レバノン封鎖解除、イスラエルは拒否

停戦が成立して一段落したようなレバノン情勢ですが、イスラエル軍はまだレバノン封鎖を解除せず、レバノン国内から撤退もしていません。また、イスラエル軍は、停戦直前にクラスター爆弾を大量に投下したことで批判が起こっています。

イスラエルがレバノン南部に集束爆弾、不発10万発(読売新聞)
国連総長のレバノン封鎖解除要請、イスラエルが拒否(読売新聞)
アナン氏、「ほとんどの停戦違反はイスラエル軍側」(朝日新聞)

イスラエルがレバノン南部に集束爆弾、不発10万発
[2006年8月31日14時14分 読売新聞]

 【ニューヨーク支局】AP通信によると、国連のヤン・エグランド人道問題調整事務所長(国連事務次長)は30日、イスラエル軍が今月14日のレバノン紛争停戦発効前の3日間に、レバノン南部に集中的にクラスター(集束)爆弾を使用したとして、「まったく不道徳だ」と非難した。
 レバノン南部ではクラスター爆弾の不発弾による被害が深刻化しており、31日にストックホルムで開催されるレバノン復興支援国会合でも対策が議題になるとみられる。
 国連地雷対策調整センターがレバノン南部でクラスター爆弾が使用された379か所を調査したところ、約10万発の不発弾が見つかった。約25万人に上るレバノンの避難民は、不発弾を恐れて自宅に帰還できない状況が続いており、支援物資搬入の阻害要因にもなっているという。
 エグランド事務次長は「毎日、不発弾が原因となって人々が死傷している」と指摘した。事務次長はさらに、クラスター爆弾を提供している米国などに対しても、イスラエルと対策を協議するよう求めた。

国連総長のレバノン封鎖解除要請、イスラエルが拒否
[2006年8月30日23時58分 読売新聞]

 【エルサレム=三井美奈】中東歴訪中のアナン国連事務総長は30日、イスラエルのオルメルト首相とエルサレムの首相公邸で会談し、同国軍がレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの停戦後も継続しているレバノン空域・海上の封鎖を即時解除するよう求めた。
 だが、首相は否定的な立場を示したほか、国連が求める「イスラエル軍早期撤退」も拒否する姿勢を見せ、アナン事務総長の仲介外交は、早くもつまずきを見せた。
 28日のレバノン訪問から歴訪を始めたアナン事務総長にとって、イスラエルから「軍早期撤退」と「空域・海上封鎖解除」を引き出すのは、仲介外交の最大の責務。首相との会談ではこの2点が集中的に話し合われたが、イスラエル側は、「国連レバノン暫定軍(UNIFIL)がシリアからヒズボラへの武器密輸を阻むため、レバノンのシリア国境地帯や国際空港に展開するのが封鎖解除の条件」と譲らなかった。
 また、イスラエル軍のレバノン撤退についても、アナン事務総長が「数日か数週間以内にUNIFILを5000人に倍増する」として、早期撤退を促したのに対し、オルメルト首相は、「安保理決議が履行されれば実施する」とだけ述べて「撤退」の言質を与えず、駐留長期化にも含みを持たせた。
 両者の対立の背景には、「和平」についての考え方の違いがある。イスラエル側はUNIFILに「ヒズボラの武装解除、武器密輸阻止」を厳密に求めるのに対し、1万5000人の増強部隊を集める必要がある国連は、部隊が激しい衝突に巻き込まれるような事態を避けたいのが本音だ。
 ただ、アナン事務総長は、イスラエル訪問中に同国軍のレバノン撤退や封鎖解除に道筋をつけた上で、ヒズボラの支援国イラン、シリアを訪れて両国にヒズボラの武装解除に向けた協力を求める方針だった。だが、イスラエル側から何の譲歩も引き出せなかったことで、シリア、イラン訪問でも成果を期待することは難しくなった。
 事務総長の中東歴訪は、イラク戦争とその後の復興で国連がほとんど役割を果たしていないことの反省から、改めて中東地域で「国連外交」を発揮したい狙いがあったが、イスラエル訪問でその難しさを早くも露呈することになった。事務総長はイスラエル訪問に続いて、パレスチナ自治区やヨルダン、エジプト、イラン、シリアも訪問する予定。

アナン氏、「ほとんどの停戦違反はイスラエル軍側」
[asahi.com 2006年08月30日10時13分]

 中東訪問中のアナン国連事務総長は29日、レバノンからイスラエルに移動し、ペレツ国防相と会談した。アナン氏は会談後の共同記者会見で「(14日の停戦発効以来)ほとんどの停戦違反はイスラエル軍によるものだ」と述べた。レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラが独自のウェブサイトで主張しているイスラエル軍の空爆や戦闘機の領空侵犯などについて、国連も同様の見方をしていることを示した。
 また、アナン氏はレバノン南部への国連拡充部隊の展開について、フランスやイタリアの増派が順調に進んでいるとし、「すでに配備されている2500人の部隊を比較的速やかに5000人にまで増やし、イスラエル軍が撤退できることを期待している」と述べた。
 これに対し、ペレツ国防相は「それなりの規模の国連部隊がそろえば、撤退できる」と語ったが、具体的にどれだけの人数を想定しているかは明らかにしなかった。AFP通信は、国防相が「まだ数カ月は駐留する」と述べたと報じた。
 このほか、アナン氏は30日に予定されているオルメルト首相との会談で、イスラエル軍がレバノンの海陸の封鎖を解除するよう求めることを改めて強調した。イスラエルは、イランからの武器がヒズボラに渡ることを警戒しており、国連拡充部隊が海陸も監視できる態勢が整えられなければ、封鎖を解除できないとの立場を示している。

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