新たな矛盾

自民党が、企業・団体献金の外資規制(外資50%以上の企業による政治献金禁止)を緩和する政治資金規正法改正案を議員立法で提出。

政治献金の外資規制緩和、自民党が法改正案(朝日新聞)

政治献金の外資規制緩和、自民党が法改正案
[asahi.com 2006年05月10日18時35分]

 企業・団体献金の外資規制を緩和する政治資金規正法改正案が、今国会に自民党から議員立法で提出された。経済のグローバル化に伴い、外資比率が過半に高まった有力企業が「外資」扱いされ、献金できなくなる例が増えている。この制限を緩めるのが改正案の狙いだ。だが、法案が成立しても企業側には「外国人投資家に献金理由をどう説明すべきか」という問題が残る。日本の政治献金がこれまで以上に海外の目にさらされるのは間違いない。(永田稔)

 現行法は外資50%超の企業による政治献金を禁じている。日本の政治や選挙が外国の組織、政府の影響を受けることを防ぐのが目的。違反には3年以下の禁固か50万円以下の罰金が科される。改正案は日本の法人で国内の証券取引所に上場していれば、外資50%超でも献金を認める内容。
 大和総研の調べでは、東証1部上場で外資50%超は05年末時点で23社。ソニーも3月末で50.1%になり、献金できなくなった。同社は日本経団連副会長会社で、04年度の献金は3千万円。
 経団連に次期会長を出すキヤノンは04年に50%を超え、献金をやめている。ただし、05年も子会社4社が計1千万円を献金している。御手洗冨士夫会長兼社長は「献金は社会貢献として必要」との立場で、法改正後は献金を復活しそうだ。
 仏ルノー傘下の日産自動車は3月末で66.8%。50%超えは00年で、献金も中止した。日産は「対応は法改正後に考える」(広報部)という。
 新しい会社法では、07年5月に解禁される「三角合併」で外国企業による日本企業の買収が容易になる。規正法改正案をまとめた自民党の山本拓衆院議員は「いつ外資傘下になり、献金が違法になるか分からない状態を解消したい」という。
 企業・団体献金は90年の約748億円から減り続け、04年は約158億円。法改正は減少に歯止めをかけるため、との見方もある。これに対し、山本議員は「増えるかどうかは企業の判断次第。必ず増えるとは限らない」と反論する。
 昨年11月、外資規制にかかるキヤノンの御手洗会長兼社長が次期経団連会長に内定。直後から経団連による自民・民主両党への法改正の働きかけが目立つようになった。自民党も法改正の検討に入った。経団連は「あくまで献金ルールを合理的にするだけ。規制緩和で劇的に献金が増えるとはみていない」(社会本部)という。
 実際、「外資」扱いが解けた企業が献金するとは限らない。外資6割超のオリックスは、法改正後も献金しない方針だ。藤木保彦社長は「そもそも企業が献金で政治を動かし、利益誘導するのがおかしい。個人献金が筋だ」と話す。
 株主への説明責任の問題もある。国際経営者協会の岩崎哲夫代表理事は「外国人株主が増えると、なぜその政党に献金し、どんな便益があったのか、説明を求められるだろう」とみる。説明できなければ、株主代表訴訟の恐れもあるという。
 民主党次の内閣総務相の渡辺周衆院議員は、外国勢力による政策決定への影響について「献金する企業に対して外国の個人や法人がどんな影響力を持つのか、見極めが難しい」と指摘、簡単に制限を緩和するのは問題だという立場だ。

直接には、次期経団連会長となる御手洗会長のキヤノンが外資50%を超えているため、いまのままではキヤノンは政治献金できません。経団連として企業に献金を斡旋するのに、当の会長企業が献金できないのではうまくない、それで外資規制を緩和しようというのです。

しかし、「朝日新聞」の記事が書いているとおり、株主にたいして、なぜその政党に献金するのか、その理由を説明する必要が生じますが、はたして、それが海外の株主に通用するかどうか。特定の見返りが期待できるから献金するんだとしたら、明らかに贈収賄。しかし、何の見返りも求めないとしたら、株主に配当すべき利益を勝手に支出した訳だから背任に問われることになります。(アメリカでは、献金はあくまで個人がやるもので、企業献金は禁止)。ということで、この新しい矛盾をどうするつもりなんでしょうかねぇ。

やっぱり、企業・団体献金は禁止するのが一番。自民党に献金したければ、ぜひ社長さん方はご自分のポケットマネーでどうぞ。

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