「退職」のイメージ あなたは肯定的、それとも否定的?

昨日の産経新聞に、こんな記事が載っていました。「退職」という言葉から連想されるイメージについて、肯定的イメージと否定的イメージのどちらを連想するかを調べた調査です。

その結果はというと、欧米やオーストラリアでは、肯定的なイメージを連想する割合は7?8割、否定的なイメージを連想する割合は高くても2割台。ところが、日本は、否定的イメージの割合が3割を超え、逆に肯定的イメージの割合は5割しかありません。

ところが、退職後も仕事を続ける「意欲」では、日本はトップ。要するに、老後の生活不安・経済不安が大きいということです。

以前、日本共産党の不破哲三議長(当時)が、「ヨーロッパでは、定年退職して年金生活に入るというと“楽しみだ”というのに、日本では不安がる。これがそもそもおかしい」と指摘したことがありますが、まさにそれを裏づける結果だと思いました。

「退職」という言葉から連想されるイメージ
(単位:%、上段は「就労者」、下段は「退職者」)

肯定的イメージ 否定的イメージ
日本 51 31
52 35
ドイツ 72 25
68 18
ベルギー 77 33
71 30
米国 66 16
71 10
英国 73 26
82 22
スペイン 64 26
36 39
オーストラリア 78 20
78 14
フランス 85 23
78 21
シンガポール 77 26
71 21
香港 48 23
34 27
中国 76 30
66 33

調査をしたのは、フランス系大手保険グループ「アクサ」。調査実施時期は2007年1月。日本や欧米など世界11カ国・地域の就労者(25?54歳)と退職者(55?75歳)各300人に「退職後の生活」について電話インタビュー。記事からは「肯定的イメージ」でどんな言葉をあげたのかは分かりませんが、「否定的イメージ」の例としては「家計の財政難」「病気」「退屈」などがあげられています。また、国によっては、合計が100%を超えるところがあるので、両方を回答した人がいた可能性もあります。

データは「産経新聞」2007年2月11日付から。

※追記

産経新聞のサイト「イザ!」に記事全文が出ていました。

「労働から解放」「不安先行」退職後のイメージに国際差
[イザ! 2007/02/12 01:00]

 退職後の活動に消極的で、準備を始める年齢も最も遅い…。外資系企業による国際比較調査から、こんな日本人像が浮き彫りになった。年金制度への不安も根強く、「退職」を肯定的にとらえる人もアメリカやフランスなどに比べてかなり少ない。「リタイア後」の考え方に表れるお国柄を探った。(海老沢類)

仕事一筋の後に

 東京・西五反田にある「家計の見直し相談センター」。ファイナンシャルプランナーの藤川太さんのもとには、年間約600人が家計相談に訪れる。2割近くが退職を控えた50代の会社員たちだ。藤川さんは、退職後の相談に訪れた人に対してまず、「今後、何をしたいか」を書類に記入してもらう。しかし、具体的な回答を目にする機会は少ない。
 「これまで仕事一筋だったから、時間がたっぷりあっても使い方がわからない。半分近くの人が何も書かない真っ白の状態で返してくる」
 家計相談は1回につき2?3時間。アドバイスをしても一向に思い浮かばない人も多い。
 「40歳や50歳というのは会社の上司を見て大体想像がつく。しかし、退職後の60歳となると、ただ『暇そうだ』というだけで、具体的なイメージが想像できない」と藤川さんは話す。

年金問題背景に

 フランス系大手保険グループのアクサは先月、日本や欧米など世界11カ国・地域の就労者(25?54歳)と退職者(55?75歳)各300人に「退職後の生活」について電話インタビューした結果を発表した。調査からは「日本人が退職後の活動に対して消極的であることがみてとれる」(同社)という。
 旅行、ボランティア、スポーツ、勉強、家族の世話、社交…など17項目の中から、退職後にやりたい活動を挙げてもらったところ、日本人は就労者、退職者ともに選んだ活動の平均数が最も少なかった。「何もしない」と答えた退職者は18%で、スペインに次いで多い。退職後に向けて何らかの準備をしていると回答した就労者の割合はわずか16%。退職者が実際に準備を始めた年齢も55歳と、最も遅かった。
 「退職」という言葉から「家計の財政難」「病気」「退屈」などといった否定的なイメージを連想する退職者の割合も、フランスやオーストラリアが20%台、アメリカが10%台にとどまっているのに対し、日本人は35%にも達している。
 一方で、退職後も仕事を続ける意欲は旺盛なようだ。理想の退職年齢は退職者、就労者ともに日本人が11カ国・地域で最も高い。「日本人は働き続けることが前提で、退職後の準備は後回しという傾向がある。年金制度への不安なども重なり、リタイア後には明るいイメージを描けないようだ」と、アクサジャパンホールディング広報部の岩田肇次長は分析する。
 藤川さんは「退職を『労働からの解放』ととらえる国々もあれば、『勤労は美徳』ととらえる日本のような国もある。宗教的・文化的な違いも影響しているのでは」と分析している。

『団塊フリーター計画』(NHK出版)などの著書があるライター、島内晴美さんの話「セカンドライフ(第二の人生)という言葉が退職後へのイメージを固定化させている。『一つの人生が終わり、また新たに作り出さなければいけない』と考えるため、退職後は妙に自信なさげな人と、張り切りすぎる人に二極化されているように思える。退職後に“社会デビュー”するには、同窓会に顔を出すなどして、自然体で少しずつ会社以外のネットワークを広げていくのがいいのではないか」

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