、1-800-462-7585のテレタイプライタサービスをご利用ください。年中無休で毎日24時間受け付けています。現在、回線が非常に混み合っております。つながりやすい時間帯は午前2時?6時(東部夏時間)です」
 FEMAが非Windowsユーザーにこうした不自由を強いていることを受けて、Macユーザーのゲイリー・マリンズ氏は9月5日、MacInTouchのWebサイトに次のようなコメントを投稿している。
 「私の90歳の母は、ハリケーンが直撃したミシシッピ沿岸から約8マイル離れたミシシッピ州ダイヤモンドヘッドに住んでおり、カトリーナが過ぎ去るまで隣りの兄の家に避難していた。怪我は負わずに済んだが、家屋は大きな被害を受けた。母は財産の大半を失った。私は昨日、カリフォルニアの自宅に母を連れてきて、今朝、災害申請の手続きを進めようとFEMAのWebサイトにアクセスした」
 「ところが驚いたことに、FEMAで災害申請を行うにはMicrosoftのIE 6が必要ということだった。システムがIE 6にしか対応していない。私はこの件について政治的なことを言いたくはないが、Windowsユーザーしかオンラインでの手続きを行えないというのは、行政の重大なミスと言えるだろう。行政に対する意見は新聞の社説ページのために取っておくとしても、私はこの件をめぐる失望をぜひMacコミュニティーには伝えておきたかった。ほかのMacユーザーにも、自分たちの地域の政治家や新聞などのメディアに、こうした社会の少数派を軽んじる行政の姿勢を伝えてほしい」
 また別のMacInTouch読者であるトッド・デル・プリオーレ氏は次のように書いている。「FEMAのサイトを使うためには、JavaScriptを有効にして、IEのバージョン6を持っている必要がある。私は最新版のSafari、IE、Firefoxを試したが、どれもだめだった。南部のMacユーザーは天に助けてもうらうしかないということなのだろうか」
 Computerworld編集部のMacユーザーも、FEMAの登録サイトにアクセスしようとしたが、できなかった。
 FEMAの広報担当者はこうしたオンラインでの制限について尋ねられ、同局では問題を認識しており、IT部門に問題の解決を要請済みだと答えている。より詳細な情報を求めて、FEMAのIT部門にコンタクトを試みたが、本稿の掲載時までに連絡を取ることはできなかった。
 先月には、World Wide Web Consortium(W3C)が米著作権局に対し、一時的であれ、IEかNetscapeのブラウザを使ってでなければオンラインフォームを提出できなくすることになる提案をめぐり、異議を唱えている。

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