ベネズエラ革命の息吹

今夜は、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(日本AALA)の「ベネズエラ革命と国際連帯」という講演会を聴いてきました。

講師は、駐日ベネズエラ大使のイシカワ・セイコウ氏。ご両親とも日本人で、御本人も外見はまるっきり日本人。といっても、講演はもちろんスペイン語でしたが。

まず驚いたのは、この大使が1972年生まれで、つい先日33歳になったばかりということ。なんという若さ! ベネズエラの大学卒業後、ハーバード大学の大学院でマーケティングなどを勉強し、マネージメントの会社に就職していたところを、2000年8月の大統領選挙でチャベス現大統領が60%の支持で再選されたあと、自らもベネズエラ革命に飛び込み、外交官となり、駐日経済・貿易参事官などを経て、今年8月から駐日大使になったという経歴。司会者の方が「革命をすすめている国ならではの息吹を感じる」と言われていましたが、まったくその通りです。

しかも、講演は理路整然。本講演1時間余、質疑応答50分という充実した内容で、ベネズエラで現在進みつつある社会変革の内容を、分かりやすく紹介してくださいました。とくに、チャベス政権が進めている社会政策の全体がよくわかりました。

「居住区に入ろう」計画
すべての住民に医療サービスを提供する計画。キューバとの協定にもとづき、1億5000万回の診察を行ない、733の診療所を建設、2400の診療所が建設中。現在は、「居住区に入ろう」計画2(今年6月スタートで、すでに290万回の診察を実施)が進行中。
奇跡計画
白内障の患者をキューバに送り治療する計画。すでに11万5000人が手術。現在は、これをさらにラテンアメリカ全体に広げようということで、パラグアイに医師70人を派遣しているという。
教育計画
教育分野では3つの計画が進行中

  1. ロビンソン計画(2003年7月スタート。150万人の文盲一掃の計画。キューバで開発された教育システムを活用)
  2. リバース計画(中等教育を、途中で受けられなくなった人を対象とした教育計画。国民2400万人のうちの500万人を対象に、2年間で終了させる予定)
  3. スクレ計画(経済的理由で大学へ行けない人たちの大学進学を支援する計画。同時に、各地域に大学をつくっていく)
社会生産的計画(サモーラ計画)
食糧増産の計画、各地域の内発的発展を図る。
メルカル計画
食料品・日用必需品を中心に、市価の3分の2で販売する。すでに1480万人が恩恵に。これは特定の貧困層などを対象とした施策ではなく、誰もが市価より安く買える。政府が流通に介入することで、流通段階での中間搾取をなくして実現。
「見つめ直そう」計画
これまで社会の枠外に置かれていた人々を協同組合に組織化し、社会統合を進める。農業が中心に、すでに6809協同組合、26万人を組織。

質疑応答の中で、大使は、ベネズエラ経済について、簡単にこう紹介されていました。すなわち、輸出の80%を石油が占め、その収入が政府財政の55%を占める、と。

この潤沢な資金をつかって、上に紹介したような社会政策を進めているわけですが、なぜ、同じことが、以前の政権にできなかったか? その理由を大使は、「人口の5%の人たちが富の80%を占めていた。その人たちがアメリカの支持を受けて、政治を支配していた」と説明。70年代に石油企業の国有化が進められ、石油公社がつくられたが、幹部などはアメリカ企業のときのまま。この状態が30年続いた、等々。

チャベス政権について、「ポピュリズムだ」「左翼政権だ」という見方、批判もあるが、我々は、「より公正な社会をつくる」というつもりでやっていると、最後に力強く語っておられました。

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  1. かわうそ実記 - trackback on 2006/04/11 at 01:45:00

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