必修科目の未履修問題

高校の必修科目の未履修問題。NHKの調査では41都道府県386校に広がっていますが、残り6県だって、ちゃんと調査すればきっと出てくるに違いありません。だいたいこの手の単位の付け替えは、私立高では、昔からよく聞く話でした(公立高校にここまで蔓延したのは、最近のことのようですが)。だから最初にニュースを聞いたとき思ったのは、なんでいまさら…ということ。

そうなると、最初に高岡南高校で、なんでこの問題が表沙汰になったのか。そのあたりが一番気になるのですが。

未履修 41都道府県386校(NHKニュース)
高岡南高で必修の世界史授業せず(KNB NEWS)←これが最初のニュースらしい。

新聞などを見ていると、「いまから補修をやるのはかわいそう」「生徒に負担をかける訳にはいかない」など、同情的な意見が多いようです。しかし、必修科目を未履修の生徒は、受験に関係ない授業を受けないのに単位は認定される、という“利益”を得ているわけで、必修科目を補習したからと言って、特別に不利益を押しつけられる訳ではありません。その意味で、「不公平を生じてはならない」という文科相のコメントは正しいと思います。

しかし、今年の高校3年生に補習授業を受けさせたところで、去年までの、必修科目未履修のまま卒業した生徒との「不公平」は残るわけで、現役高校生には補習授業を求めながら、卒業生については「影響がないように」というのは首尾一貫しません。だからといって、過去に遡って卒業認定を取り消せば、当然、大学入学資格も学卒の経歴も取り消されることになり、影響甚大。だから、過去に遡及させることには、まず絶対ならないだろうと思います。

それなら、今年の3年生にたいしても、あんまり厳密に対処しなくてもいいと思います。我ながら、無原則だとは思うのですが…。

「受験に合わせて、履修科目を減らすのはおかしい」という議論も正しいと思います。しかしそれなら、なぜ世界史が必修で、日本史が選択なのか、と考えだすと、文科相の言っていることもあまり根拠が定かでなかったりします。

で、結論としてどうしたらよいか。やっぱり、高校生までに、どういうことを習っておく必要があるのか、その根本から議論し直すしかないと思うのですが、どうでしょうか。

未履修 41都道府県386校
[NHKニュース 10月27日 21時49分]

 世界史などの必修科目を教えていなかった高校はさらに増えて、41都道府県、高校全体の7%にあたる386校に上り、補習が必要な生徒の数は延べ7万6000人を超えることがNHKの調査でわかりました。
 NHKが各地の放送局を通じて調べたところ、必修の科目を教えていなかった高校は、大阪府や兵庫県などでさらに増えて41都道府県の386校に上りました。これは、全国の公立と私立の高校5200校余りのうち7%を占めています。また、補習などが必要な生徒は現段階で少なくとも延べ7万6901人に上っています。文部科学省は、都道府県教育委員会を通じて必修科目の履修状況をまとめていて、この結果を踏まえて再発防止策や補習を受ける生徒に極力負担がかからない対応策などについて検討することにしています。

文科相、未履修に救済措置否定「不公平生じてはならぬ」
[Sankei Web 10/27 15:22]

 高校での必修科目の未履修問題で、伊吹文明文部科学相は27日の閣議後会見で「卒業証書を渡すまでに、決められた時間の授業はするよう、(全国の教育委員会に)通知する」と述べ、現3年生の卒業に特別の救済措置を取るのは困難との考えを示した。
 伊吹文科相は「未履修だった生徒に責任はないが、学習指導要領に従った授業を受けた生徒との不公平が生じてはならない」と指摘。「極端な負担があってはいけないが、3月末までに、集中的に授業すれば(履修は)可能。卒業式の日程などは調整すればいい」と述べた。
 また、未履修のまま既に卒業した生徒の扱いについては「悩ましいが慎重に詰める。影響が出ないようにしないといけない」と、取り消しなどには否定的な立場を明らかにし、「教育の基本的な狙いと、大学に入る目先のことを混同している。自分の学校を良く見せたいから隠すのはいじめの問題と同じだ。責任は教育委員会にある」と述べた。
(以下略)

高岡南高で必修の世界史授業せず
[北日本放送 2006 年 10 月 24 日 11:53 現在]

 高岡市の高岡南高校で昨年度、必修科目である世界史を選択科目にした結果、このままでは現在の3年生全員が必修単位が足りず、卒業できなくなることがわかりました。
 学習指導要領によりますと高校の地理歴史教科は、世界史、日本史、地理の各ABに分かれていて、このうち世界史のA、Bいずれかと日本史と地理のいずれかの授業を必ず受けなければならないことになっています。
 しかし高岡南高校では「大学受験に必要な科目しか勉強したくない」という声が上がったため、昨年度、当時の2年生に対しカリキュラム上は世界史の授業を盛り込みながら実際には、生徒197人のうち165人が世界史の授業を受けませんでした。
 また世界史を受けた生徒も日本史か地理のいずれか1科目が必修なのにも関わらず授業時間のすべてを世界史にあてていました。
 このため、現在3年生となっている生徒197人全員が卒業に必要な必修単位を満たしておらず、卒業できない恐れがあります。
 高岡南高校では、24日篠田伸雅校長が県教育委員会を訪れて事実関係を説明し、今後の対応を協議しました。
 また学校では授業終了後、全校集会などを開いて生徒に説明した後記者会見を開く予定ですが、必修単位が足りなくなるという事態に高校側が気づかなかったことが問題となっています。

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