靖国派が「価値観外交」議連

2007年5月19日 (土) at 00:06:10 Posted in 外交

自民党の若手・中堅議員が「価値観外交を推進する議員の会」を結成。

「価値観外交」とは聞き慣れない言葉ですが、「自由、民主主義、人権の尊重、法の支配」という価値観にもとづいた外交をすすめるというのだ。しかし、その実体は、いわゆる靖国派の集まり。会長の古屋圭司氏は、「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の会長でもある。郵政民営化に反対したが、靖国派ということで、復党が認められたクチ。顧問の中川昭一政調会長はいうまでもない。

その主張も、外交にとどまらず、靖国参拝、教科書、「300日規定」の見直し反対などなど、ほとんど言いたい放題の状態。ジェンダー・バッシングの先頭に立っている山谷えり子首相補佐官や稲田朋美氏、西川京子氏もメンバー。

「親安倍」43人が派閥横断の外交議連(朝日新聞)
保守系議連に31人参加(NIKKEI NET)

「親安倍」43人が派閥横断の外交議連
[asahi.com 2007年05月18日02時43分]

 安倍首相が提唱する「価値観外交」を支持する自民党の中堅・若手議員43人が17日、「価値観外交を推進する議員の会」を発足させた。歴史教科書問題などで安倍氏と行動を共にした盟友たちが名を連ね、会長に古屋圭司氏、顧問に中川昭一政調会長が就任した。出席者の多くは安倍氏と「理念」を共有する議員で、派閥横断で結びつく事実上の「安倍派」の様相を呈している。
 17日、衆院議員会館。初会合は、中国を牽制(けんせい)する古屋会長のあいさつで始まった。「安倍首相が就任直後に日中首脳会談をやったが、軍事費増大など覇権拡張の疑念は払拭(ふっしょく)されず、中国は共通の価値観を持っている国ではない」
 続いて講演した中川氏も中国への警戒心をあらわにした。中国を「お隣の大事な国」と呼びつつも、「我々を包含し、我々が中国の一つの省になることは避けないといけない」と語った。
 首相は就任まもなく中韓両国を訪問し、小泉政権下で冷え込んだ東アジア外交の立て直しに努めた。ただ、1月の施政方針演説で「価値観を共有する国々」に挙げたのはインド、オーストラリア。演説で示した「価値観」を共有し、議員外交などで支援するのが議連の第一の狙いだ。
 だが、射程は外交にとどまらない。古屋氏は、郵政民営化法案に反対して離党し、昨年末に復党した。「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」と推定する民法772条の見直しに反対し、国民投票法で地位利用した公務員への罰則規定を主張するなど、保守派の中核として活発に動いている。
 この日のあいさつでも、古屋氏は人権擁護法案、皇室典範改正、靖国参拝、国民投票法、民法772条を列挙し、強調した。「いずれも思想信条、政治哲学、理念に直結する。同じ方向をめざす同志を糾合し、行動できるグループの機能をこの議連で果たしたい」
 歴史教科書や拉致問題などで、かつて首相と行動を共にした議員も多いだけに、新議連が党内保守派の理念を体現するエンジンの役割を果たす可能性もある。
 「基本的に、首相の理念とは共通する部分は多い」。古屋氏は議連メンバーについてこう説明した。いわば首相の「応援団」というわけだ。
 古屋、中川両氏や下村博文官房副長官は、首相が事務局長を務めていた「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」で活動をともにしてきた。特に古屋氏は、首相とは成蹊大の同窓でつきあいが古く、拉致問題の解決をめざす議連にも参加するなど信条的にも近い。郵政民営化法案に反対して離党したが、昨年12月に復党。党内では「首相が復党を決断したのは、古屋氏のような仲間を戻したかったからだ」とも言われるほど。実際、議連には復党組が6人いる。
 さらに、山谷えり子首相補佐官はかつて、性教育を批判する活動を党で行っていた。稲田朋美氏や西川京子氏らは民法772条の見直し問題で反対の声を上げた。昨年秋の党総裁選で安倍氏支援の中核になった「再チャレンジ支援議連」に比べても、「保守色」の濃い議員が目立つ。
 こうした「理念」とは別に、首相の出身派閥の町村派や伊吹派など主流派からの参加も目立つ。古賀、谷垣、二階各派の議員が、アジア重視派の議員連盟の中心となっていることと対照的だ。

保守系議連に31人参加
[NIKKEI NET 2007/05/17 22:00]

 安倍晋三首相に近い自民党の保守系議員が結成した「価値観外交を推進する議員の会」(古屋圭司会長)が17日、初会合を開き、下村博文官房副長官ら31人が出席した。古屋氏は「中国は共通の価値観を持っている国ではないことを踏まえて対応すべきだ。政治理念が同じ方向の同志と結束する必要がある」と訴えた。顧問に就任した中川昭一政調会長も北朝鮮や中国を念頭に「受け入れられない価値観を押しつけられるとするなら、断固として防いでいかなければならない」と力説した。

で、探してみたら、産経新聞が3月の段階でこんな記事を載せていた。

安倍外交サポート 自民に新議連、加藤氏らに対抗(産経新聞 3/23)

安倍外交サポート 自民に新議連、加藤氏らに対抗
[産経新聞 3月23日8時0分配信]

 安倍晋三首相の「主張する外交」路線を支持する自民党の中堅・若手議員が、議員連盟「価値観外交を推進する議員の会」(価値観外交議連)を結成することが22日、分かった。安倍外交への批判を続け反主流派の受け皿となりつつあり、加藤紘一元幹事長が主宰する「アジア外交・安保ビジョン研究会」に対抗し、牽制(けんせい)する狙いがあるようだ。
 価値観外交議連は、拉致問題などに首相とともに取り組んできた古屋圭司衆院議員が呼びかけた。すでに約20人が名を連ね、統一地方選後の5月上旬にも設立総会を開き活動を本格化する。
 現在、自民党には「アジア外交・安保ビジョン研究会」や、逢沢一郎議運委員長が会長の「アジア戦略研究会」などがあるが、いずれも中国との関係を重視している。
 これに対し、古屋氏らの新たな議連は、ブッシュ米大統領が打ち出し「自由、民主主義、人権の尊重、法の支配」を共有する国家間の同盟関係を強化するという価値観外交に立脚。中川昭一政調会長も顧問として参加を予定しており、勉強会を通じ、安全保障から経済戦略まで幅広く理論武装していく考えだ。
 22日は国会内で世話人会を開き、元中国共産党幹部で現在は台湾総統府国策顧問の阮銘氏が、中国の台湾戦略について講演した。

↓これが、「価値観外交を推進する議員の会」の趣意書らしい。

「価値観外交を推進する議員の会」趣意書

「価値観外交を推進する議員の会」

 今いわゆる「価値観外交」に国際社会から大きな注目が集まっています。それは同盟国たるアメリカ、あるいはアジアの国々への強いメッセージとなっているだけでなく、本年一月の安倍首相の欧州訪問では、日本と欧州の関係をより緊密で戦略的なものへ深化させる契機ともなりました。
 いうまでもなく、価値観外交が揚げる「自由・民主・人権・法の支配」は各国の政治が基本とすべき普遍的価値であるだけでなく、まだこの理念の恩恵に浴することのできない国や地域の人々にとっては、新たな国づくりへの理想、人間的生存への希望の光ともなるべきものです。
 それゆえ、この理念を日本が高く揚げることは日本外交の「志」を示すものであると同時に、日本がそうした国や人々に寄り添い、その理念実現のために主体的な役割を果たすとの力強い決意の表明でもあると考えます。
 このアジアにおいても、まだこの理念の恩恵に浴することのない国や地域、そして人々が多数存在します。と同時に一部の国は対外的に覇権拡張の危険な道を進めつつあるという憂慮すべき現実も否定できません。
 かかる現実を踏まえ、この価値観外交を与党議員として支援することはもとより、我々議員として何ができるのか、あるいは何をすべきなのか。また、この価値観を共有する国々、人々とどんな連携ができるのか。これらを今こそ考えかつ行動に移していくことが求められているのではないか、と考えます。
 ついては、以上のような認識のもと、同志の議員相集い、「価値観外交を推進する議員の会」を結成することといたします。
 趣旨に賛同される議員のご参加を呼びかける次第です。

世話人

古屋氏のブログによれば、参加国会議員は43名。

また、古屋氏のブログでは、中日新聞(5/14)の記事も紹介されている。(ただし、中日新聞のサイトからはこの記事は検索できない)

保守派、新議連結成へ
[中日新聞 5/14]

 安倍晋三首相と考え方が近い古屋圭司元経済産業副大臣ら自民党の中堅・若手保守派が存在感を増している。今月中旬には「価値観外交を推進する議員連盟」を設立し、党内の政策論議をリードする構えだ。
 自民党内では歴史認識や北朝鮮問題をめぐり、拉致議連などの議員グループがタカ派的な党内世論を形成してきた。しかし、昨年9月の安倍内閣発足後は、議連の中核を担ってきた首相や中川昭一政調会長が政権運営、党運営に専念せざるを得なくなり、活動は停滞していた。
 そこに登場したのが、首相や中川政調会長と気脈を通じる古屋氏。「郵政造反組」の古屋氏は離党を余儀なくされていたが、昨年12月に復党。若手保守派と連携し、党政務調査会の会合で持論を展開するようになる。
 特に、古屋氏らが注目を浴びたのは、国民投票法案(憲法改正手続き法案)の与党修正案と、離婚後300日以内に生まれた子は一律「前夫の子」とみなす民法規定の見直し問題だ。
 国民投票法案をめぐっては、当初の与党修正案で、国家公務員法、地方公務員法上の政治的行為の制限規定を「国民投票運動では適用しない」としたことに「労働組合が組織的な反対運動をする」などと反対。最終案で「適用除外」の条文を削除させた。300日規定見直しでも、部会で「拙速だ」などと反対論を展開し、特例新法の今国会提出見送りに追い込んだ。
 新議連は、こうした保守的政策を推進するために党内保守派を再結集する。会長に就任する古屋氏は「首相と価値観を共有する人たちで、しっかりとしたグループを作っておくことが大切だ」としており、「非安倍」を標ぼうする加藤紘一元幹事長らのアジア外交関係の議員グループに対抗する狙いもある。

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