植村邦彦『マルクスのアクチュアリティ』

植村邦彦『マルクスのアクチュアリティ』

植村邦彦氏の新著『マルクスのアクチュアリティ――マルクスを再読する意味』(新泉社、10月刊)を読み終える。2日ほど、通勤の行き帰りの電車の中で読んだが、とくにひっかかるところもなく、軽く読めてしまったというのが率直な感想。

「21世紀にマルクスを再読する意味」を強調されているが、結局、マルクスについていろんな人がいろいろ論じたことを「再読」「再論」されているだけのように思われる。著者が、話を哲学・思想に限定して、マルクスの思想の中核をなすはずの『資本論』を「再読」の対象にしていないということもあるが、本当の意味でマルクスに向き合って、マルクスを読み直すというのであれば、やっぱりマルクスの著作そのものを読まなければならない。しかし、本書では、そうしたことになっていないというのが一番大きい問題だと思う。

まあ、世間で、どんなふうにマルクスが読まれているのか、ということを知るには便利ではあるが、それ以上のものを期待するような本ではない。以前、僕の「最近買った本」のリストにあった本を買って、「あーでもないが、こーでもないといった、壮大な与太話を読まされている気がした」と苦情を言われたことがあるので、念のため。(^_^;)

【書誌情報】著者:村井邦彦/書名:マルクスのアクチュアリティ マルクスを再読する意味/出版社:新泉社/出版年:2006年10月/定価:2500円+税/ISBN4-7877-0609-8

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