今週の「九条の会」(5月16日まで)

全国各地の「九条の会」の活動を、インターネットのなかのニュースから拾い集めました。

平和憲法生かそう―高松で護憲団体が講演会
[四国新聞 2007/05/04 09:46]

 施行から60周年を迎えた節目の憲法記念日の3日、社民党県連や共産党県委員会、市民団体などでつくる「平和憲法を生かす県民の会」は香川県高松市番町の県社会福祉総合センターで記念講演会を開催。改憲論議が活発化する中、「平和憲法を社会に生かし、9条を守ろう」とするアピールを採択し、改憲に反対していく方針を確認した。
 会員ら約300人が参加。大阪女学院大の奥本京子准教授が「憲法9条を生きる・平和の創り方」と題して講演した。
 奥本准教授は「力のごり押しで改憲に向かおうとする現状は、戦争に突き進んだかつての日本に重なる」と指摘した上で、「普段から思考を停止せず、立ち止まって考えること。批判精神と寛容な心を持ち、対話で他者を理解し、共感から協力へ向かうステップこそが重要」などと平和について持論を述べた。
 最後に、「平和憲法が掲げる平和と民主主義の原則を社会に生かし、憲法が生きる21世紀を実現させよう」などとしたアピールを満場一致で採択した。講演会の後、参加者は「生かそう憲法!守ろう9条!」などと記した横断幕やのぼりを手に、幹線道路沿いや商店街を行進するピースウォークを行った。

憲法施行60年:市民団体が護憲訴え チラシ配布、署名集め――JR鳥取駅前/鳥取
[5月4日13時1分配信 毎日新聞]

 憲法施行60年を迎えた3日、鳥取市のJR鳥取駅前では、市民団体が護憲を訴えて活動した。
 昨年7月に結成された鳥取市「9条の会」(上田務代表)は、約30人がチラシを配り、賛同人の署名を集めた。憲法9条の賛否については、通行人に用意したボードにシールでの投票を呼びかけ「9条を変えて海外で戦争する国に」が1票、「戦争はしない。軍隊は持たない。9条を守る」が57票との結果が出た。
 上田代表(79)は「今の自由を守るには9条を守らないと。改憲で兵役の義務が課される可能性がある。そうなると、言論思想など何もかもが拘束、抑止されていく」と危機感を募らせた。
 共産党や県労連など17団体と個人で作る「県革新懇」(田原勇事務局長)は「9条は世界に誇れる憲法の条文。体制の流れに逆らわないと」と改憲反対を強く主張。
 鳥取市の無職、田中利子さん(67)は「戦争中は空襲警報におびえ、防空ごうに逃げ込んでいた。孫には苦しく悲しい思いをさせたくない」と話し、孫の清美ちゃん(6)=市立醇風小1年=は「戦争は死んでしまうかもしれないから怖い。日本も外国も全部優しいといい」と平和を願った。【小島健志】

長崎で「憲法さるく」、九条の会呼びかけ30人参加
[読売新聞 2007/05/05]

 憲法9条を守ろうと呼び掛けている「長崎中央地区九条の会」(川副忠子さんら代表世話人3人)は4日、憲法記念日(3日)に合わせて、長崎のまちを歩きながら、平和について考える「憲法さるく」を開いた。
 約30人が参加。雨が降るなか、長崎歴史文化協会の越中哲也理事長の案内で、桜馬場や夫婦川町周辺を約2時間かけて歩いた。
 夫婦川町の春徳寺では、上野宗修住職(77)が寺の歴史を解説。寺が、1569年(永禄12年)に長崎で初めて建てられたトードス・オス・サントス教会跡地に建てられていることや、爆心地から約3キロに位置しているため、原爆で建物が全壊したことなどを説明した。
 長崎市かき道の保育士前原祐子さん(52)は、上野住職の話が印象に残ったと言い、「歴史のあるものが簡単に壊れてしまうということを思い知らされた。のんびりと街を散策できること自体が、平和の証しなんだと、かみしめることができた」と話していた。

世界の胸に9条を 「条文Tシャツ」海外へ2000枚
[asahi.com 2007年05月07日17時33分]

 西南学院大の非常勤講師くずめよしさん=福岡県大牟田市=が、憲法9条の条文をプリントした「九条Tシャツ」を海外に広めている。60年以上も戦争をしないで済んだ日本の現状を知ってもらい、9条の意義を世界に根づかせたい。そんな思いで、「種まきプロジェクト」と名付けた。
 Tシャツの前面に日本語、背中側に英語で条文が書かれている。業者に製作を頼み、半袖は12色、長袖は9色そろえた。海外に住む人や来日した外国人と知り合いになると、プレゼントしている。
 きっかけは、作家の大江健三郎さんらが04年に結成した「九条の会」のアピールだった。改憲を阻むため「一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めること」いう呼びかけに、多くの人が着るTシャツがひらめいた。
 05年7月、キリスト教徒が集まる会合に出席するため英国へ出向いた際、100枚ほど持っていくと、あっという間になくなった。9条の内容と、その誓い通りに戦争をしていないことに感動する人が多かった。日本に帰ったら送ってほしいと渡された名刺は約500枚にもなった。
 これまでに約2000枚を贈り、うち国外向けが1300枚以上。「本当に武力を放棄して、これまで戦争をしていないのか」(フィリピン人)▽「これからも9条を守ってほしい」(韓国人)▽「9条を持ち続けてきた日本人を尊敬する」(米国人)といった反応が返ってきた。
 大学で中国語を教えるくずめさんは80年代に中国に留学。9条のことを説明すると、中国人の反日感情が鎮まるのを目の当たりにし、その力に気づいた。「まだまだ世界に知られていない9条を、目につきやすいTシャツという形で広めたい」
 この活動にカンパし、希望すればTシャツをもらえる。問い合わせは、くずめさんへ。

淡路九条の会高遠菜穂子さんを招いてイラク報告会を開催
[JanJan 2007/05/09]

 5月4日、洲本市文化体育館しばえもん座で、淡路九条の会(野村純弘代表)主催による、憲法施行60周年記念、イラク支援ボランティア高遠菜穂子(37歳)イラク報告会が開かれた。
 昨年10月29日発足した淡路九条の会2回目のこの講演会には約300名の参加者があり、一般の新聞やテレビには出ない、過酷な状況にあるイラクを支援している高遠さんの報告に驚きをもって耳を傾けた。
 これまでJanJanでもさまざまな市民記者が高遠さんの講演を記事にされているので重なる点があると思われるが、日本国憲法施行60周年を機に、非暴力を信条としてイラク支援活動をする高遠さんの最新の声を改めて伝えたい。
 講演は前半ではイラクの現状を、図表と映像を交えて分かりやすく説明した。高遠さんの友人である元イラク軍兵士カーシム・トゥルキ(31歳)さんが撮影した劣化ウラン弾や白リン弾で殺されたと思われる生々しい遺体や、イラク政府の治安機関によるスンニ派住民の拷問死体の映像は参加者に衝撃を与えた。これらの出来事はイラク国内のメディアはまったく報道しないので、南部サマワなどイラクの他地区の住民は米軍や現イラク政府が何をやっているのかまったく知らないという。

誰もが責任を取れない

 高遠さんはイラクが他の周辺イスラム諸国に比べて宗教色の薄い国だと言った。 今ではイスラム教スンニ派とシーア派が「仁義なき戦い」で殺し合いをしていると見られているこの国が、イラク戦争前までは家族や親族のなかでも宗派が違うことはよくあることで、結婚もイスラム教徒とキリスト教徒が普通にしていたし、そのことによって人々の生活はまったく支障がなかったと強調した。
 ところが米軍が侵攻してから、国境がなきものになり、周辺諸国からアルカイダ系の反米武装勢力や、過激なイスラム原理主義者などが入ってくるようになり、米軍の掃討作戦で一般住民が犠牲になるたび、米軍に復讐を誓う人びとが彼らにリクルートされていった。
 二次にわたるファルージャ攻撃(沖縄からも海兵隊が行った)では、多くの住民が虐殺され、遺族が次々とレジスタンスに加わり、米軍に反攻をする。それが米軍の掃討作戦を招きますます犠牲者を生むという悪循環が繰り返されている。
 当初は外国人武装勢力と地元レジスタンスは協力関係にあったが現在は決裂し完全に敵対関係になっている。その理由はいわゆる自爆テロと呼ばれる市民を巻き込んだテロ行為である。地元のレジスタンスは地元住民を犠牲にするこのようなやり方をまったく容認していない。
 2005年1月のイラク初めての国民議会選挙ではスンニ派地区住民は空爆などで米軍に邪魔をされて投票ができなかった。その影響で圧倒的多数でシーア派が権力を握ると政府の治安機関をシーア派が乗っ取り、スンニ派住民に対して無差別テロをやりだした。米軍もそれを放置してきたため宗派の対立は深まり、現在でも毎日何百人ものスンニ派住民が殺され続けているという。
 現在治安面でイラクの地域を3つに分けると、北部クルド人地区は復興も進み治安も回復しているが、バクダッド西部のイスラム教スンニ派住民が多く住む地区は戦争状態が続いており、バクダッドや南部のシーア派地区も「スンニ派狩り」をやるシーア派民兵が猛威を振るっているという。
 現在のイラクの対立の状況は一言で言い表せない複雑な様相で、米軍も含めて誰もが責任を取れない混迷した状態になっているという。
 後半では日本のNGOのイラク支援について説明、2006年の日本のイラク支援をするNGOや個人の合計支援金額 は2億3,500万円で2007年には3億円に達するだろうという。これらの多くは医療支援に使われている。
 現在高遠さんはイラクに入れないので、ヨルダンのアンマンでイラク人現地スタッフと打ち合わせをして米軍に破壊されたファルージャの再建支援を行っている。主に学校再建や診療所再建を目指して、日本で講演会をして得たカンパをもとに奮闘しているという。

日本人は「平和の民」か

 最後に質疑応答があり、参加者からの――米軍の後方支援を自衛隊が続けているが、そのことに対するイラクでの反応はどうか、イラクの人たちは日本のことをどう思っているのか――との質問に、高遠さんは2003年から2004年にかけてイラクに滞在したときは、イラクは子供から大人まで親日家が多く欧米人に反感を持っても日本人だけがウェルカムだった。
 第2次大戦で広島・長崎に原爆を落とされ日本が大きなダメージを受けたことは、イラクだけでなく中東に行けば誰でも知っている。それにもかかわらず戦後60年の平和な歩みでトヨタ、ニッサン、ソニーなどに代表される経済発展を成し遂げた日本を賞賛する人は多い。もう一つ付け加えると日本の平和憲法もよく知られた存在で、日本は軍隊を持たないで戦後発展してきてすばらしいと尊敬されている。「日本人は軍隊を持たない平和の民だ」という人はこちらがびっくりするほどいる。
 日本に対する考え方は地域によってさまざまで、サマワは米軍がいないので住民はアメリカがイラク西部のスンニ派住民地区でひどいことをやっているのを知らない。自衛隊の活動がサマワで歓迎されたのは事実だが、それは「サマワは東京のようになるんだ!」といったような経済大国日本にかける過大な期待感だった。
 サマワに自衛隊が来たとき、住民は大フィーバーしたが、なんで平和の国日本に軍隊があるのだ?とびっくりした人も多かった。イラク人は今、平和の国日本(憲法九条)のイメージと、迷彩服を着て米軍に協力する自衛隊の実情があまりに落差があるので戸惑い混乱している。
 実際何年間も米軍に包囲され殺され続けているイラク人は、自衛隊が米軍の後方支援をしていることに怒っている。それで自分たちのイラク支援も、日本政府からの支援だと断られることが多いので、日本の名前を隠したり、民間からの援助だと言い訳したり大変だ。
 イラク人スタッフと打ち合わせをするアンマンでも日本人と会っているとスパイとみなされるので目立たない場所を使っているという。
 またもう一人の参加者からの――過酷な状況に生きるイラクの若者と、彼らを知る高遠さんは、日本の若者に何を伝えたいか――との質問に対しては、先月来日した現地イラク側ボランティア・スタッフのカーシム・トゥルキさんと一緒に各地でイラク支援を訴える講演会をしたことを紹介。そこでカーシムさんは友人や従兄弟が殺されたことや自分も米軍に逮捕され、命がけで活動をしていることを話したが、その時日本の若者が「思っていた以上イラクに関心をよせ、分からないなりにも、一生懸命知ろうとしてくれていることに嬉しく思った」と言っていたという。そして日ごろ自分は無力感を感じている若者とよく接するし、自分も無力感にさいなまれ落ち込んでしまうことも多いが、そんなときはこう考えるという。
 「一人では人間微力だが、無力感を持っている人間も大勢集まればすごいエネルギーを出し、行動すれば前向きな力になると」

イラク報告会で感じたこと

 高遠さんは非暴力にこだわってイラク支援をしているが、イラク人スタッフ、カーシムさんは高遠さんと初めて出会ったとき、そんな理想主義は暴力が支配するイラクでは通じないと思った。しかし微力な理想主義でも高遠さんが手がけたストリートチルドレンに対する援助は着実に成果をあげカーシムさんは変わった。
 世界最大の米軍の軍事力をもってしてもイラクの暴力は止まらない。その米軍と一緒に戦争ができる国になることを、九条改憲を目論む日本人は覚悟しているのだろうか。イラクの現実を直視すると、自衛隊の米軍に対する後方支援はイラクの人々を傷つけている。日本には平和憲法がよく似合う。 (郷一成)

懸念と期待、影響注視 投票法案参院特別委で可決
[琉球新報 5/12 11:17]

 11日の参院憲法調査特別委員会で可決された国民投票法案に対し、規制の対象となる教育、マスコミ関係者や平和行進の参加者からは「国民を軽視している」「知る権利と報道の自由が侵害される」と影響を懸念する声が上がった。一方で「これをきっかけに憲法に対する議論を深めるべきだ」と歓迎する声もあった。
 県内の大学関係者で結成する「大学人9条の会沖縄」の高良鉄美代表(53)は「ほとんどの国民が法案の内容を理解していないはず。説明不十分なままの採決は主権者である国民を軽視している」と指摘。同法案では教員が地位を利用して勧誘活動を行うことが禁止され、大学で憲法について講義することに悪影響が出るのではないかと懸念されている。高良代表は「もし国民投票が行われるなら学内でも自由な議論があるべきだ」と規制に反対した。
 県マスコミ労働組合協議会の石川聡議長(45)は法案で報道や広告の規制が設けられていることに関し「メディアをコントロールしようという意図が読み取れる。知る権利と報道の自由を守っていかなければならない」と危機感を募らせた。
 5・15平和行進の参加者からも反対の声が相次いだ。南コースに参加した北浦教子さん(27)=大阪府=は「激戦地だった南部を歩き、真剣に平和を訴える地元の人と交流する中で、平和を守る憲法という存在の大きさを感じた」という。「与党は憲法が変わることによって、より負担を強いられるであろう沖縄の人たちの声を聞いていない」と採決に踏み切った与党に対して怒りを示した。
 自衛隊の退職者でつくる県隊友会の石嶺邦夫会長(73)は「法が成立したからといってすぐに憲法改正に結び付くわけではない」と前置きした上で、「現行憲法には自衛隊の位置付けなど問題点もある。国民投票法案の成立をきっかけに『改正する、しない』ということも含めて議論を深めるべきだ」と話した。

揺らぐ平和の根幹 国民投票法成立
[琉球新報 5/14 16:06]

 国民投票法が成立し、施行60年を経て憲法改正への扉が開かれた。沖縄は15日で復帰35年。住民を巻き込んだ唯一の地上戦を体験し、その後米軍施政下に置かれた歴史から、日本復帰は「平和憲法」への回帰でもあった。憲法改正という平和の根幹を揺るがしかねない流れに、沖縄戦体験者や平和団体は「9条を守らねば」と口調を強めた。一方「法案自体は手続き法なので賛否はない」と冷静な反応も。「国民が関心を持ち投票に行くべきだ」との声もあった。
 2004年から活動を続けている「はえばる9条の会」の金城義夫会長(71)は「県内でも9条の会の結成が相次ぎ、市民レベルの護憲運動が広まりつつある中で改憲の流れが進んでいくことは非常に遺憾」と憤り「国民投票が行われてもあきらめずに運動を続け、9条を守りたい」とこれからの活動に力を込めた。
 ひめゆり平和祈念資料館証言員の城間和子さん(80)=那覇市=は「せめて投票率50%以下は認めないようにしなければ、国民の意見とはいえない。今の人は政治に関心が持てないと選挙も棄権するが、主権者は国民なのだから投票すべきだ。もし、有事法が発令されれば、9条は意味がなくなる。権力ある人は憲法を守るべきなのに、ちゃんと説明もせずに、とにかく変えようと突っ走っている」と話し、強い警戒心を示した。
 仲宗根義尚県遺族連合会会長(71)=沖縄市=は「国民投票法そのものは、国民投票を行う手続きを定めるもので、そのこと自体に賛否はない」と述べた上で「基本的にわれわれ戦没者遺族は、いかなる理由があっても戦争には反対。国民投票で問う内容が戦争につながるものであれば反対だ」と強調した。

国民投票法成立 各地で抗議行動
[信濃毎日新聞 2007/05/15]

 国民投票法成立に対し、県内の護憲団体や市民グループが14日、各地で抗議行動を繰り広げた。
 上田小県地方の有志や上小労連でつくる「ピースウォーク上田」は、上小地域「九条の会」連絡会に参加を呼び掛け、上田市の上田駅前でリレートーク。松本地区労連や松本民主商工会などでつくる「軍事費を削って教育・福祉にまわせ大運動松本地区実行委員会」は、松本市のJR松本駅前で抗議のビラを配布。
 長野市では、社民党県連や県労組会議などでつくる県護憲連合や、県憲法会議と県労連が街頭活動。県憲法会議などは緊急集会とデモ行進。

国民投票法成立 「平和憲法改悪が狙い」 「改憲へ大きな一歩だ」 筑後地区の市民、賛否両論
[2007/05/15付 西日本新聞朝刊 2007年05月15日00時52分]

 憲法改正手続きを定めた国民投票法(憲法改正手続き法)が参院本会議で可決し、成立した14日、筑後地区の護憲運動を進めている市民団体からは「議論が不十分だ」「平和憲法の改悪が狙いで許せない」など、反発の声が一斉に上がった。
 「ちっご9条の会」事務局次長の下東信三弁護士(56)は「9条改悪の第一歩だ」と憤りを隠さない。「講演会や対話集会などで、国民投票になった場合でも改憲反対派が勝利するような、世論をこれから作る必要がある」と今後の活動の重要性を強調した。
 全国組織「新日本婦人の会」大牟田支部の冨田峯子事務局長(70)は「最低投票率制度など細かい点が議論されないまま、がむしゃらに通した法案」と批判。同支部などでつくる「イラク戦争に反対し、憲法9条をまもる大牟田の会」は、15日午後0時45分から同市有明町の市役所前で抗議集会を開く。
 筑後地区の「教職員9条の会」の頼富行男代表(56)は、同法が公務員や教育者の国民投票運動を制限している点について「私たちにも運動自粛を求める通達があるだろうが、押し返す強い意志が必要だ」と力を込めた。
 一方、大牟田市議会議場に国旗を掲揚させる運動を進めた同市上白川町の元高校校長堺修さん(64)は「大きなステップをクリアできたのは喜ばしい。この機運を生かし憲法改正を実現してほしい」と話した。

国民投票法成立に被爆者危機感
[長崎新聞 2007/05/15]

 国民投票法が成立した十四日、県内では平和団体などから「戦前の『いつか来た道』への逆行」「九条改悪へ地続き」と批判が相次ぐ一方、県民や県内政党関係者からは憲法改正への具体的な動きの表れとして「改憲に向け国民的な議論を深める好機」との声も上がった。
 県内の被爆者や平和団体は、国民投票法成立で改憲の流れが加速することに危機感を示し、戦争放棄を定めた憲法九条を守る決意を新たにした。
 長崎市松山町の平和公園では正午すぎ、労組員や被爆者ら約百三十人が座り込み。県平和運動センターの平田昌一副議長は「与党は十分に審議をせず、数の力で意のままにしようとしている。九条を変えることは何を意味するのか考えてほしい」と訴え、最後に全員で「憲法改悪反対」と拳を突き上げた。
 長崎原爆遺族会の下平作江会長は「九条は世界に誇れる日本の宝。いかなる理由があっても手放してはならない」と話し、長崎原爆青年乙女の会の広瀬方人会長は「戦争ができる国にしようという意図が見える」と不信感を隠さない。長崎原爆被災者協議会の山田拓民事務局長も「本当に許せない」と憤った。
 県九条の会の共同代表の一人、土山秀夫氏は「改憲が前提で議論が不十分だ。最低投票率を決めておらず、公務員の言論の自由も規制している。今後は改憲が市民生活にどう影響するか世論に訴える活動に力を入れたい」と話した。

国民投票法成立<上> 9条堅守へ『攻め』転換
[東京新聞 2007年5月15日]

 日本の土台を六十年間支えてきた憲法。その改正手続きを定めた国民投票法が十四日、国会で成立した。近い将来、憲法のありようが国民に問われる公算は大きい。一億を超す有権者に、いかにして理解を深めてもらうのか、護憲派と改憲派、それぞれの取り組みも課題だ。国民投票が実施されるのは、早ければ二〇一一年。この国の“かたち”を決める憲法に、国民全体が真剣に向き合うべき時代に入った。
 「採決フンサーイ」
 「法案は廃棄せよ!」
 十四日、国会議事堂前で絶叫調のシュプレヒコールが響いた。護憲派の数百人が座り込み、のぼり旗が揺れる。だが、抗議行動もむなしく国民投票法はあっけなく成立。競い合うように声を張り上げる人たちを横目に、通行人が冷ややかなまなざしで過ぎていった。
 憲法改正のルールが出来上がり、外堀を埋められたかのように見える護憲派。国民投票法の制定自体に反対してきた、その戦術に対し、市民団体「国民投票・住民投票」情報室の今井一事務局長は「主権行使の機会を奪っては、国民はついていけない」と手厳しい。
 批判の根底にあるのは、九条をめぐる硬直化した論議をよそに政府の解釈改憲が先行し、憲法の空洞化が進んでしまうことへの危機感だ。「護憲派としても、むしろ国民投票で勝った方が解釈改憲の進行を止められるはず。退路を断ち、投票で多数を取ることを明確に意識した運動に転換しないと」
 二〇〇四年六月、手詰まり感が濃い従来の運動の枠を破ろうと、作家の大江健三郎さんらが呼び掛けて「九条の会」が発足。思想や立場の違いを超え「九条を守る」というただ一点で連携を始めた。初めから国民投票を織り込み、目標は「過半数世論の結集」。賛同する団体は三年弱で六千余になり、保守層にも広がっている。
 昨年、「九条の会・石川ネット」に加わった元石川県議の上口昌徳さん(75)は、元自民党県連幹事長。「空襲で親族七人を失った私にとって九条は世界の宝。共産や社民の人たちも、党利党略を超えないとすそ野は広がらない」と明快だ。
 国民投票の投票権者は一億人余り。「過半数の獲得には、今からその八割以上への働き掛けが必要だ」と東大教授の小森陽一・九条の会事務局長はみる。今後の運動の柱はスローガンの連呼ではなく、手間暇かかる戸別訪問を念頭に置く。
 「相手との関係に根差した運動が大切。例えば格差社会で若者がはい上がれない状況が生まれている。単に『九条を守ろう』ではなく、そうした生活現場の問題から語り始められるかどうか」
 ただ、自衛隊のイラク派遣反対を訴えるビラを郵便受けに投函(とうかん)したとして、逮捕者が出るご時世だ。早くも戸別訪問の“摘発”を心配する声もある。他人への無関心も広がる。野火のような国民運動へと脱皮できるのだろうか。
 小森事務局長は言う。「もう近所を一千軒以上回ったという人だっている。本気で『国民投票で勝つ』という覚悟を決め、自分の街で確実に取り組めるか、ですよ」

『投票する』過半数18、19歳20人の声

 国民投票法は、原則として十八歳以上を有権者と定めている。今の十八歳や十九歳の少年少女は、現行憲法についてどんなイメージを持っているのか、関東地方の二十人に聞いた。
 憲法から連想するのは「九条」や「戦争放棄」など、半数近くが平和的イメージを挙げ、最も多かった。「自分たちの権利」など人権規定や「法律の大本」という最高法規規定を挙げる声も。半面、「とっつきにくい」「身近に感じたことがない」と憲法を遠い存在と感じる人もいた。
 憲法改正の国民投票が今行われたら、半数以上が「行く」と回答。比較的関心が高かった。

憲法フェスティバル:平和憲法の意味考えよう――19日、千代田/東京
[5月15日12時3分配信 毎日新聞]

◇井上ひさしさんや香山リカさんとともに
 日本国憲法施行60周年の今年、改めて平和憲法の意味を見つめようと市民有志による「憲法フェスティバル」が19日、千代田区九段南1の九段会館ホールで開かれる。作家の井上ひさしさんや精神科医の香山リカさんらが登場し、改憲の動きが強まるいまの社会と時代を問う。
 競争社会が進む一方で、一人一人が自由に発言したり表現しにくくなっていませんか――。そんな危機感からテーマは「ゆっくり生きよう はっきり言おう」。当日は、「九条の会」の呼びかけ人でもある井上さんが憲法に対する思いを語り、数学者のピーター・フランクルさんが大道芸を披露しながら楽しく生きるコツを話す。香山さんと、NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」(新宿区)の事務局長、湯浅誠さんの対談もあり、香山さんは、診察室から見える時代の風景を、湯浅さんは貧困、格差の現状を報告する。
 同フェスティバルは今年で21回目。実行委員の一人で弁護士の森川文人さんは「国会では国民投票法が可決、成立し、まさに重要な時期。みなさんと平和憲法の価値を考えたい」と訴える。午後1時開演。2200円(当日2700円)。中高生1000円。小学生以下無料。【明珍美紀】

国民投票法:成立 憲法改正に期待と不安 「九条を守る会」反対呼びかけ/和歌山
[5月15日18時1分配信 毎日新聞]

 国会で14日成立した、憲法改正の手続きを定めた国民投票法。今後、憲法改正に向けた動きが本格化するとみられ、県内の各政党や市民からは、期待と不安の声が聞かれた。「憲法九条を守るわかやま県民の会」は和歌山市のJR和歌山駅前で、反対を呼びかけた。【青木勝彦、最上聡、吉野茂毅、清水有香】

■政党

 自民党県連の下川俊樹幹事長は「一歩前進。最終的に判断するのは国民。そのための議論の材料を提供したい」と評価。公明党県本部の角田秀樹幹事長も「必要な時期にきている。国民の理解を得られるよう説明を徹底していく」と話した。
 一方、民主党県連の山部弘代表代行は「憲法は公権力の行使を制限するための規範。国民の自由かっ達な議論がなく、不十分な形で憲法論議をする法を決めていいのか」と反発。共産党県委員会の竹内良平委員長は「国民の声を聴く姿勢がなく、国会の歴史に汚点を残す。戦後社会を支えた憲法をもっと暮らしに生かすことを呼び掛けていく」と訴えた。
 社民党県連の野見山海代表も「あまりにも性急だ。今後、国民の議論の盛り上がりや関心をいかに高めていくかが課題」と述べた。

■市民団体

 白浜町の「白浜9条の会」世話人で牧師の藤藪庸一さん(34)は「60年たって憲法が時代に合わないというが、憲法は根源的な理想を求めるもので、時代に左右されたり、時代に合わせるものではない。一部の議員がやりたいことをするために、時代にそぐわないと言っているように思える」と批判した。
 また、県平和フォーラムの梅本博文代表は「『国民主権』『基本的人権の尊重』『平和主義』という日本の憲法が説得力を持つ今、冷静な討議もなく、広範な国民合意のないまま国会を通ったことに深い危機を感じる。9条に限ってみれば、改憲支持は少数派。『平和憲法を守ろう』と考える県民とともに、運動の輪を広げたい」と語った。

■市民の声

 岩出市清水、自営業、馬場俊成さん(40)は「国民の声が、じかに国政に反映されるのは大きな意味を持つ。参加意識が高まり、政治を身近に受け止める第一歩になるのでは」と歓迎する。
 和歌山市下三毛、NPO法人スタッフ、谷口せつみさん(43)は「選挙の投票率は低下傾向にあるのに、この法で最低の投票率が定められていないのは問題。少人数で簡単に決まるならば、国民の本当の意見とは言えない」と反対した。

憲法9条:「守る」9割 ぬまづ憲法の会が街頭投票/静岡
[5月15日13時1分配信 毎日新聞]

 市民団体「ぬまづ憲法9条の会」が国民投票法成立を前にした13日、沼津市大手町の沼津西武前で憲法9条改定の賛否を問う街頭投票を実施したところ、「守る」とする人が9割近くを占めた。
 投票は今回で3回目。「変える」「守る」「分からない」の3区分がある投票ボードにシールを張ってもらう形式で、約1時間で166人が投票した。
 投票結果は、変える10▽守る146▽分からない10――と過去2回とほぼ同じ傾向だった。沼津市東椎路の会社員、橋本拓洋(たくみ)さん(24)は「時代に合わせて変えるのは当たり前」と「変える」に投票。「守る」に投票した長泉町の男性会社員(20)は「戦争放棄を規定した9条は必要」と話した。
 同会の神田健夫事務局長(69)は「今回の投票が憲法を考えるきっかけになれば」と話していた。【山田毅】

改憲反対350人訴え/5・15県民集会
[沖縄タイムス 2007年5月16日(水) 朝刊 29面]

 復帰三十五年を迎えた十五日、「憲法の改悪を許さない5・15県民集会」(主催・沖縄平和運動センター)が那覇市の県庁前県民広場であり、約三百五十人(主催者発表)が参加した。十四日に成立した国民投票法に対し「平和憲法を守る」「戦争反対」と声を上げ抗議、改憲反対を訴えた。
 同センターの崎山嗣幸議長は「復帰から三十五年を迎えたが、県民が願った、基地も核もない復帰はいまだに実現されていない。これからも沖縄の軍事強化を許さない活動に取り組む」とあいさつした。
 大学人九条の会沖縄代表の高良鉄美琉大法科大学院教授は「復帰によって沖縄が得たのは憲法だけだが、その中身は十分に勝ち取られたものではない。次世代に伝えるためにも、もう一度憲法の原点に返るべきだ」と語気を強めた。
 帰宅途中に集会に参加した芝田真弓さん(27)=那覇市、会社員=は「基地や教科書問題など、沖縄のことなのに、県民の声が政治に反映されていないことにいら立ちを感じる」と話した。
 集会後、参加者は改憲反対などを訴えながら国際通りをデモ行進した。

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