今週の「九条の会」(9月24日まで)

各地の「九条の会」の動きを、インターネットで流れている各地の新聞社のニュースからピックアップしました。

「まだ間に合う。憲法は死んでいない」 澤地久枝さんの講演報告(JANJAN)

 9月17日午後1時30分より西東京市民会館ホール(東京都西東京市)で、作家の澤地久枝さんを講師に迎え、「人としての原点?憲法九条と私の場合」と題し、講演会が開催されました。主催は西東京市高齢期問題連絡会。参加者は約270名。以下は講演の要旨です。

 澤地久枝さんは「九条の会」の呼びかけ人の一人で、日本全国を回り、憲法九条を守るための訴えを続けています。
 与党が圧勝した今回の選挙について澤地さんは「大変残念」と述べ、「日本の将来を決める大事な国政選挙であったにもかかわらず、無知蒙昧な、現在日本が置かれている状況を何も考えない人たちの一票によって自分たちの一生が決められることに、腸が煮えくり返る思い」と、選挙結果に対する強い不満を述べました。「だが、絶望したくない。戦争で死にたくないと思っていた人たち。明日も明後日も生きていたいと思っていた人たち。しかし、生きることのできなかった人たちのために、いま生きている者たちが未来づくりをしなければならない。次の世代、その次の世代に未来を渡してやりたい。アメリカの傭兵として軍隊のある国を未来に渡したくない。これまで一生懸命生きてきた人間として、死んでも死に切れない」と戦争体験者としての思いを語りました。
 幼少時、父の仕事の関係で満州に渡った澤地さんは、14歳のとき敗戦を迎え、日本に引き上げてきました。「大本営の発表を信じ、正しい戦争であると思っていた。しかし、戦争が終わったあと、軍隊は逃げ出した。軍隊がいかにあてにならないものであるか知った。8月15日を境にして国はなくなった。助けてくれたのは中国や朝鮮の人たちだった。彼らの主食のヒエを食べながら、戦争に負けたと思った」と当時を述懐し、「国家に任せておくと、とんでもない目に遭う。信用できない」と述べました。
 そして、戦後、占領軍による言論統制が敷かれていたことを踏まえながら、「日本は民主主義国家と言っているが、戦争中と変わらない方向にいくのではないか」と、自由にものが言えない現在の日本と言論統制の敷かれていた戦時中と時代の雰囲気が似ていることに警鐘を鳴らしました。
 また、ハリケーンの被害者が「ブッシュは嘘つきだ!」と叫んだことに触れながら、「政治家は嘘をついてはいけない」と政治家としてのブッシュの資質に疑問を投げかけました。ハリケーンの被害が拡大したのは、危険が予想されていたにもかかわらず、イラク戦争のために予算が取れず堤防の工事を放置していたことと、州兵がイラクに行っていなかったことが原因であると言われています。イラクに大量破壊兵器がなかったにも関わらず、イラクに戦争をしかけたブッシュを小泉はなぜ急いで支持したのか。小泉は聞かれるときちんと答えない。論理をすりかえる。言葉が貧しい人間は人生も哲学も貧しい。そのような人間が国のリーダーなのである。日本の未来を思うといたたまれない。「背中に火がついたような感じ」だと、澤地さんは現在の心境について述べました。
 澤地さんが「九条の会」の呼びかけ人になったのは、「いまの時代に生きる人間が次の世代の未来づくりをしなければならないという使命感」からであったと言います。「日本は世界の未来を先取りした憲法を持っている。これを変えることは愚かである」と語り、「冷戦終結後、唯一の超大国となったアメリカが世界の運命を決める。それを日本が変えていく原点として九条がある。その九条を守る運動を日本中に広めていくことが自分たちの務め」と「九条の会」が果たすべき役割について述べました。そして、「平和を願う人たちは、選挙のとき憲法改正に反対する候補者に投票してください」と呼びかけました。
 「政治は苦手」と語る澤地さんですが、「九条の会」の仲間たちとともに、声がかかれば日本中どこへでも講演に行き、九条を守ることの大切さを訴えているそうです。日本各地で講演をしながらいつも感じるのは、集った人たちの「このことに関しては一歩も譲れない。九条を守る」という強い思いだそうです。その思いに触れ、元気をもらって帰ってくると言います。
 このような運動をやっていると嫌がらせを受けることも多く、無言電話がかかってきたり、だれかが勝手に自分の名前を使ってその人を中傷するような手紙を送りつけたり……。選挙の後は、もっとひどくなってきたそうです。しかし、ここで引いたら負ける。テロの恐怖は一人がテロに遭うことで社会全体が後ろに下がることである。テロによってマスコミや社会全体がおびえている。選挙の前に小泉首相が「殺されてもいい」と言ったそうだが、相手を挑発し、テロの恐怖を煽るだけの軽率な発言だと批判しました。
 「九条の会」の運動は全国に広がって、今では全国津々浦々に2000以上の九条の会ができ、市民運動が広がっているそうです。「選挙で自公に3分の2以上の議席を与えてしまったため、これからはどんな悪法も通ってしまう。権力の暴走に歯止めをかけるためには、市民の輪を広げていくしかない」とさらに輪を広げることの重要性を訴えました。
 「これからは、21世紀の世界の在り方を先取りしたような人が政治を行うべきだ。憲法改正には衆参両院の3分の2以上の賛成が必要であるが、今回の選挙でそれが可能になった。だが、国民投票で国民の半分が賛成しないと成立しない」と述べ、「日本人は九条を守ることを選ぶと思う」と、九条に関しては国民の多くが改憲を望んでいないとの認識を示しました。
 ベトナム戦争やイラク戦争で息子を失くした母親が大統領に抗議をしたことに触れながら、「世界中の母親が、私はお前たちに人殺しをさせるために生んだのではないと言えば、戦争は起きない」と、悲劇を再び繰り返さないために母親である女性たちが自ら率先して声をあげてほしいと訴えました。
 最後に、「世界がもし100人の村だったら」という本の中にある「まずあなたが愛してください。あなた自身と人がこの村に生きてあるということを。もしたくさんのわたしたちがこの村を愛することを知ったなら、まだ間に合います。人びとを引き裂いている非道な力からこの村を救えます」という一節を紹介しながら、「まだ間に合う。憲法は死んでいない」と、九条を守る運動を広めることが戦争に突き進むいまの流れを食い止めることができる、と述べました。
 「この60年、自衛隊は1人の戦死者も出していない。まだ間に合う」
 「戦争の記憶が薄れていく中で、戦争を知っている世代が子どもたちや若者世代と話し合い、戦争というものがどういうものか話してほしい。この日本で戦争の記憶のない家族はいない。おじいちゃんやおばあちゃん、中間世代が次の世代に戦争の話をすることが残されたものたちの責任である。じっくりと忍耐強く語り伝えること。イラクのこと。将来のこと。日本の未来のこと。自分の頭で判断すること」
 「たとえ小さな声でもあげていこう。これは譲れないという一線は決して譲らない。人々のその思いが層を成して大きくなったとき、未来を決定することができる」と、互いに連帯を強め、市民のネットワークをつくって運動を広げていくことが大事であると訴えました。(ひらのゆきこ)
[JANJAN 2005/09/23]

横須賀九条の会 東大・小森教授講演 (朝日新聞)

 5月に発足した「横須賀市民九条の会」が20日、横須賀市深田台の市文化会館で学習会を開き、九条の会事務局長の小森陽一・東大教授(日本近代文学)が「子育てと平和」というテーマで講演した。自民圧勝に終わった総選挙の結果について小森教授は、気分、感情に訴え、論理的に考えないようにする手法が成功したと分析した。
 講演で小森教授は、心地よいキャッチコピーを調査してマスメディアで繰り返し流し、有権者の感情に訴える手法は「快か不快か」という消費者の感性に訴えて商品を売るマーケットリサーチに基づいている、と分析。
 こうした手法は「多くの人の感覚を、言語を獲得する前の0歳児のレベルに落とし、問題の本質をごまかしてしまう」と批判した。それを防ぐには、子どもが原因と結果の関係を理解する言語能力を身につけ始める2歳半ころから、親が子どもの発する「なぜ?」という問いを大切にすることが重要だと説明した。
 日本の現状については「9条さえ消えれば、戦争が可能な状況にある」とし、残るは「命を投げ捨てる人間」をつくるソフト面の必要性が教育基本法の改正などの動きにつながっていると指摘。「きちんと物事を判断できる子どもを育てる『母力』がこれからの平和を担う」と話した。
 同会は10月2日午後1時40分から、同市本町3丁目のヨコスカ・ベイサイド・ポケットで「小森陽一さんの憲法学習会」を開く。参加費は700円(高校生以下無料)。
(asahi.com 5005/9/21)

日常生活から平和を 周陽教会・小畑太作牧師(クリスチャン・トゥデイ)

 日本基督教団周陽教会(山口県周南市)の小畑太作牧師は、昨秋より憲法九条Tシャツとトレーナーを制作し、日常生活から平和を作り出すことを訴えている。
 制作するきっかけとなったのは、改憲の動きがある中、憲法の内容自体があまり知られていないのではと感じたとことという。それを日常的に目に付く形でとはじめたのが、トレーナーとTシャツ制作だった。服に文字が書かれていれば自然と人々の注目を引く。平和の問題は自分が選択していくことという小畑師は、他人に押し付けるのではなく、自ら読み、自ら考えるきっかけになればと話す。実際に、飲食店で後ろに座っていた人が服に書かれている文字を読み、話しかけられたこともあった。
 10年以上前から平和問題について意識するようになったという小畑師。特に、教団内の合同とらえなおし問題に触れていく中で、沖縄の抱えさせられている課題などを考え、大きな影響を受けたという。トレーナー制作以外にもさまざまな平和活動に取り組んでいる。
 今月には、地元の憲法9条の会立ち上げの発起人として、初会合を行った。今後も連絡係をつとめながら、呼びかけ人、賛同人を集っていく。教団西中国教区内では、今年5月の教区総会で設置が決まった基地問題特別委員会の協力委員をつとめる。山口県には米軍の岩国基地があり、基地問題は切実だ。今月23日に第一回目の基地問題セミナーを開催する。午前中には講演会を行い、午後にはフィールドワークとして実際に岩国基地周辺を見学する。また、日基教団・下松教会(山口県下松市)内にある下松キリスト者平和の会のメンバーとして、憲法記念日や信教自由の日などに集会を開催している。さらに、平和問題と共通の課題として、山口県障害者差別問題を考える集いに参加するなど、障害者差別問題にも取り組んでいる。
 教会は、集まっているとき、散らされているとき、それぞれの場で働きがあるのではという小畑師。散らされた教会として、職場や学校で一人ひとりが隣人と接する中、自らの行動や発言によって進むべき方向を示していくことが大事ではと話す。日常の小さな行いの中で示される一人ひとりの行いが平和活動につながるのではという。そのためにも、集まったときに新たな確認をしていくことが必要と話す小畑師。聖書のみ言葉を聞くと同時に、いまの現状をしるための学習会も必要ではと話す。
 今年は戦後60年。小畑師は、状況はますます悪くなっているのではと語る。それは、一人ひとりの日常が平和を選択できなくなっていることにあると話す。まずは自らの歩みを振り返り、自己批判的にとらえなおさなければならないのではという。イエス・キリストが示した平和とその示し方をもう一度考えることで、キリストの戦いを取り戻していきたいと話す。
 平和問題は、個人に決断を迫ることにもなる。そのため、そういった課題や問題は教会に持ち込まないということもできる。小畑師は、そのようなとき教会は閉ざされてしまうのではと話す。どのような人でも教会に迎えるといったとき、どのような課題に関しても教会は開かれているべきではと語る。平和問題で苦しんでいる人がいれば、まずはその人の話を聞くことで学び、さまざまな資料を使いながら学習を深め、そこから共に祈っていくこと、それが教会ができることではと話す。いろいろな考えを持った人がいる中で、先に結論を押し付けてしまうことはせず、各個人の自発的な行動から平和を選択していくことが大事と語る。
 トレーナーとTシャツのデザインは小畑師が行い、すべて手作りで制作される。そのため、多く制作できないが、これまで合わせて50枚ほど制作した。平和の課題は至急に取り組まなければならない重要なことだが、あせらずにゆとりを持ってかかわっていくべきと話す小畑師。その中で喜びも見出しながら、それを共有して活動していきたいと話した。(安原 力)
[クリスチャン・トゥデイ 2005-09-19 11:59]

憲法九条の会つくば、来月1日に発足 会員募集(中日新聞)

 憲法九条を守って日本と世界の平和実現を目指す「憲法九条の会つくば」が10月1日に、つくば国際会議場で設立のつどいを開き、発足する。
 憲法に関する勉強会や講演会を定期的に開催するほか、土浦や水海道などほかの地域の「九条の会」などとの連携、改憲に反対する署名活動に取り組む予定。
 昨年秋から設立の準備を始め、趣旨に賛同した市民ら232人が呼び掛け人になった。つくば市や近隣地域で会員を募っている。
 つどいは10月1日午後1時半開演。設立総会に続いてジャーナリスト斎藤貴男さんの講演、シンガー・ソングライター小室等さんの歌とトークがある。参加料は資料代込みで大人1000円、高校生以上500円。
 問い合わせは事務局の菱山さんへ。[中日新聞 2005年9月18日付]

「九条見沼の会」18日結成 大田尭氏が記念講演(埼玉新聞)

 「『九条の会』アピールに賛同する見沼の会(九条見沼の会)」の結成総会が、18日午後1時30分から同4時まで、見沼区の見沼グリーンセンター大ホールで開かれる。
 「九条の会」は、作家井上ひさしさんら著名人9氏が「全国九条の会」を結成して「憲法九条を守ろう」とアピール。これに賛同した市民らが、思想や信条を超え、全国各地で「九条の会」が結成されている。
 「九条見沼の会」の結成総会では、「わたしたちの教育基本法」(埼玉新聞社刊)の近著がある教育研究者の大田尭東京大学名誉教授が記念講演する。テーマは「基本的人権と平和」。
 憲法をテーマに歌う歌手、高橋光男さんによる「平和の歌」もある。参加自由。無料。
 問い合わせは、同会の小沢宏治さんへ。
[埼玉新聞 2005年9月17日]

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