政治家の「口利き」

防衛施設庁では、国会議員の「口利き」が発覚。防衛施設庁は、汚職のために廃止される方向で話が進んでいるので、いまは“叩き時”ということ。しかし、「防衛施設庁が腐敗しているので、廃止する代わりに、防衛庁を防衛省にします」というのはやめてもらいたいものです。

他方で、信用保証会社が税務調査を受けている最中に、自民党国会議員らと会食し、税務調査について相談した上で、800万円渡していたことが明らかに。「調査を止めてくれという依頼はなかった」といっても、それは「魚心あれば水心」でしょ。これだけ露骨なことをやっても、犯罪にならないとは…。

仙台防衛施設局、国会議員ら14人「口利き」 文書残す(朝日新聞)
口利き日常的 防衛施設庁「むげにできず」(朝日新聞)

信用保証大手の前会長、国税調査中に800万円献金(読売新聞)

仙台防衛施設局、国会議員ら14人「口利き」 文書残す
[asahi.com 2006年07月03日07時51分]

 防衛施設庁の発注工事や用地買収をめぐって、仙台防衛施設局元幹部が在職中、国会議員やその秘書らから受けた「口利き」を文書に記録していたことがわかった。朝日新聞社が入手した文書には、防衛庁長官を務めた現職国会議員など14人の実名が記載されている。うち2議員側が防衛庁側への働きかけを認めた。施設局元幹部は、文書のほか、議員から建設業者の入札指名を催促された経緯などを業務日誌に書き残していた。
 防衛施設庁の発注工事をめぐっては、東京地検の捜査で、官製談合の実態が暴かれたばかり。施設庁主導の談合が長年続いた背景には、今回発覚した防衛族議員らの口利きの多さがあったとされる。官製談合の一面が、この文書や業務日誌で裏づけられた形だ。
 朝日新聞社が入手した文書は「斡旋(あっせん)利得議員等リスト」と題され、パソコンに入力されたデータをA4判の紙に印刷したもの。99年4月?00年6月に、東北6県を管轄する仙台防衛施設局側が受けた口利きの内容がまとめられていた。
 文書には、口利きした当時の役職として(1)国会議員9人(衆院7人、参院2人)、元議員1人(2)防衛庁幹部、OB計3人(3)宮城県議1人、の計14人の氏名が記載されていた。国会議員のうち7人は、防衛庁長官など同庁の要職経験者だった。実際には議員秘書が口利きした例も含まれているという。
 14人のうち9人は工事発注絡みの口利きで、仙台、盛岡各市など業者の所在地や、土木、建築など工事の種別が記載されている。工事契約に至った例は「契○」、入札での指名は「指○」と記されており、9件中8件に「○」がついていた。
 ほかの5人は用地買収絡みで、議員側が買い取りを希望した、飛行場周辺の土地面積や所有者名が記載されていた。防衛施設庁は取材に対し、いずれの土地も買い取ったことを認めている。
 文書の冒頭には、00年3月2日などに元防衛庁長官から工事の口利きを受けたと書かれている。施設局元幹部はそのやりとりの詳細を同日付の業務日誌に記していた。
 日誌では「山形の建設業者の口添えをしているのに動きが悪いとクレームが施設局に入った。99年度に1回指名したが、落札していない」とし、施設庁幹部が元長官側に説明に行くことになったと記述している。
 施設局元幹部は、口利き文書を作成した理由について「00年7月ごろ、議員などから口利きの結果について説明を求められた場合に備えて、施設局建設部に工事発注の件で、同施設部に用地買収の件で報告させた」と証言。その内容は、自宅のパソコンに保管していたという。
 防衛施設庁の広報調査室は、文書の記載内容や経緯について「担当課で調査中」としている。

口利き日常的 防衛施設庁「むげにできず」
[asahi.com 2006年07月03日07時51分]

 防衛施設庁発注の工事や用地買収で、国会議員や秘書、防衛庁OBらの「口利き」が頻繁に行われていた実態が、仙台防衛施設局の元幹部が残した記録で明るみに出た。一部の地域にとどまらず、各地の施設局幹部らが日常的に口利きへの対応を迫られていたと証言する。工事業者側も「大切な工事は議員にお願いしていた」と話し、謝礼を支払ったこともあったという。
 防衛施設庁は、全国に11カ所の施設局・支局を配置している。
 ある施設局元幹部は在任中、1日に10社前後の業者の訪問を受けることが普通だったという。業者には天下りした防衛庁や施設庁のOBや、議員秘書らが同行し、「口添えをしてくることが多かった」と話す。
 福岡防衛施設局の元幹部によると、部下のもとに議員からの働きかけが相次ぎ、「大物議員の場合は報告させていた」という。
 防衛庁出身のある元国会議員は、ゼネコンなどの知り合いを施設庁幹部に紹介し、「しかるべく話を聞いて指導してやってくれ」と伝えたと自らの体験を語った。
 元議員は「紹介しただけ」と言うが、施設庁側の受け止め方は違う。施設庁側は、「予算や人事を握られているので、国会議員はむげにできない」と明かし、応対は重要な仕事だったという。
 大手設計会社の元幹部は、施設庁の工事受注について、元防衛庁長官の衆院議員の秘書の名前をあげ、「結構お世話になっていて、大切な時は動いてもらっている」と証言した。
 地元の施設局や東京・市谷の施設庁に何度も足を運び、幹部に面談する営業活動を続けた。だが、どうしても取りたい工事などでは議員秘書に口利きを依頼し、謝礼金を払ったという。「本気でお願いする時は、100万円や200万円ではきかない。だが、それだけ払っても、うまみはある」
 また、都内の中堅ゼネコン幹部は、九州地方に勤務していた約4年前、「議員秘書から、施工能力が低い下請け業者を使うよう要求された」と語る。議員秘書は様々な形で、工事利権に食い込んでいた。

信用保証大手の前会長、国税調査中に800万円献金
[2006年7月3日3時4分 読売新聞]

 信用保証大手「全国保証」(東京都千代田区)が2005年秋に東京国税局の税務調査を受けた際、同社の浅川忠俊前会長(54)(6月28日付で取締役)が、自民党副幹事長の田中和徳・衆院議員(57)(神奈川10区)と杉山信雄・神奈川県議(48)に会食の席で税務調査について相談し、現金で計800万円を渡していたことが分かった。
 複数の同社関係者は、「会食と献金は税務調査を止めてもらうためだった」と話している。両議員は、「税務調査を止めてくれとの依頼はなかった」としている。
 全国保証は1日、同国税局から05年3月期の約1億2600万円について所得隠しと指摘され、重加算税を含め法人税など約6000万円を追徴課税(更正処分)された。
 関係者によると、浅川前会長は05年11月24日、東京・銀座の料亭で、自分の地元・神奈川県が地盤の田中副幹事長、杉山県議と会食。その席で、田中副幹事長に現金500万円、杉山県議に同300万円を封筒に入れて手渡した。800万円は、全国保証とグループの貸金会社などから捻出(ねんしゅつ)させていた。会食の費用約26万円も、全国保証が負担していた。
 同年10月初めに全国保証に税務調査が入り、浅川前会長は献金前、周囲に「国税がうるさいから政治家に頼む」と話していたという。
 田中副幹事長、杉山県議は、自分が代表を務める自民党支部の政治資金収支報告書に、寄付者を全国保証などとして献金を記載している。05年中の全国保証グループからの献金は、会食の席で受けた分を含め、田中副幹事長側が計840万円(04年120万円)、杉山県議側が計540万円(同計112万円)で、04年を大きく上回っている。
 読売新聞の取材に、浅川前会長は「税務調査を受けた経緯が異例だったことを相談した。愚痴をこぼしただけで、何か頼んだわけではない」などと説明。一方、田中副幹事長は「国税当局への口利きを依頼されたことはないし、そんな力はない。献金は、(05年9月衆院選の)当選祝いだと理解している」とし、杉山県議は「税務調査の話は出たが、何か頼まれたことはない。献金額はちょっと多いと思った」と話している。

【魚心あれば水心】
(魚に心あれば、水にもそれに応ずる心があるの意。もと「魚、心あれば、水、心あり」の形だったもの)相手が好意を持てば、こちらもそれに応ずる用意があることにいう。(岩波書店『広辞苑』CD-ROM版)

もちろん、この場合の「好意」は現金ですが…。

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