あくまで参考として 林健太郎『ドイツ革命史』

林健太郎『ドイツ革命史 1848・49年』(山川出版社)

1848?49年のドイツ革命について、通史的に読める本というのを探してみたのですが、これが意外にありません。良知先生の本もあるけれど、革命の経過についてとりあえずつかむ、というには不向き。

ということで、林健太郎『ドイツ革命 1948・49年』を読んでみました。

林健太郎氏といえば、東大教授から最後は自民党の国会議員をつとめた人。学問的立場についても、本人自身が「私自身も戦後の初期には強くマルクス主義の影響を受けていた」が、その後「その立場から離れた」と明記しています。だから、この本の中で林氏が、革命の中でおこるさまざまな事件や人物・政権に与えている評価は、まったくあてにする訳にはゆきません。実際、読んでいても、自由主義者が穏健な立憲君主制でやろうとしてたのに、左派が過激なことをやって、ぶち壊したと言わんばかりの叙述が目立ちます。

しかし、そのことをわきまえて読めば、比較的コンパクトにベルリンおよびウィーンを中心としたドイツ革命の経過やフランクフルト国民議会やベルリン国民議会の動きを追うことができます。カンプハウゼンがケルン出身で、「ライン新聞」の創刊(1842年)に参加していた、なんていうことも初めて知りました。

【書誌情報】著者:林健太郎/書名:ドイツ革命史 1848・49年/出版社:山川出版社/出版年:1990年/定価:3000円(税込み)/ISBN4-634-64100-3

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