「見えない日本の戦略」

立教大学の李鍾元(リー・ジョンウォン)教授が、「毎日新聞」10/29付の「視点」欄で、「『小泉外交』の総決算」を求めて、次のように指摘されています。

李教授は、小泉政権のもとで「日米首脳の蜜月」と言われてきたが、国連安保理常任理事国入りで日本の希望はかなわず、在日米軍基地の再編、牛肉の輸入再開問題など、「最近ぎくしゃくしている」と指摘。そして、このように問いかけています。

 この間、小泉政権は、イラク派兵をはじめ、「日米同盟」のため、少なからぬコストを払ってきた。にも拘わらず、イランや北朝鮮問題から国連安保理改革に至るまで、日本の利益が尊重されたとはいいがたい。なぜか。


ほんとにその通り。実際、「日米同盟だ」「日米同盟が大事だ」と言えば言うほど、日本の外交は行き詰まりばかり…。国連安保理常任理事国入りの失敗は、本来なら、内閣総辞職ものの大失態。北朝鮮の核問題解決のための六カ国協議では、中国と協力して、問題の平和的解決をはからなければならない位置にありながら、靖国問題その他で、首脳の相互訪問もできない状態が続いています。その合間に、ドイツやEUは、着々と中国への進出を強めています。
いったい誰がこの外交的行き詰まりに責任をとってくれるのか? 専門家でなくとも、腹の立つことばかりです。

それにたいする李教授の説明は、こうです。

第1に、「何よりも、日本自身が『日米同盟』を通して、何を目指すのか、その方向性と戦略性が不明確だ。『惰性による日米同盟の自己目的化』とでも言うべき現状だ」ということ。
第2に、「米軍再編など、昨今の日米同盟論議は『軍備』の側面だけが先行している。……対テロ戦争や中国脅威論など、いずれも軍事重視の米国の戦略に大きく影響されている。……軍事傾斜の日米関係では、非軍事国家としての知恵を蓄積してきた日本の出番は少なく、選択肢は自ずと限られる」という問題。
第3に、「まさにそれゆえに、日米同盟と東アジア外交が衝突するという、日本にとって、不幸な構図」が生まれているということ。日米関係と東アジア外交の「両立こそが日本の課題」であるにもかかわらず、「軍事への過度な傾斜」によって「日本外交の可能性」が「大きく制約」されているというのです。

日米同盟の「軍事」傾斜にこそ、問題あり! さも当たり前のように「中国や北朝鮮の問題があるから、日米同盟は当然だ」「9条を改憲して、軍隊を持てるように」と言う前に、そこんところ、よ〜〜〜く考えてみましょう。

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