靖国神社と遊就館、米議会公聴会で厳しい批判

14日開かれた米下院外交委員会の公聴会で、靖国神社と遊就館の展示について、厳しい批判が相次いで出されました。
「朝日新聞」やTBSのニュースが指摘しているように、もちろん靖国批判一色という訳ではありませんが、「東京新聞」が指摘するように、「公式の場で」の首相の靖国参拝と遊就館展示にたいする批判は初めて。

米下院委員長、「遊就館」の展示内容見直し求める(読売新聞)

米下院委員長、「遊就館」の展示内容見直し求める
(2006年9月15日12時14分 読売新聞)

【ワシントン=五十嵐文】米下院国際関係委員会のヘンリー・ハイド委員長(共和党)は14日、日本と中韓両国など近隣諸国の関係に関する公聴会で、靖国神社に併設されている展示施設「遊就館」について、「ここで教えられている歴史は事実に基づいておらず、訂正されるべきだ」と述べ、展示内容の見直しを求めた。
 遊就館をめぐっては、旧日本軍の行為を正当化しているといった批判が日本国内でも出ているが、米議会有力者が公式に歴史観の見直しを求めるのは異例。
 ハイド委員長は「西洋の帝国主義からアジア、太平洋の人々を解放するために日本が戦争を始めたと若い世代に教えているのは困ったことだ。日本の植民地支配を受けた人々は、誰も日本を解放者とは見なしていない」と述べた。
 このほか、公聴会では、トム・ラントス議員(民主党)が日本の首相による靖国神社参拝について、「北東アジアの緊張を引き起こし、米国の安全保障上の利益を傷つけている」として、参拝中止を求めた。

「ナチス幹部追悼に匹敵」米議会で靖国批判
[朝日新聞 2006年9月15日夕刊]

 【ワシントン=小村田義之】米下院の外交委員会は14日、日本と中国、韓国など近隣諸国との関係に関して公聴会を開き、戦争体験を持つ長老議員らが、A級戦犯を合祀した靖国神社を日本の首相が参拝するのは「モラルの崩壊だ」などと相次いで苦言を呈した。靖国批判は米議会全体の声ではないが、太平洋で日本と戦ったハイド外交委員長(82)=共和党=ら「戦争世代」の議員には批判的な意見が根強い。
 ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の生存者のラントス議員(78)=民主党=は「A級戦犯が合祀された靖国神社への(日本の首相の)参拝は、ドイツのヒムラー(ナチスの親衛隊長官)やヘス(ナチス副総統)、げーリング(同元帥)の墓に花輪を手向けるのに等しい」と反発。日本の次期首相へのメッセージとして「戦犯に敬意を払うのはモラルの崩壊であり、日本のような偉大な国家にはふさわしくない」と語った。ハイド氏は、同神社にある戦争博物館「遊就館」について「日本がアジアを西欧の帝国主義支配から解放したと若者に教えている。戦争を経験した世代として困惑している」と指摘。「この博物館で教えられている歴史は事実に基づかない。修正されるべきだ」と求めた。
 今期限りで引退するハイド氏は昨秋、小泉首相の靖国参拝について懸念を示す書簡を加藤良三駐米大使に送った。
 一方、戦後世代の議員からは「独裁政権の中国は日米間にくさびを打ち、我々が過去に注目することを望んでいる」との意見も出た。公聴会で証言した知日派のグリーン前米国家安全保障会議(NSC)上級アジア部長は、道委員会に提出した書面で「日本が歴史を忘れ、戦前のような好戦性に回帰しているという議論は全く的はずれだ」と指摘した。

「遊就館の説明、訂正を」 米下院外交委員長
[東京新聞 2006年9月15日夕刊]

 【ワシントン=小栗康之】米外交委員会のハイド委員長(共和党)は十四日の公聴会で、小泉純一郎首相の靖国神社参拝に関連し、同神社の歴史施設「遊就館」の第二次世界大戦に関する説明は事実ではないと批判し、訂正するよう求めた。米国の大物議員が公式の場で遊就館を批判するのは初めて。
 ハイド委員長は「われわれのような(戦争経験)世代にとって、遊就館が第二次世界大戦はアジアや太平洋地域の人々を西側の帝国主義から解放するためだったと教えていることは、悩ましいことだ」と批判。「遊就館で教えている歴史は事実に基づいておらず、訂正されるべきだ」と強調した。
 ……民主党のラントス議員も公聴会で、小泉首相の靖国神社参拝を批判。次期首相に対し参拝中止を求めた。

首相の靖国参拝、米下院公聴会で賛否
[TBS News-i 2006年9月15日10:35]
 アメリカ議会の下院外交委員会は14日、日本のアジア外交についての公聴会を開催し、小泉総理の靖国神社参拝について賛否両論の意見が出されました。
 「次の日本の首相への私のメッセージはとても簡単です。戦犯に敬意を表すことは道徳的破たんであり、日本のような偉大な国にふさわしくない。この慣行は終わらせなければなりません」(民主党 ラントス下院議員)
 ラントス議員はこのように述べ、小泉総理の靖国神社参拝を批判した上で、次期首相の参拝中止を求めました。
 「中国は独裁国家であり、過去に目を向けさせて、米国と日本との間にくさびを打ち込みたいのです」(共和党 ローバッカー下院議員)
 一方、ローバッカー議員はこのように述べ、反中国の立場から小泉総理の靖国神社参拝を問題にすべきでないとの意見を示しました。
 また、共和党のハイド委員長は靖国神社の展示施設、遊就館に触れ、「太平洋戦争は、日本がアジアを西洋の帝国主義から解放する戦いだったと説明してあることに当惑している」と述べました。

遊就館展示「修正を」/米下院公聴会 靖国問題を議論
[毎日新聞 2006年9月15日夕刊]

 【ワシントン及川正也】米下院外交委員会のハイド委員長(共和党)は14日、日本と近隣諸国に関する公聴会で、靖国神社にある戦史展示施設「遊就館」について「事実に基づかない歴史が教えられており、修正されるべきだ」と述べ、展示内容の変更を求めた。
 また、民主党のラントス筆頭委員は小泉純一郎首相の靖国神社参拝を「日本の歴史に関する健忘症の最もひどい例だ」と指摘し、「次期首相はこのしきたりをやめなければならない」と参拝中止を求めた。米国内には首相の靖国参拝による日中関係悪化を懸念する声があり、米外交に影響力を持つ両議員の発言は日米間に波紋を広げそうだ。
 ハイド委員長は「遊就館が第二次大戦は日本による西側帝国主義からの解放だと若い世代に教えていることに困惑する」と批判。ラントス議員は「A級戦犯が祭られている靖国神社への参拝はドイツで(ナチス幹部の)ヒムラーらの墓に献花するのと同じ。韓国や中国の怒りをあえて招くことをする限り、日本が国際社会で重要な役割を演じるのは難しい」と述べた。

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  1. 壊れる前に… - trackback on 2006/09/16 at 10:30:32

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