いただきました 佐々木潤之介『民衆史を学ぶということ』

佐々木潤之介『民衆史を学ぶということ』

一昨年亡くなられた佐々木潤之介先生の論文集『民衆史を学ぶということ』をいただきました。このなかに収められたいくつかの論文を探すのをお手伝いしただけなのですが、ありがとうございます。m(_’_)m

このなかの第4部「現代の歴史学」の中に収められている論文の1つは、私が先生に講演をお願いにあがったものです。もともとのテーマは、史的唯物論の立場から歴史を学ぶ意義を学生に話してもらうというもので、企画準備の過程で先生の名前があがったときは、正直、“ちょっと不向きじゃないのかなあ”と思いました。当日も、史的唯物論とは何かといった話は少しも出ませんでしたが、しかし、いま読み返してみると、歴史を研究するということと、歴史認識、歴史観をつくりあげるということとの“緊張関係”を、まだ教養課程の学生に、どう分かりやすく、しかも歴史観、歴史認識という、“生き方”にもかかわっていく問題を“感じとってもらう”か、細部まで配慮の行き届いた講演だったことがよく分かります。ちょっとでも、“先生には不向きではないか”などと思った自分の浅はかさが恥じられてなりません。

また、喫茶店で事前の打ち合わせをしたとき、待っている間に僕が寝こけてしまい、目を覚ますと先生が少し離れた席でずっと待っておられた、などという大失態をやらかしたことを思い出します。レジュメをいただきに久しぶりに先生のご自宅にうかがったとき、「少し疲れたので横になっていた」といって出てこられましたが、ひょっとすると、あのころからすでに体調を悪くされていたのかも知れません。講演の中では、「自由主義史観」を掲げる藤岡某なる人物の転落のきっかけについて、わざわざ拙論を紹介していただき、驚き恐縮し、顔がかっと熱くなったことも忘れられません。

本書をつらつら眺めてみて、あらためて、先生がどれほどたくさんの文献や史料を読みこなしておられたか、ということを痛感します。考えてみれば、当たり前のことなのですが…。我が身を振り返って、本当に自分がそれだけ関連する文献、資料を読み込むことに執念をもって取り組んでいるか、無駄なことに時間を浪費してないか、つくづく反省させられるばかりです。

【書誌情報】
著者:佐々木潤之介/書名:民衆史を学ぶということ/出版社:吉川弘文館/出版年:2006年4月/定価:本体2300円+税/ISBN4-642-07957-2

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