S席での聴き方を忘れてしまった…(^_^;)

都響スペシャル

18日、朝からの鬱陶しい雨の中、サントリーホールで、都響スペシャル 大野和士×都響 “火の鳥”を聴いてきました。プログラムは

モーツァルト:交響曲第31番 ニ長調「パリ」 K.297(300a)
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 op.77
《休憩》
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(1910年全曲版)

指揮は大野和士さん、ヴァイオリンのソロは庄司紗矢香さん。

今回は、庄司紗矢香さんを近くで見ようと、1階8列という席をとったのですが、ここんところ、ず――ーっと2階のRDとかばかりで聴いていたので、演奏が始まったとたん、バイオリンの弓が弦をこする音や指揮者の息づかいまで聞こえてきて、すっかり面食らってしまいました。(^_^;)

1曲目は、舞台の左手後ろにコントラバスを並べる対抗配置での演奏。大野氏は、指揮台も置かず、指揮棒も持たず、もちろん暗譜で振っておられました。モーツァルトが旅先のパリで大当たりをとったという曲にふさわしく、演奏は、軽やか、伸びやか。リラックスして楽しめるのはやっぱりモーツァルトならではです。

2曲目は、うってかわって、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番。ジダーノフ批判の真っ最中に作曲され、初演まで7年を要したという曰く付きの曲。最近、東響×川久保賜紀、新日本×渡辺玲子、それにこの日と、立て続けに聴く機会がありましたが、庄司紗矢香さんの演奏は、野生味あふれた力強い演奏で、作品の深い内面性や緊張感がひしひしと伝わってきます。

以前、広上淳一氏が、プログラム全部がショスタコーヴィチだと客が帰ってしまうと言ったことがありましたが、同じショスタコーヴィチの作品の中でも、とくにこのヴァイオリン協奏曲第1番は、大勢の聴衆を前にした演奏にはつくづく向いてないなと思いながら聴いていました。絶対に重い、重すぎる…。(^_^;)

そんな重たい曲を、ぐわしぐわしと弾き奏でてゆく庄司紗矢香さんは、もはや“紗矢香ちゃん”などと呼べないような堂々の演奏! 重厚な演奏から、「時代を映すような緊迫した悲劇的な曲調、沈鬱な表情と深い内面性、その中に交じる諧謔的なアイロニーなど、ショスタコーヴィチらしい特質」(寺西基之氏の「曲目解題」より)がひしひしと伝わってくるようです。

うってかわって後半は、ストラヴィンスキーの「火の鳥」。同じ野性味のある曲でも、こっちは生命の躍動感にあふれた作品。前半のヴァイオリン協奏曲で、お客さんはいささかお疲れ気味なところがありましたが、演奏そのものは、バレエのシーンが目の前に浮かぶようで、楽しめました。演奏終了後、大野氏はまっさきに第一ホルンを立たせて、お客さんも大きな拍手を送っていましたが、個人的には、ホルンにはもう少し頑張ってほしかったな、というのが率直な感想。それに対して、木管は大健闘でした。

何はともあれ、久しぶりのS席で、音楽を堪能した一日でした。

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